活躍する卒業生

DATE:2017.10.19活躍する卒業生

一度きりの人生、本当にやりたいことに向かって、チャレンジし続けていきたい

大宮アルディージャ クラブアンバサダー 塚本 泰史 さん

大宮アルディージャ クラブアンバサダー 塚本 泰史 さん
1985年埼玉県生まれ。文学部歴史学科日本史学専攻卒業。関東大学サッカーリーグ戦ではアシスト王、ベストイレブンに選出される。2008年Jリーグ・大宮アルディージャへ入団。2010年、右大腿骨に骨肉腫判明。手術後リハビリを継続しながら、現在は大宮アルディージャのクラブアンバサダーとして活動中。

現役復帰を目指して、現在、大宮アルディージャのクラブアンバサダーとして様々な活動をしている塚本さんに、大学時代の思い出や今後の目標についてお話を伺いました。

どんな学生時代でしたか?

サッカー漬けでしたね。駒大サッカー部では良い先輩や仲間に恵まれて、全国制覇など良い経験をさせてもらいました。その先輩や仲間がプロに行ったり、クラブからオファーをもらっているのを見て、自分もプロになりたいと強く思うようになりましたね。

学業の方は、松本 信道 先生(文学部歴史学科准教授。専門は、日本古代史。)のゼミに所属していたのですが、先生がサッカーと学業の両立に理解のある方で。僕がプロになってからも、当時のゼミの仲間と一緒に試合を見に来てくれたりしました。今でも先生とはたまに連絡を取ってるんですよ。

3歳上の兄の影響で幼稚園からサッカーを始めましたが、本当に駒大に行って良かったなと思います。大学で 秋田 浩一 監督(サッカー部監督、総合教育研究部スポーツ・健康科学部門教授。専門は、コーチング論。)の指導を受け、監督がずっと起用してくださったからこそプロになれた。サッカーのスキルだけではなく人間的にも成長できたので、大学時代は僕の人生の中で大きなものを占めている時期です。

大学3年時に「第65回全日本大学サッカー選手権大会」優勝(3連覇)に貢献

プロの世界で学んだことは?

大学の新卒は即戦力扱いなんです。大宮入団後の背番号は「2」。チームからの期待を受けて、早く試合に出て結果を残さないといけない状況でした。でもなかなか監督の期待に応えることができず、試合に出られない日々が続きました。2年目になって、同じポジションの選手が怪我をして。その時、回ってきた出番を上手くものにできて、レギュラーとして出場できるようになりました。いつ巡ってくるか分からないチャンスを活かすには、日頃からの準備が大切だなと感じましたね。

まさに、これからという時にご病気が分かって...。
そこから、どのように気持ちを立て直すことができましたか?

右ひざの痛みは2年目の夏ぐらいからあったのですが、休めばプレーができる状態でした。それが強い痛みになってきて、3年目のシーズン前に検査で骨肉腫と分かりました。それを聞いた時は本当に頭が真っ白になりました。家族に泣きながら「生きていてもらいたい」と言われて、手術を受ける決心をしました。医者には「選手としてサッカーを続けることはできない」と言われたけど、きっとこの病気になってもサッカーをやろうとした人がいないだけで、やってみないと分からないという気持ちがありました。だったら「僕が第一人者になってやろう」、「もう一度ピッチに立ちたい」と。そういう目標があったからこそ、厳しいリハビリにも耐えることができたのだと思います。また、病気を公表した後、沢山の方から激励の言葉をいただきました。いまだにスタジアムに僕のユニフォームを着て来てくれる方がいたり。そういった皆さんからの思いが、今の自分の原動力になっています。

現在の活動とこれからの目標をお聞かせください。

現在はクラブアンバサダー、いわゆる親善大使として、様々なイベントやサッカー教室などに参加しています。

個人的には、夢に近づくために、毎年チャレンジを続けていますが、来年はアルディージャが20周年を迎えるので、その時にOB戦をやろうという話があって。その時にピッチに立ちたいなと考えているので、今年は大きなチャレンジではなく、来年に向けて、今は例年以上にトレーニングに励んでいます。病気をしてリハビリを始めてから、当たり前の毎日がいかに幸せかということに気づかされました。辛いことや苦しいこともあるけれど、元気に生きているからこそ感じられること。僕が一歩一歩、頑張る姿を示すことで、同じ病気の人たちに少しでも勇気を与えられたらいいなと思っています。

現役学生にメッセージを。

僕は親から、「何か夢中になるものを見つけて、それに向かって頑張りなさい」と言われてきました。僕の場合はそれがサッカーで、ずっと頑張ってきました。同じように皆さんも、誰かに言われたからやるのではなく、自分の本当にやりたいことを見つけて、自分の意思で行動してもらいたいなと思います。若いので何度でもやり直しはきくし、一度きりの人生ですから。仲間を大切にしながら、自分の道を見つけて歩んでもらいたいですね。

※ 本インタビューは『学園通信329号』(2017年10月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。

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