2016年7月6日掲載


都市の未来を描く仕事に就く

 
 
福岡市住宅都市局総務部企画課長

 神代 隆文 さん

1990年 文学部地理学科卒業
1996年 大学院地理学専攻修士課程修了
同年 福岡市役所入庁

 

【現在のこと】
 今、私は福岡市の住宅都市局企画課というところで仕事をしています。福岡市は以前から元気なまちと言われてきました。豊かな自然、美味しい食べ物、個性的な祭、コンパクトで交通利便に優れ、そして何と言っても大陸、朝鮮半島に近いという地の利が海外からも多くの人を引きつけます。
 このようなポテンシャルを活かして、グローバルな都市としてステップアップしようとする取り組みを「FUKUOKA NEXT」と言っています。何せ目指すは「アジアのリーダー都市」ですから。そのために企画課では、まちづくりの情報発信を積極的に行っているんです。
 一口にまちづくりと言っても、住宅都市局だけで都市計画、交通計画、住宅、公園、ウォーターフロント等都心部の再生、郊外部の活性化など、いくつものプロジェクトを抱えています。ただし、それらをバラバラに発信したのでは、福岡市のまちの全体像や将来像が伝わらない。
 戦略的な情報発信の例として、2015年には海外からの不動産投資を呼び込むために、イベントに出展し、FUKUOKA CITYをPRしました。いかに東京と違う福岡の魅力を伝えられるか。福岡市の成長の鍵を握る都心部の再生プロジェクト「天神ビッグバン」などをジオラマを使って説明しました。このジオラマは現在、市役所15階のロビーで公開しています。海外からの視察も多く、ここで説明することもあるんですよ。

【学生の頃】
 自分の学生時代を振り返ってみると、地形も、地質も、水も緑も、都市も建築も、交通も、歴史もどれも好きでした。それで、卒論は「都市のアメニティ資源について」。1年間就職浪人後、某官庁の地方機関に勤務しましたが、事務職と技術職の越えられない壁に悩み2年で辞職。「これはいかん、何か専門をもたねば」と再度駒澤の大学院の門を叩き、近くの東京農業大学でも勉強しながら、植生調査などフィールドワークのアルバイトで稼ぎつつ、緑の勉強(深堀り)をさせてもらいました。今思うと、将来の不安はあったけれども、楽しく充実した時間でした。

【地図の表現力と発信力】
 行政や技術系コンサルタントの世界は、地理学出身者が活躍できる、食い込めるフィールドだと思います。では何を武器にすればいいのでしょう。
 まちの歴史や現状、未来をわかりやすく伝えることができる、可視化できるもの。それは「地図」です。私たちにとって「地図」という空間表現が最大の武器ですよね。
 私は学生時代に作図が好きでした。上手くはなかったのですが、どうしたら「上手く伝わるか、わかりやすいか」をイメージしながら「地図」を作ることが大切です。今でも様々な資料づくりをしていますが、学生時代の作図の経験が活きているようです。

【仕事に就く】
 では、行政や技術系コンサルタントの世界には、どうやって入ればよいのでしょうか。地理という職種での採用はまずないので、まちづくりの「現場」に近づくためには、建築や土木、農業土木、そして造園といった技術系の職種でこの世界に入ることをお勧めします。そのためには学生時代に、総論、理論だけでなく、専門にしっかり首を突っ込んで、技術を学んで下さい。
 また、必ずしも技術職にこだわらず、例えば、これから基幹産業となっていく観光産業の分野で活躍できるような資格やスキルを身につけられるようにするのもいいでしょう。着地型観光産業の発達が期待されています。これは、地域振興やまちおこしと一体です。地域を見る目を養った地理学出身者にはもってこいの仕事だと思います。行政分野に限らず、その技術を活かして活躍している先輩は全国にいます。

【思い切ってやろう】
 さて、私は最近デスクワーク(内部調整業務)が多くなっていますが、地域の自然や住民と向き合う、まちづくりのリアルな現場ほど面白いものはありません。だから、時々フィールドワークが恋しくなります。そんな時はきちんとプライベートの時間をとって、地元で地域の環境を守る活動などに参加しています。http://fukaemamorukai.blog.fc2.com/
 学生時代の数年間を何かにこだわって、たとえその時は失敗だったとしても大したことではありません。必ず長い人生の肥やしになります。地理が好きならこだわってみませんか。「駒澤だからこそできること」って沢山ありますよ!


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