「ことばのご意見番」

皆さまからのお寄せいただきましたご意見、お考えを掲載しています。

 

[コメント1998.1.9]森田康夫<morita23@mail.shogakukan.co.jp>さん

タメの語源ですが、博打用語からという説があります。『談志楽屋噺(白夜書房:昭和62年)』という本に出ていますから、引用しましょう。講談の神田松鯉のいれごと(ギャグ)の説明をするくだりです。

 

「秀吉にねぇ、伊達政宗が初めて会った。正宗は、秀吉の顔を見ると、『おっかあ、柿をくんねえっ』て顔してるから、正宗は小馬鹿にして、ふふんと笑った。秀吉ぁ秀吉で、正宗を見たら、正宗は伊達百万石だが、独眼流片目だ。『なんだ、これが伊達百万石の主か』と思うと、これも馬鹿にして、ふふんを笑ってたから、オールセームだ。講釈師でも英語ぐらいは知ってんだ。わかりやすくいやあ、タメ、タメはねえ。」

タメってなぁバクチ用語で、同目(どうめ)のことだ。

 

赤字の部分が、神田松鯉のギャグ、青字は家元談志のコメントです。神田松鯉先生は明治生まれの芸人。このあたりに源があろうかと思いますが、ここから先はなかな難しいですね。日本国語大辞典を見ても方言大辞典を見てもとっかりがありません。個人的には、1971年(高校二年の時)、この言葉を聞いています。都内の学校でした。『談志楽屋噺』は最近文庫になっていますから、(文春かな)立ち読みでもどうぞ。

 

[コメント1997.12.17]ToshifumiMorikawa <toshi555@gold.ocn.ne.jp>さん

 女性の場合には、「○○女史」という敬称がありましたよね。

確か、ヘレンケラーの来日の報道などは、「ヘレンケラー女史」を使っていたように思うのですが。

 近年、女性名(姓名)の後に「氏」を使うのはかなり一般化しており、この現象を無知とばかりは言えなくなっているのではないかと思います。

つまり、「氏」の元来の使用法は充分心得た上で、これを敢えて用いるという傾向がみられるのではないか、と考えます。

おそらく、「うじ」意識の変化等が反映しているのではないでしょうか?

また、コメントさせてもらいます。 

 

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