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ことばの溜め池
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知客(シカク) 禅家官。〔元亀二年本312一〕
知客(シカ) 禅家官。〔静嘉堂本365二〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「知客」と記載し、訓みは山田俊雄藏本と文明四年本に「シカ」と記載する。
知客(シカ/チ・シル、カク・アヅマ)[平・入] 鴻臚。或云二知賓(チヒン)ト一。接客官人也。維那(イノ)為レ代人也。〔官位門919三〕
知客(シカ) 又知賓。〔弘・人倫門237八〕〔永・官名門200七〕
知客(シカ) 。〔尭・官名門190七〕
知客(シカ) 知賓(チヒン)。〔人倫門203六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「知客」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記とは、異なるものとなっている。
601蔵主知客(シカ)浴主(ヨクス) 風呂役者。〔謙堂文庫蔵五四左F〕
とあって、標記語「知客」の語を収載し、語注記は未記載にする。
知客(シカ)ハ客(キヤク)人ノ時長老奏者(ソウシヤ)スル僧ナリ。〔下32オ二・三〕
知客(しか)/知客 客人のあしらひする役なり。〔83オ四〕
とあって、この標記語「知客」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲知客ハいまだ不考。諸注ミな客人をあいしらふ役とするハ請客不混じたり。恐らくハ非ならん。〔60オ三、60ウ五〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲知客ハいまだ不考。諸注(しよちゆう)ミな客人をあいしらふ役とするハ請客に混(こん)じたり。恐(おそ)らくハ非ならん。〔107ウ五、108ウ六〕
シ-カ〔名〕【知客】〔字の唐音〕禪家にて、客を接待する役僧。運歩色葉集「知客、シカ、禪家官」庭訓往來、十月「知客、燒香」〔0878-3〕
蔵主(ス) 。〔元亀二年本272二〕
蔵主(サウス) 。〔静嘉堂本310七〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「蔵主」と記載する。
蔵主(ザウ・クラ、ス/カクス・ヲサム、ヌシ)[平去・上] 司蔵人也。上官人也。東西有二人。又云二知蔵。典蔵。雅蔵。雅伯。蔵雪。蔵局。尊蔵。〔官位門776四〕
蔵主(ス) 。〔永・官名門175八〕
蔵主(ザウス) 。〔尭・官位門164九〕
蔵主(ザウス) 。〔言辞門177一〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「蔵主」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっていることにとりわけ留意すべきであろう。異名という語は用いずに「知蔵・典蔵・雅蔵・雅伯・蔵雪・蔵局・尊蔵」の語を列挙している。これは如何なる資料に依るか今後の調査を待ちたい。
601蔵主知客(シカ)浴主(ヨクス) 風呂役者。〔謙堂文庫蔵五四左F〕
とあって、標記語「蔵主」の語を収載し、語注記は未記載にする。
藏主(ザウス)維那(イノ)ハ堂前ニテ勤(ツトメ)ヲ始(ハジム)ル人ナリ。時ニ臨(ノゾン)テ佛事法會ニ勤(ツトメ)ヲ始ル声名(シヤウミヤウ)器用(キヨウ)ノ仁也。其ヲバ維那ノ役ト云ヘシ。〔下32オ二〕
蔵主(ざうす)/蔵主 經藏(きやうざう)をあつかりてあつかふ役也。兼(かね)て学問の事をもつかさとる。〔83オ三〕
とあって、この標記語「蔵主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲蔵主ハ經藏(きやうざう)奉行也。〔60オ三、60ウ四〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲蔵主ハ經藏(きやうざう)奉行也。〔107ウ五、108ウ六〕
Zo<su.ザウス(蔵主) 禅宗(Ienxus)の坊主(Bonzos)の中のある位,または,階級.〔邦訳844l〕
ざう-す〔名〕【藏主・藏司】〔藏主の居所を、藏司と云ふ、やがて、藏主をも、藏司と云ふ〕(一)禪家にて、經藏を掌る僧の役名。知藏。敕修百丈清規、下、兩序「知識、職掌二經藏一、兼二通義學一、凡看レ經者、初入二經堂一、先白二堂主一、同到二藏主一相看、云云」朝野群載、十七、嘉永二年十月廿一日「大法師珍寳、件僧、宜レ補二平等院經藏司一」?嚢鈔(文安二)、第十三條「經藏を預るを、藏主と云ふ」撮壤集(享コ)、上、諸宗「藏主」註「知識、典藏」」(二)此語、僧位の階級の稱となり、首座の次、沙彌の上に居る、又、僧名に添へても云ふ。太平記、十六、小貳興二菊池一合戰事「小貳が最末の子に、宗應藏主と云ふ僧、云云」堺鏡(天和)釣狐「永禄中、泉州、堺、耕運庵住僧、伯藏主、狐を養育す」(三)無意味に、法體の者の稱ともなる。明良洪範、十、秀吉自筆辭世「尼、孝藏主に命じ、深く納めおくべし、云云、預けおきし歌やある、云云、藏主尼、やがて、取り出し奉る、云云(太閤秀吉の侍女の尼なり)」〔0771-1〕
書記(シヨキ) 禅家官。〔元亀二年本311九〕
書記(シヤキ) 禅家官。〔静嘉堂本364八〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「書記」と記載する。
書記(シヨキ/カク、シルス)[平・去] 又云二記案一書注法門人。上官人也。始二黄龍ヲ一也。當二三位一也。〔態藝門416六〕
書記(シヨキ) 又記室。〔弘・人倫門237八〕
書記(シヨキ) 記室。〔永・官名門200七〕
書記(シヨキ) 。〔尭・官名門190七〕
書記(シヨキ) 記(キ)室。〔人倫門203六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「書記」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。そして、広本『節用集』の語注記の後半部と真字本の語注記が共通している点は両書の連関性を考える上から注目せねばなるまい。
600書記 當‖三位|也。〔謙堂文庫蔵五四左F〕
とあって、標記語「書記」の語を収載し、語注記は、「三位に當るなり」と記載する。
書記(シヨキ)ハ物書(カキ)也。〔下32オ一〕
書記(しよき)/書記 物を書(かき)記(しる)す役也。〔83オ二・三〕
とあって、この標記語「書記」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲書記ハ記録(きろく)を司る役也。〔60オ三、60ウ四〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲書記ハ記録(きろく)を司る役也。〔107ウ五、108ウ六〕
Xoqi.シヨキ(書記) 坊主(Bonzos)の間の或る位.〔邦訳794r〕
しょ-き〔名〕【書記】(一)文字を、書きしるすこと。(二)書きしるす役。ものかき。かきやく。右筆。白居易詩「青衫書記何年去、紅旆將軍昨日歸」謝靈運詩、序「阮?管二書記之任一」〔1010-5〕
首座(ソ) 禅家官。〔元亀二年本311九〕
首座 禅家官。〔静嘉堂本364七〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「首座」と記載し、訓みは文明四年本に「シユソ」と記載する。
首座(シユ・ハジメ、ソ/シユウ・カウベ、サ・ユカ)[去・去] 又云二座元(ゾゲン)ト一座原續傳灯。前堂後堂者有二二人一。又云二前板後(コウ)板ト一。始メトス二雲門ヲ一也。長老差合(アイ)之時。際隙(ケキ)行二佛事一人也。又掛牌(クワハイ)首座(ソ)トテ上人也。前堂ハ當二二位一。後堂ハ當二三位ニ一也。又釋氏要覧云居(キシ)二席之端ニ一處二僧之上ニ一故云也。唐宣宗署(ツカサ)ス二弁章ニ一。此ヲ為レ始ト也。所謂――即其人也。衆服従徳業兼備ノ者充レ之也。〔官位門919一〕
首座(シユソ) 前板后板。〔弘・人倫門237八〕
首座(シユソ) 。〔永・官名門200七〕〔尭・官位門190七〕
首座(シユソ) 前板後板。〔人倫門203六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「首座」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は詳細で、その一部分がこの真字註に記述された内容であることが注目視されよう。この点については、今後の調査に期することとする。
599前-堂後-堂ノ兩首座(ザ) 前堂ハ當‖二位ニ|後堂ハ當‖三位ニ|也。〔謙堂文庫蔵五四左E〕
とあって、標記語「首座」の語を収載し、語注記は、未記載にする。
首座(シユソ)ハ一番(バン)坐(サ)ノカシラ也。〔下32オ一〕
前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)/前堂後堂兩首座 前堂ハ二位後堂ハ三位にあたる僧官也。皆首座なるゆへ両首座と?首座ハ席順第一に座すると云義なり。〔83オ一〕
とあって、この標記語「首座」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者。〔60オ三〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)〔107ウ五〕
Xu<so.シユソ(首座) 坊主(Bonzos)の中の或る位.〔邦訳803l〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「後堂」と記載する。
後堂(ゴダウ/コウ・ウシロ・ノチ、イヱ)[去・平] 首座(シユソ)又云後板(コウハン)ト一始二仰山ヲ一也。〔官位門659二〕
このように、上記当代の古辞書においては、唯一広本『節用集』に標記語「後堂」の語を以て収載している。そして、これを古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、その語注記は大いに異なる。
599前-堂後-堂ノ兩首座(ザ) 前堂ハ當‖二位ニ|後堂ハ當‖三位ニ|也。〔謙堂文庫蔵五四左E〕
とあって、標記語「後堂」の語を収載し、語注記は、「後堂は、三位に當るなり」と記載する。
頭首(テウシユ)方ニハ者前堂(せンタウ)後堂(ゴタウ)兩頭首方(テウシユカタ)ト云ハ學問ノ宗儀(シウギ)ヲ知ルナリ。〔下31ウ八〜32オ一〕
前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)/前堂後堂兩首座 前堂ハ二位後堂ハ三位にあたる僧官也。皆首座なるゆへ両首座と?首座ハ席順第一に座すると云義なり。〔83オ一〕
とあって、この標記語「後堂」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲後堂ハ首座(しゆそ)とのミ称す單寮(たんりやう)の次也。〔60オ三、60ウ四〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲後堂ハ首座(しゆそ)とのミ称(しよう)す單寮(たんりやう)の次也。〔107ウ五、108ウ五〕
× 。〔元亀二年本224一〕※脱語箇所
前堂(ダウ) 禅家。〔静嘉堂本256五〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「前堂」と記載する。
前堂(ぜンダウ/―、イヱ)[平・平] ――後堂謂二之座元(ゾゲン)ト一始二雲門ヲ一也。〔官位門1083六〕
前堂(ゼンダウ) 首座也。謂之座元。〔弘・官名門263三〕〔永・官名門225一〕
前堂(ゼンタウ) 首座也。謂二之座元一。〔尭・官名門212一〕
前堂(ぜンダウ) ―司。〔官位門233四〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「前堂」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。そして、語注記については広本『節用集』を頂点とする『節用集』類の語注記とは大いに異なっている。
599前-堂後-堂ノ兩首座(ザ) 前堂ハ當‖二位ニ|後堂ハ當‖三位ニ|也。〔謙堂文庫蔵五四左E〕
とあって、標記語「前堂」の語を収載し、語注記は、「前堂は、二位に當る」と記載する。
頭首(テウシユ)方ニハ者前堂(せンタウ)後堂(ゴタウ)兩頭首方(テウシユカタ)ト云ハ學問ノ宗儀(シウギ)ヲ知ルナリ。〔下31ウ八〜32オ一〕
前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)/前堂後堂兩首座 前堂ハ二位後堂ハ三位にあたる僧官也。皆首座なるゆへ両首座と?首座ハ席順第一に座すると云義なり。〔82ウ六〕
とあって、この標記語「前堂」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲前堂首座を單寮(たんりやう)と稱(しよう)す。西堂の次(つぎ)也。〔60オ三、60ウ四〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲前堂首座を單寮(たんりやう)と稱(しよう)す。西堂の次(つぎ)也。〔107ウ五、108ウ五〕
598頭首方(テウ−カタハ) 入院ノ時取持ツ僧ノ官也。〔謙堂文庫蔵五四左E〕
とあって、標記語「頭主」の語を収載し、訓みを「テウ(シユ)カタ」とし、語注記は、「入院の時、取り持つ僧の官なり」と記載する。
頭首(テウシユ)方ニハ者前堂(せンタウ)後堂(ゴタウ)兩頭首方(テウシユカタ)ト云ハ學問ノ宗儀(シウギ)ヲ知ルナリ。〔下31ウ八〜32オ一〕
頭主(ちようしゆ)方(かた)者(ハ)/頭主方者 学問(がくもん)の宗儀を極め衆僧乃頭たる役僧なり。此下に頭役の僧を云んとて此句を置たる也。〔82ウ八〜83オ一〕
浄頭(シヤウツウ) 禅家守西浄之官。〔元亀二年本317六〕
淨頭(トウ) 禅家守二西浄之官也。〔静嘉堂本373三〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「浄頭」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「ジンチウ」と記載する。
浄頭(シンヂウ/―、トウ・カウベ)[去・平] 西浄役人。〔官位門920三〕
浄頭(シンヂウ) 。〔人倫門204一〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「浄頭」の語を以て収載し、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。とりわけ語注記は、広本『節用集』と近似するものである。
597浄頭(シンチウ/ジヤウテウ) 西浄役者。〔謙堂文庫蔵五四左D〕
とあって、標記語「浄頭」の語を収載し、訓みを「シンチウ、ジヤウテウ」とし、語注記は、「西浄の役の者」と記載する。
浄頭(シンヂウ)ハ東司(トウス)ノ奉行也。〔下31ウ八〕
浄頭(じやうとう)/浄頭 東司(とうし)奉行なり。〔82ウ七〕
とあって、この標記語「浄頭」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲浄頭ハ東司(かハや)を司る也。〔60オ三、60ウ三・四〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲浄頭ハ東司(かハや)を司る也。〔107ウ五、108ウ五〕
‡Xingiu<.シンヂュゥ(浄頭) →Xinju<.〔邦訳770l〕
Xinju<.シンジュゥ(浄頭) Xinjo< yacunin.(西浄の役人)禅宗坊主(Bonzos Ienxus)の間で,便所に関することを司る役僧.※Xingiu<(シンヂュゥ)の誤り.〔邦訳770l〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「堂主」と記載し、訓みは経覺筆本「ドウシユ」、山田俊雄藏本・文明四年本に「タウス」と記載する。
維那(イノ/ヲヽツナ・ツナグ、ナ・ナンソ)[平・平] 此ニハ云二悦衆又綱維(カウイ)。紀綱(キカウ)。堂司(ダウス)。又云二此枝ト一五宗〓。授亊(ジユウジノ)人也。總収寺院。勤行。知亊。頭首。兼對僧也。如二俗家検断人一也。又寄歸傳云。僧房中無三人知二時限一佛令レ立――(イノウ)ヲ一。〔官位門7五〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「堂主」の語は未収載にして、唯一、広本『節用集』の語注記のうちに「堂司」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
595堂主 役者也。〔謙堂文庫蔵五四左D〕
とあって、標記語「堂主」の語を収載し、語注記は、「役の者なり」と記載する。
堂主(タウス)ハサウヂノ奉行ナリ。掃除(サウヂ)トハ。加樣ニ書テヨシ。〔下31ウ八〕
堂主(たうしゆ)/堂主 一堂の守り也。掃除奉行也ともいふ。〔82ウ七〕
とあって、この標記語「堂主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲堂主ハ掃除(そうぢ)奉行也。〔60オ三、60ウ三〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲堂主ハ掃除(さうぢ)奉行也。〔107ウ五、108ウ四〕
修造司(シユサウス) 。〔元亀二年本321五〕
修造司 。〔静嘉堂本378七〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「修造主」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「(シユ)サウス」、経覺筆本「シユサウ(ス)」、文明四年本に「シユサウス」と記載する。
修造主(シユサウス/シウ・ヲコナウ・ヲサム、ツクル、ヌシ)[平・上・上] 造作奉行。〔官位門920四〕
修造司(シユザウス) 造作奉行。〔弘・人倫門238二〕
修造司(シユザウス) 造作奉行。〔永・官名門200八〕
修造(シユザウ)司 浄頭造作奉行。〔尭・官名門190八〕
修造(シユザウ)司(シ) 造作(ザウサク)奉行(ブギヤウ)。又作――主。〔人倫門204一〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「修造主」の語を収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。そして広本『節用集』を中心として、語注記そのものはやはり異なっている。
594修造主(−サウス) 造営奉行ノ官也。〔謙堂文庫蔵五四左D〕
とあって、標記語「修造主」の語を収載し、訓みを「(シユ)サウス」とし、語注記は、「造営奉行の官なり」と記載する。
修造主(シツスイ)ハ作事奉行也。〔下31ウ七・八〕
修造主(しゆざうす)/修造主 作事(さくじ)奉行なり。〔82ウ六・七〕
とあって、この標記語「修造主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲修造主ハ作事(さくじ)奉行也。〔60オ三、60ウ三〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲修造主ハ作事(さくじ)奉行也。〔107ウ五、108ウ四〕
Xuzo<su.シュザゥス(修造主) 禅宗僧(Ienxus)の間における位.あるいは,階級.〔邦訳805l〕
しう-ざう〔名〕【修造】をさめつくること。修復。修理。北史、魏孝文帝記「凡所二修造一、不レ得已而爲レ之」平治物語、一、信頼信西不快事「大内は、久しく修造せられざりしかば」」〔0875-2〕
都文(ツウフン) 禅家東班官也。〔元亀二年本157五〕
都文(ツウブン) 禅家東班官也。〔静嘉堂本172六〕
都文(フン) 禅家東班。〔天正十七年本中57ウ一〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「都聞」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「(ツウ)ブン」、経覺筆本「ツウフン」、文明四年本に「ツウウン」と記載する。
都聞(ツウブン/ト・スベテ・ミヤコ、キク)[○・平去] 都寺之經上也。〔官位門412八〕
都文(ツウブン) 僧官又作都聞東班。〔弘・人倫門126三〕
都文(ツウブン) 僧之官也。又作レ都聞。〔永・官名門104三〕
都文(ツウブン) 僧官。又―聞。―寺。―官。〔尭・官名門94八〕
都文(ツウブン) 僧官。又―聞。都寺。―官。〔両・官名門116一〕
都聞(ツウブン) ―官(クワン)。―寺(ス)/―維那(イナ)。〔官位門103二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「都聞」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は収載しているのである。ただし、広本『節用集』の語注記は、他とは異なった文献資料に基づくものとなっている。
592都聞(ツウ−) 同上(番役)。〔謙堂文庫蔵五四左D〕。
とあって、標記語「都聞」の語を収載し、訓みを「ツウ(ブン)」とし、語注記は、「同(番役)」と記載する。
都管(ツウクハン)都聞(ツウブン)ハ僧ノ名字ヲ付時悉(コト/\)ク計(ハカラ)フ人ナリ。〔下31ウ七〕
都聞(つうぶん)/都聞 都管の添役(そへやく)なり。〔82ウ六〕
とあって、この標記語「都聞」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲都管都聞ハ共に僧(そう)の名(な)をつくるとき諸事(しよし)を取はからふ役也。〔60オ三、60ウ三〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲都管都聞ハ共に僧(そう)の名をつくるとき諸事(しよじ)を取はからふ役也。〔107ウ五、108ウ四〕
つう-ぶん〔名〕【都聞・都文】又、つぶん。禪宗の僧職。都寺(ツウス)の下、監寺(カンス)(一寺を監督するもの)の上にあり。僧の名を撰ぶもの。庭訓往來、十月「都聞」運歩色葉集、「都文(ツウブン)(禅家、東班官也)」東福清規「都聞轉レ位、則令二都寺退一、而都聞立二班其位一、新住持入院、則都聞立二都寺一之班」庭訓往來精注鈔「都管、都聞ハ、共ニ僧ノ名ヲ作ルトキノ諸事ヲ取リハカラフ役ナリ」〔1304-1〕
都官(クワン) 同(禅家東班官也)。〔元亀二年本157四〕
都官(クワン) 。〔静嘉堂本172六〕
都官(クワン) 同(禅家東班)。〔天正十七年本中17ウ七〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・経覺筆本の古写本は、「都管」とし、建部傳内本・山田俊雄藏本の古写本にては「都官」と記載して二分する。訓みは山田俊雄藏本・経覺筆本共にに「ツウグワン」と記載する。文明四年本は此の語を未収載にする。
都官(ツウクワン/ト・スベテ・ミヤコ、ツカサ)[○・平] 都寺為也。〔官位門412八〕
都管(クワン) 同(僧官/東班)。〔弘・人倫門126三〕
都官(ツウクハン) 。〔永・官名門104三〕
都文(ツウブン) 僧官又―聞/―寺。―官。〔尭・官名門94八〕
都聞(ツウブン) ―官(クワン)。―寺(ス)/―維那(イナ)。〔官位門103二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「都管」乃至は「都官」の語を以て収載し、これを古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本には収載しているのである。そして古辞書広本『節用集』の語注記は異なっており、別の文献資料に依拠していると見られる。
592都官(ツウ−) 同上(番役)。〔謙堂文庫蔵五四左D〕。
とあって、標記語「都官」の語を以て収載し、訓みを「ツウ(クワン)」とし、語注記は、「番役」と記載する。
都管(ツウクハン)都聞(ツウブン)ハ僧ノ名字ヲ付時悉(コト/\)ク計(ハカラ)フ人ナリ。〔下31ウ七〕
都管(つうくわん)/都管 僧の名をつくる時など諸事をはからふ役なり。〔82ウ六〕
とあって、この標記語「都管」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲都管都聞ハ共に僧(そう)の名(な)をつくるとき諸事(しよし)を取はからふ役也。〔60オ三、60ウ三〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲都管都聞ハ共に僧(そう)の名をつくるとき諸事(しよじ)を取はからふ役也。〔107ウ五、108ウ四〕
つう-くヮん〔名〕【都官】又、つくヮん。佛家の語。つうす(都寺)に同じ。庭訓往來、十月「都管」同、具注抄「都官、都聞ハ、共ニ僧ノ名ヲツクルトキ、諸事ヲ取ハカラフ役ナリ」〔1303-1〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「直歳」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「ジキスイ」、経覺筆本に「ヂキサイ」、文明四年本に「シツスイ」と記載する。
591典座(テンソウ)直歳(シツツイ/スイ) 番役。〔謙堂文庫蔵五四左C〕
とあって、標記語「直歳」の語を収載し、訓みを「シツツイ、シツスイ」とし、語注記は、「番役」と記載する。
直歳(シツスイ)ハ米(コメ)奉(ブ)行ナリ。〔下31ウ七〕
直歳(じきさい)/直歳 米奉行なり。又番(ばん)の役(やく)共云。〔82ウ五〕
とあって、この標記語「直歳」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲直歳ハ所領(しよりやう)を司り年貢(ねんぐ)取納(とりをさめ)等の役(やく)也。〔60オ三、60ウ三〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲直歳ハ所領(しよりやう)を司り年貢(ねんぐ)取納(とりをさめ)等の役也。〔107ウ五、108ウ三・四〕
しッ-すゐ〔名〕【直歳】禪宗にて、一歳、寺内の修理、什物の整頓、田園の栽培、等の種種の事務を管する職。僧堂清規「直歳は、年中、寺内の修理を掌る、門窓、牆壁を修補し、動用の什物、道具、器具を修換し、山林の竹木、田園の栽種を提擧する」〔0906-2〕
典座(テンソ) 。典坐(同) 。〔元亀二年本245十〕
典座(テンゾ) 。〔静嘉堂本284二〕
典座(テンソ) 。〔天正十七年本中57ウ一〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「典座」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「典座」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・文明四年本に「テンゾ」と記載する。
典座(テンゾ/ノリ、ザ・ユカ)[上・○] 僧ノ官。齋粥奉行。典(ツカサ)ノ次付二床座ニ一。此掌僧ノ九亊ノ一也。〔官位門716〕
典座(ゾ) 僧位。〔弘・官名門197二〕
典座(テンゾ) 僧位。〔永・官名門162六〕
典座(テンゾ) 僧官。〔尭・官名門152五〕
典座(テンソ) 。〔人倫門164四〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「典座」の語を収載し、これを古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。ここでも広本『節用集』の語注記については、実に詳細で異なる文献資料に依拠している。
591典座(テンソウ)直歳(シツツイ/スイ) 番役。〔謙堂文庫蔵五四左C〕
とあって、標記語「典座」の語を収載し、語注記は、「番役」と記載する。
典座(テンゾ)ハ味噌(ミソ)塩(シホ)米(コメ)酒(サケ)ヲ擬(アテ)ガフ人ナリ。〔下31ウ六〕
典座(てんそ)/典座 席順の事をつかさとる役なり。又味噌米なとをあてかふ役ともいふ。〔82オ七〜八〕
とあって、この標記語「典座」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲典座ハ塩(しほ)味噌(ミそ)薪(たきゞ)等を司(つかさど)る役也。〔60オ三、60ウ二〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲典座ハ塩(しほ)味噌(ミそ)薪(たきゞ)等を司る役也。〔107ウ五、108ウ三〕
Tenzo.テンゾ(典座) 禅宗僧(Ienxus)の間におけるある役目,あるいは,任務で,台所の職員,あるいは,その長のようなもの.〔邦訳647r〕
テン-ゾ〔名〕【典座】〔字の宋音〕佛教の語。禪林にて、大衆の牀座、及、齋飯などの雜事を掌る役僧。僧史略「典座者、調典二主牀座一、九事學二座一色一、以擬レ之、乃通典二雜事一」禪苑清規「典座之職、主二大衆齋粥一、須下運二道心一隨レ時改變上、令二大衆受用安樂一、亦不レ得枉費二常住齋料一、及點二檢廚中一、不得三亂有二抛撒一」〔1371-5〕
維那(イノ) 禅家之調声テウシヤウ。〔元亀二年本13二〕
維那(イノ) 禅家之調声。〔静嘉堂本5六〕
維那(イノ) 禅家之詞声。〔天正十七年本中57ウ一〕〔西來寺本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「維那」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「ヰノ」、経覺筆本・文明四年本に「イノ」と記載する。
維那(イノ/ヲヽツナ・ツナグ、ナ・ナンソ)[平・平] 此ニハ云二悦衆又綱維(カウイ)。紀綱(キカウ)。堂司(ダウス)。又云二此枝ト一五宗〓。授亊(ジユウジノ)人也。總収寺院。勤行。知亊。頭首。兼對僧也。如二俗家検断人一也。又寄歸傳云。僧房中無三人知二時限一佛令レ立――(イノウ)ヲ一。〔官位門7五〕
維那(イノ) 二者禅家。〔人倫門2二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「維那」の語を収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。ただし、広本『節用集』の語注記は他とは異なる詳細なものとなっている。
590維那(イノウ) 聖家ニハ音違也。〔謙堂文庫蔵五四左C〕
とあって、標記語「維那」の語を収載し、訓みを「イノウ」とし、語注記は、「聖家には、音を違へるなり」と記載する。
藏主(ザウス)維那(イノ)ハ堂前ニテ勤(ツトメ)ヲ始(ハジム)ル人ナリ。時ニ臨(ノゾン)テ佛事法會ニ勤(ツトメ)ヲ始ル声名(シヤウミヤウ)器用(キヨウ)ノ仁也。其ヲバ維那ノ役ト云ヘシ。〔下32オ二〕
維那(いな)/維那 拍子木(ひやうしき)を打て時をふれ講堂(かうたう)の座を定むる役なり。〔82オ七〜八〕
とあって、この標記語「維那」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲維那ハ法會(ほふゑ)奉行にして兼(かね)て讀經(どくきやう)を初る役也。〔60オ三、60ウ四・五〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲維那ハ法會(ほふゑ)奉行にして兼(かね)て讀經(どくきやう)を初(はじめ)る役也。〔107ウ五、108ウ六〕
ゐ-な〔名〕【維那】〔維は綱維の義、衆僧を統ぶること、那は梵語、羯磨陀那(Karmadana)の略、知事、又は、授事と譯す、梵漢兩擧の語なり〕又、ゐの。ゐなふ。禪林にて、六知事の一。衆僧の進退、威儀、などを掌る役僧。南海歸傳、四「舊云、維那者非也、維是唐語、意道二綱維一、那是梵音、略二去羯磨陀字一」敕修百丈清規、四「維那、綱二維衆僧一、曲盡二調攝一、云云」永平清規(道元)坤「維那、梵語維那、此云二悦衆一、凡僧中事並主レ之、云云」〔2183-1〕
別寺(フウス) 禅家東班之官。〔元亀二年本224四〕
副寺(フウス) 禅家東班之宮。〔静嘉堂本257一〕
副寺(フウス) 禅家之東班之官。〔天正十七年本中57ウ三〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本に「副寺」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「フウス」と記載する。
副寺(フウス/ソヱル、テラ)[去・上] 知亊僧ノ官位ノ名。庫裡(クリ)。奉行。上司。下司。有二二人一也。〔官位門621一〕
副寺(フウス) 知亊僧官位名。―下―。〔弘・官名門180一〕
副寺(フウス) 僧官。〔永・官名門147六〕〔尭・官名門138一〕
副寺(フウス) 。〔官位門148五〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「副寺」の語を以て収載し、広本『節用集』の注記により「副寺」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
589副寺(フウス) 同上(役者也)。〔謙堂文庫蔵五四左C〕
とあって、標記語「副寺」の語を収載し、語注記は、「役者なり」と記載する。
副寺(フウス)ハ所領(シヨリヤウ)クバリスル人ナリ。〔下31ウ四・五〕
副寺(ふくす)/副寺 所領くはりする役なり。〔82ウ四〕
とあって、この標記語「副寺」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲副寺ハ一切(いつさい)金銀出入りの取締(とりしまり)役也。〔60オ三、60ウ二〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲副寺ハ一切(いつさい)金銀(きん/゛\)出入りの取締(とりしまり)役也。〔107ウ五、108ウ二・三〕
Fu>su.フウス(副寺) 禅宗坊主(Bonzos lenxus)の間における或る役職.〔邦訳285l〕
ふう-す〔名〕【副寺】〔篇海類編「副音富、貳也、佐也」〕僧職の一。禪宗にて、監寺(カンス)に屬して、會計を司るもの。フクジ。副司。庫頭(コヂユウ)。勅修百丈清規「副寺、古規曰二庫頭一、今諸寺稱二櫃頭一、北方稱二財帛一、其實皆此一職、蓋副二貳都監寺一、分レ勞也、掌二常住金穀錢帛米麥一、出入隨レ時上レ暦」」撮壤集、上、禪僧「長老、僧録、東堂、西堂、前堂、云云、都寺、監寺、副寺、典座」〔1721-1〕
監寺(カンゾ) 禅家東班ノ官。〔元亀二年本97七〕
監寺(カンゾ) 禅家東班之官。〔静嘉堂本122二〕
監寺(カンソ) 禅家東班之官。〔天正十七年本上60オ三〕〔西來寺本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「監寺」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「カン(ス)」、文明四年本に「カンツ」と記載する。
監寺(カンゾ/カヾミル、テラ)[去・去] 又云二監院ト一。下行年貢奉行也。知亊僧ノ官也。監者惣領之称ナリ。不レ称二寺院ノ主ト一。者推二尊長老一。又禅門類聚ニハ云。此云二寺主ト一。内外ノ知亊以テ監寺ヲ一為レ首云々。〔官位門262五〕
監寺(カンズ) 僧官。東班。〔弘・人倫門77四〕
監寺(カンゾ) 僧官。〔永・人倫門76九〕〔両・人倫門83一〕〔両・官名門85六〕
監寺(カンス) 僧官。〔尭・人倫門71五〕
監寺(カンズ) 。〔人倫門71五〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「監寺」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は収載しているのである。そして、広本『節用集』の注記が詳細にあって他の古辞書とも、真字註の語注記とも異なるものとなっている。
588監寺(カンス/カンゾ) 同上。〔謙堂文庫蔵五四左C〕
とあって、標記語「監寺」の語を収載し、語注記は、「役者なり」と記載する。
都寺(ツウス)監寺(カンス)ハ所領(シヨリヤウ)ヲ知(シリ)テサバク人ナリ。〔下31ウ五・六〕
監寺(かんす)/監寺 目付(めつけ)役也。〔82ウ四〕
とあって、この標記語「監寺」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲監寺ハ都寺の下(した)役(やく)にて諸出入方(しよていりかた)の支配をなす。席ハ蔵主(ざうす)の上席(せき)とぞ。〔60オ三、60ウ二〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲監寺ハ都寺の下(した)役(やく)にて諸出入方(しよていりかた)の支配(しはい)をなす。席ハ蔵主(ざうす)の上席(せき)とぞ。〔107ウ五、108ウ二〕
Canzo.カンゾ(監寺) 禅宗(Ienxus)の宗門における坊主(Bo<zos)のある位,または,役職.※Bo~zosとあるべきもの.〔Bo<jaの注〕〔邦訳92r〕
都文(ツウフン) 禅家東班官也。都寺(ス) 同。都管(クワン) 同。〔元亀二年本157五〕
都文(ツウフン) 禅家東班官也。都寺(ス) 。都管(クワン) 。〔静嘉堂本172六〕
都文(フン) 禅家東班。都寺(ス) 同。都管(クワン) 同。〔天正十七年本中17ウ七〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「都寺」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「ツウス」と記載する。
都寺(ツウス/トスベテ・ミヤコ、シ・テラ)[○・去] 又云二都總ト一。寺領以下總奉行。總之官領人也。以上ハ。知亊僧ノ官也。〔官位門412八〕
都寺(ス) 僧官。東班。都管(クワン) 同。〔弘・官位門126三〕
都寺(ツウス) 。都管(ツウクハン) 。〔永・官位門104三〕
都文(ツウブン) 僧官。又―聞。―寺。―官。〔尭・官位門94八〕
都聞(ツウブン) ―官(クワン)。―寺(ス)。―維那(イナ)。〔官位門103二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「都寺」の語を以て収載し、広本『節用集』の注記により「都寺」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
587都寺 役者也。〔謙堂文庫蔵五四左C〕
とあって、標記語「都寺」の語を収載し、語注記は、「役者なり」と記載する。
都寺(ツウス)監寺(カンス)ハ所領(シヨリヤウ)ヲ知(シリ)テサバク人ナリ。〔下31ウ五・六〕
都寺(つうす)/都寺 所領(しよれう)を知りさばく役(やく)なり。〔82ウ三〕
とあって、この標記語「都寺」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲都寺ハ万事勝手向(かつてむき)の取締(とりしまり)をする重(をも)き役也。席(せき)ハ首座(シユソ)の上席とぞ。〔60オ三、60ウ一〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲都寺ハ万事勝手向(かつてむき)の取締(とりしまり)をする重(をも)き役也。席(せき)ハ首座(シユソ)の上席とぞ。〔107ウ五、108ウ一・二〕
Tcu<su.ツウス(都寺) 禅宗(Lenxus)の坊主(Bonzos)の間における,ある一つの役目.〔邦訳636r〕
つう-す〔名〕【都寺】つうかんす(都監寺)の略。其條を見よ。都管。庭訓往來、十月「知事方都寺」庭訓往來精注鈔、「都寺ハ、萬事勝手向ノ取締ヲスル重キ役ナリ」永平清規、「古時監寺而己、近日稱都寺、即監寺也、稱副寺、亦監寺也」尺素徃來(一條兼良)「東班知事者、都寺(ツウス)」〔1303-4〕
知事(ジ) 禅家ニ曰二東班(ハン)ヲ一。〔元亀二年本63三〕
知事(ジ) 禅家曰東班。〔静嘉堂本73四〕
知亊 禅家曰東班。〔天正十七年本上37オ二〕〔西來寺本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「知事」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「知事」と記載し、訓みは文明四年本に「チ(ジ)」と記載する。
知亊(チジ/シル、ワザ・コト)[平・去] 又作二知寺一。或名二東班ト一。〔官位門160七〕
知寺(チジ) 僧。知事(同) 。〔弘・人倫門48八〕
知寺(チジ) 。知亊 。〔永・人倫門50二・三〕
知識(チシキ) ―寺。―亊。〔尭・人倫門45九〕〔両・人倫門54二〕
知事(チジ) 。知寺(チジ) 。〔人倫門48五・六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「知事」の語を以て収載し、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、此の語を収載する。但し、広本『節用集』や『運歩色葉集』に語注記が見えているがこれとは異なっている。
586并知亊方者 納所ノ儀也。役者也。〔謙堂文庫蔵五四左B〕
とあって、標記語「知事」の語を収載し、語注記は、「納所の儀なり。役者なり」と記載する。
知事(チジ)方(ガタ)ニハトハ一切寺ノマカナヒヲスルナリ。〔下31ウ五〕
并知事(ちじ)方(かた)者(ハ)/并知事方者 知事とハ事をつかさとる也。此下に知事の役僧をえんとて此句を置し也。〔82ウ二・三〕
とあって、この標記語「知事」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲知事方ハ納所方(なつしよかた)也。万事まかなひをする役(やく)の名(な)也。執(しつ)事方ともいふ。〔60オ三、60ウ一〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲知事方ハ納所方(なつしよかた)也。万事(ばんじ)まかなひをする役(やく)の名(な)也。執事(しつじ)方ともいふ。〔107ウ五、108ウ一〕
Chiji.チジ(知事) 坊主(Bozos)の寺院における或る役職.〔邦訳121r〕
ち-じ〔名〕【知事】〔事務を知(知はつかさどる)る意〕(一)事を知ること。(二)明治の初年に、府、藩、縣の長官。後に府縣の長官。(三){寺院の事務を司る役僧。禪家の執事。東序、などの類。天武紀、下、二年十二月「大和高市大寺知事」琅閾代醉編「梵云二羯磨陀一、此云二知事僧一」鮮嚢鈔、十、三十四條、三綱事「都維那(ツヰナ)、云云、寺護と翻す、又は悦衆と云、亦は知事と云」(四)支那にて、地方(州、又は縣)の長官。〔1266-3〕
東堂(タウ) 曰‖禅家之長老ヲ|。〔元亀二年本54三〕
東堂 曰‖禅家之長老ヲ|。〔静嘉堂本60五〕
東堂 禅家。〔天正十七年本上31オ五〕〔西來寺本〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂并〔至徳三年本〕
禪家者堂頭和尚東堂西堂并〔宝徳三年本〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂〔建部傳内本〕
禅家者ニハ塔頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂西堂并〔山田俊雄藏本〕
禅家者(ハ)堂頭(タウテウ)和尚東堂(タウ)西堂(タウ)并ニ〔経覺筆本〕
禅(せン)家者。堂頭(タウテウ)。和尚(ヲシヤウ)。東堂。西堂。并ニ〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「東堂」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「東堂」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「テンジン」、文明四年本に「テン(ジン)」と記載する。
東堂(トウダウ/ヒガシ、イヱ)[平・平] 謂‖五山長老ヲ|也。〔官位門128四〕
東堂(トウダウ) 長老。〔弘・人倫門42一〕〔永・人倫門42八〕〔両・人倫門46六〕
東堂(トウタウ) 長老。〔尭・人倫門40一〕
東堂(トウダウ) 長老。〔人倫門041二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「東堂」の語を以て収載し、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、此の語を収載している。但し語注記内容は大いに異なり、広本『節用集』と『運歩色葉集』とが「五山」と「禅家」と置き換えているが、共通する文献内容からの引用と考えられるのである。
585東堂西堂 東堂ハ乗無位地々々ノ々トハ寂光土也云々。西堂者當‖一位|也。〔謙堂文庫蔵五四左A〕
とあって、標記語「東堂」の語を収載し、語注記は「東堂は、乗無位地々々の々とは寂光土なり云々」と記載する。
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并ニハ長老ノ事也。左右(サイウ)ヲ論スルノ僧ヲ東伴(トウバン)西伴(せイハン)ト云フ也。〔下31ウ四・五〕
東堂(トウタウ)西堂(せイタウ)/東堂西堂 禅の僧官なり。東堂は一位に當る。秉払(ひんほつ)を勤て後東堂になる也。西堂も同し。ある人云退院の西堂といふに東堂は當時の住持。西堂ハ隠居(いんきよ)したる先(せん)の住持の事なるにや。〔82ウ一・二〕
とあって、この標記語「東堂」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并/禅家者ハ堂頭和尚東堂西堂并▲東堂ハ勅任(ちよくにん)也。長老(ちやうらう)とも和尚とも稱(しよう)す。紫衣(しえ)を着(き)る也。〔60オ三、60オ八〜ウ一〕
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)▲東堂ハ勅任(ちよくにん)也。長老(ちやうらう)とも和尚とも稱(しよう)す。紫衣(しえ)を着(き)る也。〔107ウ五、108オ六〕
To>do<.トウダウ(東堂) 頭立った坊主(Bonzos)の位,あるいは,階級で,寺院の長のようなもの.※原文はReitores.〔邦訳655l〕
とう-だう〔名〕【東堂】〔西堂(サイダウ)に對す〕禪寺の長老の稱號。即ち、當寺の住職、其職を退きて東堂に居る故に、當寺の前住を東堂と云ふ。(東は主位、前住の人は是れ舊主なる故に、東堂に居り、これに對して、他山の前住を西堂と稱す)瑩山清規「如二當寺退院長老一、稱二之東堂一」僧寳傳、白雲端禪師「圓通訥禪師、讓二圓通一以居レ之、而身處二東堂一」庭訓往來、十月「禅家者堂頭和尚東堂西堂」貞丈雜記、四、役名之部「西堂と云ふは禪家の官也、出世の次第、藏主、首主、單寮、西堂、東堂とのぼる也、西堂までは私の官也。東堂は、禁裏より被二仰付一なり、東堂を長老とも和尚共云ふ、紫衣を着する也」〔1387-3〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂并〔至徳三年本〕
禪家者堂頭和尚東堂西堂并〔宝徳三年本〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂〔建部傳内本〕
禅家者ニハ塔頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂西堂并〔山田俊雄藏本〕
禅家者(ハ)堂頭(タウテウ)和尚東堂(タウ)西堂(タウ)并ニ〔経覺筆本〕
禅(せン)家者。堂頭(タウテウ)。和尚(ヲシヤウ)。東堂。西堂。并ニ〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「和尚」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「和尚」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・文明四年本に「ヲシヤウ」と記載する。
和尚(ヲシヤウ/クワ・ヤワラグ、ナヲシ・ヒサシ)[平去・去] 梵ニハ――。此ニハ名二刀生ト一。又云二依学(カク)ト一。又有二四種一云々。釋氏要覧禾上。和闍事苑。鶻社蔵王音義。〔(官位門211七〕
和尚(ヲシヤウ) 。〔人倫門061七〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』・易林本『節用集』に標記語「和尚」の語を以て収載し、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。但し語注記は、広本『節用集』とは異なっていることから、独自の引用文献に依るものである。
584禅家者ハ堂頭(タウテウ)和尚 和尚反近論。又散位ヲ云也。〔謙堂文庫蔵五四左A〕
とあって、標記語「和尚」の語を収載し、この語についての語注記は、「和尚反近論。又散位を云ふなり」と記載する。
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并ニハ長老ノ事也。左右(サイウ)ヲ論スルノ僧ヲ東伴(トウバン)西伴(せイハン)ト云フ也。〔下31ウ四・五〕
堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)/堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ) 禪の長老なり。〔82オ八〕
とあって、この標記語「和尚」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并/禅家者ハ堂頭和尚東堂西堂并▲堂頭和尚ハ前官(ぜんくハん)の大和尚所謂(いはゆる)散位(さんゐ)也。〔60オ三、60オ八〕
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)▲堂頭和尚ハ前官(せんくわん)の大和尚所謂(いハゆる)散位(さんゐ)也。〔107ウ五、108オ六〕
Voxo<.ヲシャウ(和尚) 坊主(Bonzos)のある位.〔邦訳727r〕
を-しゃう〔名〕【和尚】〔梵語、Upadhyaya.(泝波陀耶)の轉、親教師、力生などと譯す、舎利弗問經に「蓋師之力、生二長法身一」又、近誦と譯す、同經に「弟子年少、不レ離二於師一、常逐近、受レ經而誦」とあるに因るならむ、猶、わじゃう(和上)の條をも見よ〕(一)佛家にて、師の義。禪宗に和尚(ヲシヤウ)と云ひ、天台宗に和尚(クワシヤウ)と云ひ、眞言宗に和尚(ワシヤウ)、又、「和上(ワジヤウ)」と云ひ、法相宗、律宗に「和尚(ワジヤウ)」と濁る。或は僧位とす。大和尚は法印に同じく、和尚ハ法眼に同じ。又、僧侶の汎稱ともす。玄應音義、十四「和尚、菩薩内戒經作二和闍一、皆于霏國等訛也、應レ言二郁波弟耶一、此云二近誦一、以下弟子年少、不レ離二於師一、常逐近受レ經而誦上也、又言二泝波陀耶一、此云二親教一、舊譯云三知罪知無罪名爲二和尚一也」(二)茶道の宗匠の稱。(又、弓馬、槍、劔の師匠にも云ふ)僧俗にかかはらず稱す。下の出典を見よ。近代世事談(菊岡沾凉)一、飲食、茶の湯「茶禮は、禪家隱遁の體を摸し、質素閑靜を學びたるもの也、よって宗匠たる人を、和尚と云ふなり」(三)轉じて、上首の遊女の稱。かたこと(貞室)「吉原を開きし庄司甚右衞門の姉は、小田原の北條氏政の妾にて、名づけられて、ヲシャウと云ふ」〔2201-3〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂并〔至徳三年本〕
禪家者堂頭和尚東堂西堂并〔宝徳三年本〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂〔建部傳内本〕
禅家者ニハ塔頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂西堂并〔山田俊雄藏本〕
禅家者(ハ)堂頭(タウテウ)和尚東堂(タウ)西堂(タウ)并ニ〔経覺筆本〕
禅(せン)家者。堂頭(タウテウ)。和尚(ヲシヤウ)。東堂。西堂。并ニ〔文明四年本〕
と見え、山田俊雄藏本は「塔頭」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「堂頭」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「タウテウ」、経覺筆本・文明四年本に「タウテウ」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「堂頭」の語未収載にあって、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
584禅家者ハ堂頭(タウテウ)和尚 和尚反近論。又散位ヲ云也。〔謙堂文庫蔵五四左A〕
とあって、標記語「堂頭」の語を収載し、この語についての語注記は、未記載にする。
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并ニハ長老ノ事也。左右(サイウ)ヲ論スルノ僧ヲ東伴(トウバン)西伴(せイハン)ト云フ也。〔下31ウ四・五〕
堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)/堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ) 禪の長老なり。〔82オ八〕
とあって、この標記語「堂頭」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并/禅家者ハ堂頭和尚東堂西堂并▲堂頭和尚ハ前官(ぜんくハん)の大和尚所謂(いはゆる)散位(さんゐ)也。〔60オ三、60オ八〕
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)▲堂頭和尚ハ前官(せんくわん)の大和尚所謂(いハゆる)散位(さんゐ)也。〔107ウ五、108オ六〕
だう-とう〔名〕【堂頭】禪家にては、ダ(ド)ウテ(チヨ)ウと訓(よ)む。方丈の異名にて、住持の人の居所。轉じて、現在の寺主を云ふ稱。禪林象器箋、殿堂門「方丈稱堂頭、住持人居處」同、稱呼門「方丈和尚、稱堂頭也」〔1196-2〕
× 。〔元亀二年本〕
禅家 。〔静嘉堂本426五〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂并〔至徳三年本〕
禪家者堂頭和尚東堂西堂并〔宝徳三年本〕
禅家者堂頭和尚東堂西堂〔建部傳内本〕
禅家者ニハ塔頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂西堂并〔山田俊雄藏本〕
禅家者(ハ)堂頭(タウテウ)和尚東堂(タウ)西堂(タウ)并ニ〔経覺筆本〕
禅(せン)家者。堂頭(タウテウ)。和尚(ヲシヤウ)。東堂。西堂。并ニ〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「禅家」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「禅家」と記載し、訓みは文明四年本に「ゼン(ケ)」と記載する。
道号(ダウガウ) 以上ノ數箇条凡ソ禪家ニ所ロノ言フ義也。〔態藝門084三〕
禅家(ぜン・ユヅル、ケ/シヅカ、カ・イヱ)[平・平] 。〔態藝門1092四〕
禪定(ぜンヂヤウ) ―法(ボフ)。―家(ケ)。―客(カク)。〔言辞門235五〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』標記語「禅家」の語を収載し、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
584禅家者ハ堂頭(タウテウ)和尚 和尚反近論。又散位ヲ云也。〔謙堂文庫蔵五四左A〕
とあって、標記語「禅家」の語を収載し、この語についての語注記は、未記載にする。
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并ニハ長老ノ事也。左右(サイウ)ヲ論スルノ僧ヲ東伴(トウバン)西伴(せイハン)ト云フ也。〔下31ウ四・五〕
禅家(ぜンケ)者ハ/禅家(ぜンケ)者 是より下ハ大齋に招請する人々を云。僧物布施の品人によりて差別(しやべつ)あるゆへ是をいひおくるなり。〔82オ七〜八〕
とあって、この標記語「禅家」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)并/禅家者ハ堂頭和尚東堂西堂▲禅家ハ五山(こさん)を指(さし)ていふ。〔60オ三、60オ八〕
禅家(ぜンケ)者ハ堂頭(タウテウ)和尚(ヲシヤウ)東堂(トウダウ)西堂(サイタウ)▲禅家ハ五山(こさん)を指(さし)ていふ。〔107ウ五、108オ五・六〕
Ienqe.ゼンケ(禅家) Ienno iye.(禅の家) 禅宗(Lenxus)の一門,あるいは,教団.〔邦訳358l〕
ゼン-け〔名〕【禅家】禪宗。又、其寺。〔1121-4〕
器用(キユウ) 。〔元亀二年本283四〕〔静嘉堂本324四〕
但時點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔至徳三年本〕
但時點心之作法僧物布施次第無故實候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔宝徳三年本〕
但齋點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給也〔建部傳内本〕
但シ時點心(テンジン)之作法僧物布施ノ次第無故実ニ候調菜ノ之仁古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器用ノ之仁定テ令二存知せ一候歟委細可二示給一候〔山田俊雄藏本〕
但シ齋点心ノ作法僧物布施ノ次第无ク二故(コ)実一候調菜ノ仁ハ古老ノ行(アン)者等ノ中ニモ器用之仁定テ令二存知一候歟委細可二示シ給ハル一也〔経覺筆本〕
但シ時(トキ){齊}點(テン)心ノ之作法僧物(ソウフツ)。布施ノ次第(シタイ)無ク二故実(コジツ)一候。調菜(サイ)ノ之仁。古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器(キ)用之仁。定テ令(シメ)レ存知一候歟。委細可二示給一候也〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「器用」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「器用」と記載し、訓みは文明四年本に「キ(ヨウ)」と記載する。
器用 キヨウ。〔黒川本・畳字門下52オ五〕
器量 〃仗。〃用。〔卷第八・畳字門526六〕
器用(キヨウ/ウツハモノ、モチイル)[去・去] 。〔態藝門833四〕
器用(キヨウ) 。〔弘・言語進退門223五〕
器量(キリヤウ) ―用(ヨウ)。〔永・言語門185七〕
器量(キリヤウ) ―用(ヨウ)。―物。〔尭・言語門175一〕
器量(キリヤウ) ―物(モツ)。―財(サイ)。―用(ヨウ)。―具(グ)。〔言辞門007三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「器用」の語を収載し、これを古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
583僧物布施次第無故實候調菜仁古老之行者等之中器用之仁定令存知候歟委細可示給也 行者ハ南禅寺正眼院自‖宗論|起也。〔謙堂文庫蔵五四右H〕
とあって、標記語「器用」の語を収載し、語注記は未記載にする。
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
古老(こらう)の行者(あんじや)等(とう)の中(なか)に器用(きよう)之(の)仁(じん)/古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁 古老ハ年老て事に馴れたるを云。行者ハ彼僧也。注下に見へたり。器用とは才知ありて人の用にたつを云。是ハ僧物布施の次第といふ句に應して書し也。〔82オ三〜五〕
とあって、この標記語「器用」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
古老(こらう)の行者(あんじや)等(とう)の中(なか)に器用(きよう)之(の)仁(じん)定(さだ)めて存知(ぞんち)せ令(し)むる歟(か)委細(いさい)示(しめ)し給(たま)ふ可(べ)き也(なり)/古老ノ行者等中。器用之仁定テ令ムル二存知セ一歟委細可キ二示シ給ノ一也。▲器用ハ才智ありて事の用に立をいふ。〔59ウ六、61オ三〕
古老(こらうの)行者(あんしや)等(とうの)中(うち)器用(きよう)之(の)仁(じん)定(さだめて)令(しむる)二存知(ぞんせ)一歟(か)委細(ゐさい)可(へき)二示(しめし)給(たまふ)一也(なり)▲器用ハ才智ありて事の用に立をいふ。〔107オ二、ウ一・二〕
Qiyo>.キヨウ(器用) 技能に長じていること.〔邦訳514l〕
き-よう〔名〕【器用】(一)器(うつは)の、もちゐられて、人の用をなすこと。左傳、定公九年、傳、注「器用者、謂下物之成レ器、可レ爲二人用一者上也」(二)人の才能の、世の用をなすこと。左傳、隱公五年「其材不レ足三以備二器用一、則君不レ舉焉」王褒、聖主得二賢臣一頌「夫賢者、國家之器用也」海人藻芥、下「天性しかるべき人なりとも、能き人に添ひ、能く習はさば、必能くなるべし、如何に器用の人なりとも、惡しくてなさば、惡(わる)かるべし」(三)轉じて、手技(てわざ)に、敏(さと)く巧みなること。手利(てきき)。手巧。拙きを、不器用(ブキヨウ)と云ふ。甲陽軍鑑、十七、品第四十七、三法印侘言事「器用だてをする者は、無器用の眞只中」心中成氷朔日(寳永、近松作)上「細工は器用にて、精さへ出せば二人前」〔0499-1〕
但時點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔至徳三年本〕
但時點心之作法僧物布施次第無故實候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔宝徳三年本〕
但齋點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給也〔建部傳内本〕
但シ時點心(テンジン)之作法僧物布施ノ次第無故実ニ候調菜ノ之仁古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器用ノ之仁定テ令二存知せ一候歟委細可二示給一候〔山田俊雄藏本〕
但シ齋点心ノ作法僧物布施ノ次第无ク二故(コ)実一候調菜ノ仁ハ古老ノ行(アン)者等ノ中ニモ器用之仁定テ令二存知一候歟委細可二示シ給ハル一也〔経覺筆本〕
但シ時(トキ){齊}點(テン)心ノ之作法僧物(ソウフツ)。布施ノ次第(シタイ)無ク二故実(コジツ)一候。調菜(サイ)ノ之仁。古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器(キ)用之仁。定テ令(シメ)レ存知一候歟。委細可二示給一候也〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「古老」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「古老」と記載する。
古老 老耄/コラウ。〔黒川本・畳字門下9オ四〕
古今 〃風。〃人。〃體。〃里。〃聖。〃老。〃集。〃昔。〃弊。〃字。〃文。〔言辞門007三〕
國(クニハ)有(アレバ)二善政(ぜンせイ)一議(ハカリ)二之(コレ)前訓(せンキン)ニ一諮(トウ)二之(コレヲ)於故老(コラウ)ニ一是(コヽヲ)以(モツテ)慮(ヲモンハカルニ)无(ナシ)失(シツ)スルコトレ栄(ヱイ)ヲ挙(キヨ)スルニ无(ナシ)過亊(アヤマテルコト)後漢書。〔態藝門527二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「古老」の語を以て収載し、三卷本『色葉字類抄』、広本『節用集』の語注記により「古老」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
583僧物布施次第無故實候調菜仁古老之行者等之中器用之仁定令存知候歟委細可示給也 行者ハ南禅寺正眼院自‖宗論|起也。〔謙堂文庫蔵五四右H〕
とあって、標記語「古老」の語を収載し、この語についての語注記は、未記載にする。
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
古老(こらう)の行者(あんじや)等(とう)の中(なか)に器用(きよう)之(の)仁(じん)/古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁 古老ハ年老て事に馴れたるを云。行者ハ役僧也。注下に見へたり。器用とは才知ありて人の用にたつを云。是ハ僧物布施の次第といふ句に應して書し也。〔82オ三〜五〕
とあって、この標記語「古老」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
古老(こらう)の行者(あんじや)等(とう)の中(なか)に器用(きよう)之(の)仁(じん)定(さだ)めて存知(ぞんち)せ令(し)むる歟(か)委細(いさい)示(しめ)し給(たま)ふ可(べ)き也(なり)/古老ノ行者等中。器用之仁定テ令ムル二存知セ一歟委細可キ二示シ給ノ一也。▲古老ハ年老(としおひ)て事に馴(なれ)たる人をいふ。〔59ウ六、60オ二〕
古老(こらうの)行者(あんしや)等(とうの)中(うち)器用(きよう)之(の)仁(じん)定(さだめて)令(しむる)二存知(ぞんせ)一歟(か)委細(ゐさい)可(へき)二示(しめし)給(たまふ)一也(なり)▲古老ハ年老(としおひ)て事に馴(なれ)たる人をいふ。〔107オ二、ウ一・二〕
Coro<.コラゥ(古老・故老) 老年にして経験を積んでいること.¶Coro<no jin(故老の仁)年老いた,経験を積んだ人.〔邦訳150r〕
こ-らう〔名〕【故老・古老】年、老いたる人。老成の人。(敬ふ意に云ふ)詩經、小雅、新父之什、正月篇「召二彼故老一、訊二之占夢一」書經、無逸篇、孔傳「小人之子、云云、輕二侮其父母一、曰二古老之人無一レ所二聞知一」保元物語、一、法皇熊野御参詣事「午の時までおりさせ給はねば、古老の山伏八十餘人、般若妙典を讀誦して、祈?、良久し」〔0743-5〕
調菜(サイ) 。〔元亀二年本244七〕〔静嘉堂本282三〕
但時點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔至徳三年本〕
但時點心之作法僧物布施次第無故實候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔宝徳三年本〕
但齋點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給也〔建部傳内本〕
但シ時點心(テンジン)之作法僧物布施ノ次第無故実ニ候調菜ノ之仁古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器用ノ之仁定テ令二存知せ一候歟委細可二示給一候〔山田俊雄藏本〕
但シ齋点心ノ作法僧物布施ノ次第无ク二故(コ)実一候調菜ノ仁ハ古老ノ行(アン)者等ノ中ニモ器用之仁定テ令二存知一候歟委細可二示シ給ハル一也〔経覺筆本〕
但シ時(トキ){齊}點(テン)心ノ之作法僧物(ソウフツ)。布施ノ次第(シタイ)無ク二故実(コジツ)一候。調菜(サイ)ノ之仁。古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器(キ)用之仁。定テ令(シメ)レ存知一候歟。委細可二示給一候也〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「調菜」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「調菜」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「テンジン」、文明四年本に「テン(ジン)」と記載する。
調菜(テウサイ) 調ウルレ味ヲ者ノ也。〔態藝門085三〕
調菜(テウ・シラベ、サイ/トヽノウ、ナ)[平去・去] 調味。〔態藝門732二〕
調菜(テウサイ) 味―。〔弘・言語進退門198七〕
調法(テウハウ) ―子(シ)。―菜(サイ)調味義。―伏(ブク)。―練(レン)或錬。〔永・言語門164三〕
調法(テウハウ) ―子。―采。―味。―練。―伏。〔尭・言語門153六〕
調練(テウレン) ―法(ハフ)。―備(ビ)。―伏(ブク)。―味(ビ)。―進(シン)。―子(シ)。―菜(サイ)。―美(ビ)。―聲(シヤウ)。―和(ワ)。〔言辞門166二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「調菜」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。但し、この注記語は真字本には未記載にある。
583僧物布施次第無故實候調菜仁古老之行者等之中器用之仁定令存知候歟委細可示給也 行者ハ南禅寺正眼院自‖宗論|起也。〔謙堂文庫蔵五四右H〕
とあって、標記語「調菜」の語を収載し、この語についての語注記は、未記載にする。
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
調菜(てうさい)の仁(じん)/調菜之仁 料理方にくわしき人也。此句(このく)ハ點心の作法と云句に應(おう)じて書(かけ)り。〔81ウ七〕
とあって、この標記語「調菜」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
調菜(テウサイ)の仁(じん)/調菜之仁▲調菜の仁ハ料理方をする人也。〔59ウ六、60オ二〕
調菜(テウサイ)之(の)仁(じん)▲調菜の仁ハ料理方(れうりかた)をする人也。〔107オ二、107ウ三〕
Cho>sai.テウサイ(調菜) Saiuo totonoyuru coto.(菜を調ゆること)食物を料理し,調味.¶Xocubutuo cho>sai suru.(食物を調菜する)食物を料理し,調味する.〔邦訳128l〕
てう-さい〔名〕【調菜】副食物のサイを調理すること。又、そのサイ。まはり。めぐり。あはせ。下學集、下、態藝門「調菜 テウサイ」注」調レ味者也」紅梅千句(承應)「急ぎつつ、蕪を齊(とき)の調菜」懷子俳諧集(明應)「今日縁日と、參る淺草」調菜も、精進物の、海苔(法(のり)に掛く)の道」〔1348-1〕
故実(こじつ)無(な)く候/無二故実一候 故実ハいにしへより定りたる式(しき)なり。こゝに云こゝろハ點心布施なとの故実をしるしたる書面(しよめん)も知たる人も我か方にハ無と也。〔82オ一〕
とあって、この標記語「故実」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。
但時點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔至徳三年本〕
但時點心之作法僧物布施次第無故實候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔宝徳三年本〕
但齋點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給也〔建部傳内本〕
但シ時點心(テンジン)之作法僧物布施ノ次第無故実ニ候調菜ノ之仁古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器用ノ之仁定テ令二存知せ一候歟委細可二示給一候〔山田俊雄藏本〕
但シ齋点心ノ作法僧物布施ノ次第无ク二故(コ)実一候調菜ノ仁ハ古老ノ行(アン)者等ノ中ニモ器用之仁定テ令二存知一候歟委細可二示シ給ハル一也〔経覺筆本〕
但シ時(トキ){齊}點(テン)心ノ之作法僧物(ソウフツ)。布施ノ次第(シタイ)無ク二故実(コジツ)一候。調菜(サイ)ノ之仁。古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器(キ)用之仁。定テ令(シメ)レ存知一候歟。委細可二示給一候也〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「僧物」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「僧物」と記載し、訓みは文明四年本に「ソウフツ」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「僧物」の語は未収載にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
583僧物布施次第無故實候調菜仁古老之行者等之中器用之仁定令存知候歟委細可示給也 行者ハ南禅寺正眼院自‖宗論|起也。〔謙堂文庫蔵五四右H〕
とあって、標記語「僧物」の語を収載し、この語についての語注記は、未記載にする。
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
贈物(ぞうふつ)布施(ふせ)の次第(しだい)/贈物布施ノ次第 贈物ハ衆僧へ送る品也。布施の注は前に出す。僧の貴きによりて贈る品に高下あるゆへ次第といひし也。〔81ウ七〕
とあって、この標記語「贈物」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
但(たゝ)し時(とき)の點心(てんしん)の作烹(さほふ)贈物(おくりもの)布施(ふせ)の次第(しだい)故實(こじつ)なく候(さぶら)ふ/但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)贈物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候。▲時點心ハ時々(とき/゛\)の小食(こひる)といふ意なるべし。點心ハ定食(ぢやうしよく)の前後(ぜんご)にはづれて少(すこし)く食(く)ふをいふ。〔59ウ五、ウ八〜60オ一〕
但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)贈物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候▲時點心ハ時々の小食(こひる)といふ意なるべし。點心ハ定食の前後にはづれて少く食ふをいふ。〔107オ二、ウ一・二〕
そう-もつ〔名〕【僧物】僧侶の、居常、所持する什物。三衣、鉢、等、是れなり。又、衆僧の共有物。〔1143-3〕
ぞう-もつ〔名〕【贈物】品物を、おくりやること。又、其物。潘尼、送二廬晏一詩「贈物雖二陋薄一、識意在二忘言一」庭訓往來、十月「贈物、布施次第、無二故實一候」〔1143-3〕※江戸期の注釈系統に基づく用例。
作法(ホウ) 。〔元亀二年本268五〕
作法(ハウ) 。〔静嘉堂本305四〕
但時點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔至徳三年本〕
但時點心之作法僧物布施次第無故實候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔宝徳三年本〕
但齋點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給也〔建部傳内本〕
但シ時點心(テンジン)之作法僧物布施ノ次第無故実ニ候調菜ノ之仁古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器用ノ之仁定テ令二存知せ一候歟委細可二示給一候〔山田俊雄藏本〕
但シ齋点心ノ作法僧物布施ノ次第无ク二故(コ)実一候調菜ノ仁ハ古老ノ行(アン)者等ノ中ニモ器用之仁定テ令二存知一候歟委細可二示シ給ハル一也〔経覺筆本〕
但シ時(トキ){齊}點(テン)心ノ之作法僧物(ソウフツ)。布施ノ次第(シタイ)無ク二故実(コジツ)一候。調菜(サイ)ノ之仁。古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器(キ)用之仁。定テ令(シメ)レ存知一候歟。委細可二示給一候也〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「作法」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「作法」と記載する。
作法 公卿部/サホウ/輔翼分。〔黒川本・畳字門下42オ二〕
作法 〃文。〃骨。〃所。〃田。〃人。〃皮。〔卷第八・畳字門442五〕
作法(サク・ツクル、ホフ/ナス、ノリ)[去入・入] 。〔態藝門785六〕
作職(サクシキ) ―意(イ)。―病(ビヤウ)。―毛(モウ)。―者。―文(ブン)。―事(ジ)。―法(ハフ)。―例(レイ)。―善(ぜン)。―業(ゴフ)。―乱(ラン)。―忙(バウ)。〔言辞門181七〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「作法」の語を以て収載し、広本『節用集』の注記により「作法」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
582但時点心ノ作法 須達長者進‖時ヲ釈尊|非時ヲ留亊ハ伽留陀夕ニ開ニ∨鉢ヲ匹夫ノ至ルニ∨家ニ夫ハ不∨居也。婦斗居ス不知子細彼家ニ入人ニ悪テ打‖-擲伽留陀ヲ|。或夕方ニ途中ニ女ニ會ス彼女畏ル‖伽留陀ヲ|。此時ヨリ禁‖非時|也。点心モ自‖此_時|始請佛ヲ進餅伽留陀受∨彼ヲ三ツ也。留陀毎也。雖∨賦ル不∨尽也。酒ハ自‖莎伽他|始禁ス。有‖天竺ニ毒竜|。降‖大雨|万民愁伽他大力也。彼竜ヲ鉄囲山ノ外ニ投越。仍五穀等熟ス。天下太平也。平闍王ヲ始トシテ諸人伽他ニ進∨酒ヲ。酔テ臥‖田中ニ|。蝦蟇等上‖胸頭|也。佛伽他遅ク皈ルヲ恠ミ使‖∨目連ヲ|見云。昔ハ制シカ‖大竜モ|今ハ蝦蟇ヲタモ不∨禁せ出家タル者不∨可∨呑∨酒ヲ云テ深ク禁∨之也。〔謙堂文庫蔵五四右C〕
とあって、標記語「作法」の語を収載し、この語についての語注記は、「須達長者、時{齋}を釈尊に進め、非時を留むることは伽留陀、夕べに鉢を開くに、匹夫の家に至るに、夫は居ざるなり。婦、斗居す、子細を知らず彼の家に入る人、悪みて伽留陀を打擲す。或る夕方に途中に女に會す。彼の女伽留陀を畏る。此の時より非時を禁ずるなり。点心も此の時より始まり佛を請じて餅を進め、伽留陀彼を三ツ受くるなり。留陀毎なり。賦ると雖ども尽ざるなり。酒は、莎伽他より始まり禁ず。天竺に毒竜有り。大雨を降らし、万民愁ふるに伽他大力なり。彼の竜を鉄囲山の外に投げ越し。仍ち五穀等熟す。天下太平なり。平闍王を始めとして諸人伽他に酒を進む。酔ひて田中に臥す。蝦蟇等、胸・頭に上るなり。佛、伽他遅く皈るを恠しみ目連を使はして見て云ふ。昔は、大竜も制しが今は、蝦蟇をだも禁ぜず。出家たる者酒を呑むべからずと云ひて深く之れを禁ずるなり」と詳細な逸話を記載する。
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
但(たゝ)し時(とき)の點心(てんしん)の作法(さほう)/但シ時ノ點心ノ作法 點心ハ今云口取の事也。其色品は此返状に見へたり。〔81ウ七〕
とあって、この標記語「作法」の語をもって収載し、語注記は未記載にする。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
但(たゝ)し時(とき)の點心(てんしん)の作烹(さほふ)贈物(おくりもの)布施(ふせ)の次第(しだい)故實(こじつ)なく候(さぶら)ふ/但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)贈物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候。〔59ウ五〕
但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)贈物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候。〔107オ二〕
Safo>.サホウ(作法) すなわち,Catagui,yo<dai.(形儀,様体)慣習,様式,など.¶Minicui safo>gia.(醜い作法ぢや)それは悪くて目に立つ慣習である.〔邦訳548l〕
さ-ほふ〔名〕【作法】〔作を、サの音に讀むこと、ザウサ(造作)の語原を見よ、法の呉音は、ホフなり、ホウと書くは、音便なり〕(一)所作の方法。事を行ふ仕方。しつけ。後漢書、東夷傳、論「老子曰、法令滋章、盗賊多有、若三箕子之省レ簡交レ條、而用二信義一、其得二聖賢作法之原一矣」宇津保物語、俊蔭25「舞人、陪從(ベイジユウ)、例の作法なれば、いといかめしうして」源氏物語、一、桐壺23「御里に、源氏の君、まかでさせたまへば、さほう、世にめづらしきまで、もてかしづきたまへり」「禮儀作法」(二)佛事を行ふ法式。葬禮の式を云ひ、又、受戒の法式を、戒法授戒の作法と云ふ。源氏物語、一、桐壺8「例のさほうに葬(をさ)め奉るを、云云、愛宕(おたぎ)と云ふ所に、いといかめしう、さほうしたるに」同、三十九、御法16「いかめしきさほうなれど、いとはかなき煙にて」(葬式なり)宇治拾遺物語、三、十五條「鳥邊野(とりべの)へ出て徃(い)ぬ、さて、例のさほうに、とかくせむとて、車より取りおろす」(死者の柩なり)古今著聞集、二、佛教「高辨上人、云云、諸僧、寳號を唱へ、~呪を誦する閧ノ、現供養の作法を以て、行法ありけり」〔0827-4〕
點心(テンシン) 。〔元亀二年本244十〕〔天正十七年本中57ウ一〕
點心(ジン) 。〔静嘉堂本282七〕
但時點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔至徳三年本〕
但時點心之作法僧物布施次第無故實候調菜之仁古老之行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給候也〔宝徳三年本〕
但齋點心之作法僧物布施次第無故実候調菜之仁古老行者等中器用之仁定令存知候歟委細可示給也〔建部傳内本〕
但シ時點心(テンジン)之作法僧物布施ノ次第無故実ニ候調菜ノ之仁古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器用ノ之仁定テ令二存知せ一候歟委細可二示給一候〔山田俊雄藏本〕
但シ齋点心ノ作法僧物布施ノ次第无ク二故(コ)実一候調菜ノ仁ハ古老ノ行(アン)者等ノ中ニモ器用之仁定テ令二存知一候歟委細可二示シ給ハル一也〔経覺筆本〕
但シ時(トキ){齊}點(テン)心ノ之作法僧物(ソウフツ)。布施ノ次第(シタイ)無ク二故実(コジツ)一候。調菜(サイ)ノ之仁。古老ノ行(アン)者等ノ中ニ器(キ)用之仁。定テ令(シメ)レ存知一候歟。委細可二示給一候也〔文明四年本〕
と見え、経覺筆本に「点心」、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「點心」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「テンジン」、文明四年本に「テン(ジン)」と記載する。
點心(テンシン) 。〔態藝門82五〕
點心(テンジン/ムナヤスメ・ウツス、コヽロ)[上・平] 自二須達長者一始也。〔飲食門716六〕
點心(テンジン) 。〔弘・食物門198四〕
點心(テンジン) 。〔永・食物門164一〕
點心(テンジン) 僧家ニハ云煎点ト。〔尭・食物門153四〕
點心(テンジム) 。〔食服門165二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「点心」の語を以て収載し、広本『節用集』の注記により「点心」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
582但時点心ノ作法 須達長者進‖時ヲ釈尊|非時ヲ留亊ハ伽留陀夕ニ開ニ∨鉢ヲ匹夫ノ至ルニ∨家ニ夫ハ不∨居也。婦斗居ス不知子細彼家ニ入人ニ悪テ打‖-擲伽留陀ヲ|。或夕方ニ途中ニ女ニ會ス彼女畏ル‖伽留陀ヲ|。此時ヨリ禁‖非時|也。点心モ自‖此_時|始請佛ヲ進餅伽留陀受∨彼ヲ三ツ也。留陀毎也。雖∨賦ル不∨尽也。酒ハ自‖莎伽他|始禁ス。有‖天竺ニ毒竜|。降‖大雨|万民愁伽他大力也。彼竜ヲ鉄囲山ノ外ニ投越。仍五穀等熟ス。天下太平也。平闍王ヲ始トシテ諸人伽他ニ進∨酒ヲ。酔テ臥‖田中ニ|。蝦蟇等上‖胸頭|也。佛伽他遅ク皈ルヲ恠ミ使‖∨目連ヲ|見云。昔ハ制シカ‖大竜モ|今ハ蝦蟇ヲタモ不∨禁せ出家タル者不∨可∨呑∨酒ヲ云テ深ク禁∨之也。〔謙堂文庫蔵五四右C〕
とあって、標記語「点心」の語を収載し、語注記は、未記載にする。
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
但(たゝ)し時(とき)の點心(てんしん)の作法(さほう)/但シ時ノ點心ノ作法 點心ハ今云口取の事也。其色品は此返状に見へたり。〔81ウ七〕
とあって、この標記語「點心」の語をもって収載し、語注記は未記載にする。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
但(たゝ)し時(とき)の點心(てんしん)の作烹(さほふ)贈物(おくりもの)布施(ふせ)の次第(しだい)故實(こじつ)なく候(さぶら)ふ/但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)贈物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候。▲時點心ハ時々(とき/゛\)の小食(こひる)といふ意なるべし。點心ハ定食(ぢやうしよく)の前後(ぜんご)にはづれて少(すこし)く食(く)ふをいふ。〔59ウ五、ウ八〜60オ一〕
但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)贈物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候▲時點心ハ時々の小食(こひる)といふ意なるべし。點心ハ定食の前後にはづれて少く食ふをいふ。〔107オ二、ウ一・二〕
Tenjiu.テンジン(点心) 正式の食事の接待のあとで出される中間食のような食物.¶Tenjinuo cu<.(点心を食ふ)この中間食を食べる.¶Tenjinuo coxirayuru.(点心を拵ゆる)この中間食を用意する.※原文のJantarは、ここでは,正式の食事の意.〔Asagareiの注〕原文のmerendaは,正餐と夕食との中間の軽い食事.〔邦訳645r〕
てん-しん〔名〕【点心】〔少食を空心(すきはら)の閧ノ點ずる意と云ふ、間食なり〕禪家の語。定めたる食事と食事との閧ノ、物を食ふこと。胸やすめに食ふ食物。轉じて茶請の菓子。ちゃのこ。茶菓子。剪燈新話、注「點心之點、與二點茶之點一同レ義、蓋少食鎭(シヅムル)レ心(ムネヲ)也」禪林象器箋、飲啖門「舊説、點心、謂二點于空心一也、早旦陰陽未レ分時、少喫レ食、此擬養法」輟耕録(明、陶宗儀)十七、點心「今以二早飯前及飯後、午前午後間前一小食爲二點心一」能改齋漫録(宋、呉曾)一「野客叢書、世俗以二早晨小食一爲二點心一」園太暦、康永三年九月十六日「今日上皇可三臨二幸天龍寺一、云云、於二南面客殿一、先供レ湯、次供二點心一、次茶也」籠耳草子(貞享)「侍は中食と云ひ、町人は晝食、寺方は點心と云ふ」尺素徃來(一條兼良)「點心者、先點二集香湯一、而後、云云、羮、碁子麺、沙糖、饅頭、云云」俗語考「當時も、饗膳の前に、假初に小漬飯を出すを點心と云へり」〔1369-4〕
屈請(ジヤウ) 。〔元亀二年本189九〕
屈請(シヤウ) 。〔静嘉堂本213七〕〔天正十七年本中36オ七〕
禪律僧衆諸寺諸社聖道衆徒崛請事候也〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕
禪律(リツ)ノ僧衆諸寺諸社ノ聖道衆徒屈請(クツシヤウ)申事ニ候也〔山田俊雄藏本〕
禪律ノ僧衆諸寺諸社ノ聖道ノ衆徒(ト)。崛請ノ事ニ候也〔経覺筆本〕
禪律(ぜンリツ)ノ僧衆(ソウシユウ)。諸寺諸社ノ聖道。ノ衆徒(ト)。屈請(クツシヤウ)ノ事ニ候也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・経覺筆本に「崛請」、山田俊雄藏本・文明四年本の古写本には「屈請」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・文明四年本に「クツシヤウ」と記載する。
屈請(クツシヤウ) 強(シイ)テ招(マネク)レ人ヲ也。日本ノ俗屈ノ字作(ナス)二窟(クツ)崛(クツ)ニ一皆ナ大ニ誤ナリ也。〔態藝門93五〕
屈請(クツシヤウ/クヾム、ウケル)[○・平] 強(シイテ)招レ人義。日本俗呼レ屈作二窟崛ト一皆誤也。〔態藝門543六〕
屈請(クツシヤウ) 強(シイテ)招レ人ヲ。日本俗―作窟崛皆誤。〔弘・言語進退門162六〕
屈請(クツシヤウ) 強(シイテ)招レ人ヲ。日本俗―ヲ作レ窟崛皆誤。〔永・言語門132三〕
屈請(クツシヤウ) 強招レ人也。日本俗―ヲ作二窟崛一非。〔堯・言語門121五〕
屈請(クツシヤウ) 強招人也。日本俗―(クツ)ヲ作二窟崛一非也。〔両・言語門147六〕
屈請(クツシヤウ) ―伏(ブク)。〔弘・言辞門134三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「屈請」の語を以て収載し、広本『節用集』の注記により「屈請」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
581聖道衆徒屈請(クツ−)ノ亊候 屈請ハ請一寺ノ衆徒不交他寺ノ衆徒ヲ也。屈請ハ強招人ヲ也。窟之字誤。〔謙堂文庫蔵五四右B〕
とあって、標記語「屈請」の語を収載し、この語についての語注記は、「屈請は、一寺の衆徒に交らず。他寺の衆徒を請ふなり。屈請は、強て招く人を(云ふ)なり。窟の字を誤る」と記載していて、下線部の注記内容は上記『下學集』、そして広本『節用集』、さらには印度本系統の『節用集』の注記内容と密接な関係にあるもので、こうした室町時代の真字本注釈書と古辞書とのつながりを茲に指摘できるのである。(※拙論にて既に指摘している)
屈(クツ)二請スル之ヲ一事ニ候也但シ時(トキ)點(テン)心之作法(サハウ)僧物布施(フせ)ノ次第無ク二故實(コジツ)一候調菜(テウサイ)之仁古老ノ行者(アンジヤ)等ノ中ニ器(キ)用ノ之仁定テ令メン二存知一歟委細(イサイ)可キ二示シ給ハル一也屈請(クツシヤウ)ノ事タヽミ請(ウケ)スト云ヘリ。我ト参ジモせヨ人ヲシテモ。イヘカシヲソレガマシフ兎請ジ申也。是ハ常(ツネ)ニ参會(サンクハイ)せヨト云フトモウヤ/\敷(シキ)人ノ故也。〔下31オ八〜31ウ四〕
屈請(くつしやう)する事に候ふ/屈二請スル之ヲ一事ニ候 屈請とハ呼迎るといふ事を卑下(ひけ)していえる也。屈ハかゝめると訓す。先方の尊(たつと)きをかゝめて賤(いやし)き我の方へ招(まね)き請(しやう)するといふ義なり。〔81ウ五〜七〕
とあって、この標記語「屈請」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禪律(ぜんりつ)乃僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしや)の聖道(しやうだう)の衆徒(しゆと)之(これ)を屈請(くつしやう)する事(こと)に候(さふら)ふ/禪律ノ僧衆。諸寺諸社ノ聖道ノ衆徒。屈二請スル之ヲ一事ニ候。▲屈請ハ身(ミ)を屈(かゞ)めて招(まね)き迎(むか)ふるといふ意卑下(ひげ)の詞(ことば)也。〔59ウ四、ウ八〕
禪律(ぜんりつの)僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしやの)聖道(しやうだうの)衆徒(しゆと)屈(くつ)二請(しやうする)之(これを)一事(ことに)候(さふらふ)▲屈請ハ身(ミ)を屈めて招(まね)き迎ふるといふ意卑下(ひけ)の詞(ことば)也。〔107オ二、ウ一〕
Cuxxo<.クッシャゥ(屈請) Cagamari xo<zuru.(屈まり請ずる).誰か人の前に頭を下げて畏まって相手を敬うこと.¶Cuxxo< suru.(屈請する)このようにお辞儀をして畏まる.→次条.〔邦訳176l〕
†Cuxxo<xi,suru.クッシャゥシ,スル,シタ(屈請し,する,した) 誰か人を自分の家の中などへ呼び入れる,または,招待する.〔邦訳176l〕
くつ-しゃう〔名〕【屈請】〔枉(ま)げて請(こ)ふ意〕請ひて、招くこと。請待(シヤウダイ)。下學集、下、態藝門「屈請(クツシヤウ)強テ招ク人ヲ也、日本俗、屈字、作(ナス)二窟、崛ニ一、皆、大誤也」平家物語、六、慈心坊事「平大相國と申す人こそ、攝津國、和田の御崎を點して、四面十余町に屋を建て、今日の十萬僧會の如く、多く、持經者を屈請して、坊坊に、一面に座に着け、念誦、讀經、丁寧に勤行致され候ふ」〔0534-3〕
衆徒(ト) 。〔元亀二年本309四〕〔静嘉堂本361三〕
禪律僧衆諸寺諸社聖道衆徒崛請事候也〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕
禪律(リツ)ノ僧衆諸寺諸社ノ聖道衆徒屈請(クツシヤウ)申事ニ候也〔山田俊雄藏本〕
禪律ノ僧衆諸寺諸社ノ聖道ノ衆徒(ト)。崛請ノ事ニ候也〔経覺筆本〕
禪律(ぜンリツ)ノ僧衆(ソウシユウ)。諸寺諸社ノ聖道。ノ衆徒(ト)。屈請(クツシヤウ)ノ事ニ候也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「衆徒」とし、訓みは、経覺筆本・文明四年本に「(シユ)ト」記載する。
衆徒 シユト。〔黒川本・畳字門下81六〕
衆徒(シユト/シユウ・ヲヽシ・モロ/\、トモガラ・イタヅラ)[去・平] 。〔人倫門916三〕
衆徒(シユト)師(シ) 。〔弘・人倫門238三〕
衆徒(シユト) 。〔永・人倫門198五〕〔尭・人倫門188四〕
衆徒(シユト) 。〔人倫門204二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「衆徒」の語を以て収載し、広本『節用集』の注記により「衆徒」の語を確認できる状況にある。これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は、収載しているのである。
581聖道衆徒屈請(クツ−)ノ亊候 屈請ハ請一寺ノ衆徒不交他寺ノ衆徒ヲ也。屈請ハ強招人ヲ也。窟之字誤。〔謙堂文庫蔵五四右B〕
とあって、標記語「衆徒」の語を収載し、この語についての語注記は未記載にする。
同者結夏(ケツゲ)以前可キレ然カル時分ニ候禪律(せンリツ)ノ僧(ソウ)衆諸寺諸社ノ聖道(シヤウダウ)ノ衆徒(ト)結夏(ケツゲ)トハ四月ヲ云也。但シ宗ニ依テ替(カハ)ルベシ。此文秋(アキ)冬ヲ兼(カネ)タル月付也。夏ノ事治定(チデフ)ナリ。〔下31オ七・八〕
諸寺(しよじ)諸社(しよしや)聖道(せいだう)の衆徒(しゆと)/諸寺諸社ノ聖道(シヤウダウ)ノ衆徒(ト) 諸社乃衆徒ハ別當なり。聖道の注ハ前に見へたり。〔81ウ四・五〕
とあって、この標記語「衆徒」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禪律(ぜんりつ)乃僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしや)の聖道(しやうだう)の衆徒(しゆと)之(これ)を屈請(くつしやう)する事(こと)に候(さふら)ふ/禪律ノ僧衆。諸寺諸社ノ聖道ノ衆徒。屈二請スル之ヲ一事ニ候。〔59オ七〕
禪律(ぜんりつの)僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしやの)聖道(しやうだうの)衆徒(しゆと)屈(くつ)二請(しやうする)之(これを)一事(ことに)候(さふらふ)。〔107オ一〕
Xuto.シュウト(衆徒) 天台宗徒(Tendaixus)や真言宗徒(Xingonjus)の頭(かしら),あるいは,上長.※原文にCabecas,ou principaesとある.〔邦訳803r〕
しゅう-と〔名〕【衆徒】數多の僧徒。大衆。太平記、二、南都北嶺行幸事「多年、臨幸の儀もなし、此御代に至りて、絶えたるを繼ぎ、廢れたるを興して、鳳輦を廻し給ひしかば、衆徒、歡喜し、掌を合せ、靈佛、威徳の光を添ふ」〔0987-1〕
禪律僧衆諸寺諸社聖道衆徒崛請事候也〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕
禪律(リツ)ノ僧衆諸寺諸社ノ聖道衆徒屈請(クツシヤウ)申事ニ候也〔山田俊雄藏本〕
禪律ノ僧衆諸寺諸社ノ聖道ノ衆徒(ト)。崛請ノ事ニ候也〔経覺筆本〕
禪律(ぜンリツ)ノ僧衆(ソウシユウ)。諸寺諸社ノ聖道。ノ衆徒(ト)。屈請(クツシヤウ)ノ事ニ候也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「諸寺諸社」と記載する。
諸寺(シヨシ/モロ/\、テラ)[平・去] 。〔態藝門931五〕
諸社(シヨシヤ/モロ/\、ヤシロ)[平・上] 。〔態藝門931五〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』のみが標記語「諸寺」「諸社」の両語を収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
580禅律ノ兩僧衆諸寺諸社ノ 社ハ神武ノ父地神五代鞄緊草不合葺尊ノ始云也。〔謙堂文庫蔵五四右A〕
とあって、標記語「諸寺諸社」の語を収載し、この語についての語注記のなかで、「社」の語について「社は、神武(天皇)の父、地神五代鞄緊草不合葺尊の始まりを云ふなり」と記載する。
同者結夏(ケツゲ)以前可キレ然カル時分ニ候禪律(せンリツ)ノ僧(ソウ)衆諸寺諸社ノ聖道(シヤウダウ)ノ衆徒(ト)結夏(ケツゲ)トハ四月ヲ云也。但シ宗ニ依テ替(カハ)ルベシ。此文秋(アキ)冬ヲ兼(カネ)タル月付也。夏ノ事治定(チデフ)ナリ。〔下31オ七・八〕
禪律(ぜんりつ)の僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしや)聖道(しやうだう)の衆徒(しゆと)/禪律(せンリツ)ノ僧(ソウ)衆諸寺諸社ノ聖道(シヤウダウ)ノ衆徒(ト) 注前に見へたり。〔81ウ四〕
とあって、この標記語「諸寺諸社」の語をもって収載し、語注記は未記載にする。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
禪律(ぜんりつ)乃僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしや)の聖道(しやうだう)の衆徒(しゆと)之(これ)を屈請(くつしやう)する事(こと)に候(さふら)ふ/禪律ノ僧衆。諸寺諸社ノ聖道ノ衆徒。屈二請スル之ヲ一事ニ候。〔59オ七〕
禪律(ぜんりつの)僧衆(そうしゆ)諸寺(しよじ)諸社(しよしやの)聖道(しやうだうの)衆徒(しゆと)屈(くつ)二請(しやうする)之(これを)一事(ことに)候(さふらふ)。〔107オ一〕
Xoji.ショジ(諸寺) Moromorono tera.(諸の寺)すべての寺院,または,僧院.〔邦訳792r〕
Xoji.ショシャ(諸社) Moromorono yaxiro.(諸の社)すべての神(Camis)の家,すなわち,社.¶Xoji xoxa.(諸寺諸社)すべての寺(Teras)と社と.〔邦訳796r〕
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