2008年07月16日から07月16日更新

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ことばの溜め池

ふだん何氣なく思っている「ことば」を、池の中にポチャンと投げ込んでいきます。ふと立ち寄ってお氣づきのことがございましたらご連絡ください。

 

 

 

 
 
 
 
 
 
2008年07月16日(土)晴れ
けづりひ【削氷】
 明月記元久九年七月廿八日の条に「自途參和歌所昨日家隆朝臣參會雅経殊遅参大理被寄櫃二合銘代ニ勅撰上下有破子(ワリコ)瓜土器酒等又有寒氷自取刀被削氷入興甚〈下略〉…」貞丈云「暑月ニ去年氷室(ヒムロ)ニ納タル氷ヲ朝廷ニ貢献スルヲ諸臣ニモ頒チ給フ。其氷ヲ削テ食スル也。御ケツリヒト云事『榮花物語』ナドニモ見エタリ。氷ヲ「ヒ」ト云也。コホリハコリナリコリノ反切音コヒナリ」〔小山田與清蔵本『安斎随筆』麻久奈岐ノ卷〕
と記載する「削氷」の語について、近代の国語辞書である大槻文彦編『大言海』に、
けづり‐ひ[けずりひ]〔名〕【削氷】氷を、削りたるもの。*榮花物語、廿五、峯月「はかなき果物(クダモノ) も聞召さで、消入り、消入りせさせたまへば、けづりひばかりを御前(おまへ)に置きて、絶えず、進めまゐらせ ける」*枕草子、三、廿六段、あてなるもの「けづりひのあまづらに入りて、新らしき金碗に入りたる」 *春曙抄「削氷、夏月の暑きに、くひ物損ぜしめぬために、氷を加へおく事也」*江家次第、廿、新任 大臣大饗「王卿着穏座、差肴物、暑月、削氷、甘瓜、等」〔617D〕
と記載し、これを現代の国語辞書である小学館『日本国語大辞典』第二版では、
けずり‐ひ[けづり:]削氷】〔名〕氷を削ったもの。《季・夏》*宇津保物語〔九七〇〜 九 九九頃〕国譲中「物もきこしめさず。けづりひをなんめす」*枕草子〔一〇C終〕四二・あ てなるもの「けづりひにあまづら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる」*古今著聞集〔一二 五四〕六・二七四「夜ふけて折櫃のうへに折敷をおきて、けづりひをすゑて公卿の前におか れけり」*俳諧・新季寄〔一八〇二〕六月「削氷(ケツリヒ)」*妻木〔一九〇四〜〇六〕 〈松瀬青々〉夏「削氷をもて這入けり裏借屋」【辞書】言海【表記】【削氷】言海  
と記載する。
ことばの実際》十三行古活字板『枕双子』(九州大学蔵)では、四十九段にあてなるもの「けつりひ乃あまつらに入て」と記載する。
《参考文献》
 田口哲也著『氷の文化史―人と氷とのふれあいの歴史―』(1994年,冷凍食品新聞社刊)をMANAしんぶん〔中島満さん〕が紹介する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
《参考文献》
 田口哲也著『氷の文化史―人と氷とのふれあいの歴史―』(1994年,冷凍食品新聞社刊)をMANAしんぶん〔中島満さん〕が紹介する。
 
 
2008年01月02日箱根関東学生駅伝 駒澤大学往路第二位
2008年01月03日箱根関東学生駅伝 駒澤大学復路第一位。総合優勝
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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