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ことばの溜め池
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長吏(リ) 。〔元亀二年本65七〕〔静嘉堂本76八〕〔天正十七年本上38ウ四〕
聖道者一寺検校執行別當長吏学頭座主院主執當先立阿闍梨法橋律師〔至徳三年本〕
聖道者一寺檢校執行別當長吏學頭座主院主執當先達阿闍梨法橋律師〔宝徳三年本〕
聖道者一寺檢校執行別當長吏学頭座主院主執當先達阿闍梨法橋律師〔建部傳内本〕
聖道者(ニハ)一寺ノ檢校執行別當長吏(リ)學頭(トウ)座主院主執(シツ)當先達阿闍梨法橋法眼律師〔山田俊雄藏本〕
聖道(シヤウダウ)者(ハ)一寺ノ検校(ケンケフ)執(シ )行別當長吏(リ)学頭(カクトウ)座主院主執(シツ)當先達(タチ)阿闍梨法橋(ケフ)律師〔経覺筆本〕
聖道ハ者一寺ノ檢校(ケンゲウ)。執行(シユキヤウ)。別當。長吏(リ)。学頭(カクトウ)。座主(ザス)。院主。執當(シツタウ)。先達(せンタツ)。阿闍梨( シヤリ)。法橋(ホツケウ)。律師(リツシ)〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「長吏」とし、訓みは、山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「(チヤウ)リ」と記載する。
長吏 チヤウリ。〔黒川本・官職門上57ウ一〕
長短 〃壽。〃命。〃事。〃行。〃吏。〃途。〃慶。〃圖。〃跪。〃指。〃堤。〃者。〃生。〃松。〃興。〃官。〃案冩官符宣旨官為長案又留官符案文。〔卷第二・畳字門473二〕
長吏(チヤウ・ヲサ、リ/ナガシ、トモガラ)[平去・上] 。〔態藝門175四〕
長吏(チヤウリ) 。〔弘・人倫門49二〕〔永・人倫門50三〕
長吏(チヤウリ) ―者。〔尭・人倫門46二〕〔両・人倫門54四〕
長吏(チヤウリ) 。〔言辞門48六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「長吏」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
624長吏 三井寺ハ用∨之東寺用∨之也。〔謙堂文庫蔵五五左C〕
とあって、標記語「長吏」の語を収載し、語注記は「三井寺はこれを用い、東寺これを用いるなり」と記載する。
聖道(シヤウダウ)一寺ノ検校(ケンゲフ)執(シユ)行別當(タウ)長吏(チヤウリ)學頭(ガクトウ)座主(サス)院主(インジユ)執頭(シツタウ)先達(せンダツ)阿闍梨(アジヤリ)法橋(ホツケウ) 聖道ハ一寺ノ検校(ケンケウ)執(シユ)行別當(ベツトウ)金剛峯寺ナンドニハ。一寺ノ主ヲ検校(ケンゲフ)ト云。叡山(ヱイザン)ニハ。座主(ザス)ト云ナリ。東寺長者ト申也。書冩(シヨシヤ)ニハ院主(インジユ)ト云ナリ。其外長吏(チヤウリ)学頭(ガクトウ)別(ベツ)當ナンド云事例(レイ)儀也。執當(シツタウ)先達(せンダツ)ハ。山伏(ブシ)ノ度ヲ蹈(フミ)タル人ナリ。阿闍梨(アシヤリ)法橋(ヒツキフハ)ノ名也。〔下32ウ四〜七〕
長吏(ちやうり)/長吏 三井寺にある役僧なり。〔84ウ一・二〕
とあって、この標記語「長吏」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんげう)執行(しゆきよう)別當(べつたう)長吏(ちやうり)學頭(がくとう)座主(ざす)院主(いんじゆ)執當(しつたう)先達(せんだつ)阿闍梨(あじやり)烹橋(ほつきやう)律師(りつし)/聖道者。一寺。検校執行。別當。長吏。學頭。座主。院主。執當。先達。阿闍梨。法橋律師▲長吏ハ勧修寺(くハんしゆじ)西園寺(さいをんし)の住持(ちうち)の称(せう)。〔61ウ四、62オ二〕
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんげう)執行(しゆきやう)別當(べつたう)長吏(ちやうり)學頭(がくとう)座主(さす)院主(ゐんじゆ)執當(しつたう)先達(せんだつ)阿闍梨(あじやり)法橋(ほつけう)律師(りつし)▲長吏ハ勧修寺(くわんしゆし)西園寺(さいをんじ)の住持(ぢうぢ)の称。〔110ウ四、111オ五・六〕
Cho<ri.チャウリ(長吏) Votona.(長) 他の人々が認めている頭(かしら),または,長.〔邦訳128l〕
ちゃう-り〔名〕【長吏】寺務を統ぶる長(をさ)。即ち寺主。(勸修寺、園城寺等に)源平盛衰記記、三十四、木曾可二追討一由事「法皇は、天台座主明雲僧正、寺の長吏、八條宮を法住寺の御所に招請し」〔1283-3〕
紂衍(ゲウ) 。〔元亀二年本214二〕〔静嘉堂本243六〕
検衍(ケウ) 。〔天正十七年本中51オ五〕
聖道者一寺検校執行別當長吏学頭座主院主執當先立阿闍梨法橋律師〔至徳三年本〕
聖道者一寺檢校執行別當長吏學頭座主院主執當先達阿闍梨法橋律師〔宝徳三年本〕
聖道者一寺檢校執行別當長吏学頭座主院主執當先達阿闍梨法橋律師〔建部傳内本〕
聖道者(ニハ)一寺ノ檢校執行別當長吏(リ)學頭(トウ)座主院主執(シツ)當先達阿闍梨法橋法眼律師〔山田俊雄藏本〕
聖道(シヤウダウ)者(ハ)一寺ノ検校(ケンケフ)執(シ )行別當長吏(リ)学頭(カクトウ)座主院主執(シツ)當先達(タチ)阿闍梨法橋(ケフ)律師〔経覺筆本〕
聖道ハ者一寺ノ檢校(ケンゲウ)。執行(シユキヤウ)。別當。長吏(リ)。学頭(カクトウ)。座主(ザス)。院主。執當(シツタウ)。先達(せンタツ)。阿闍梨( シヤリ)。法橋(ホツケウ)。律師(リツシ)〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・経覺筆本は「検校」、宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本には「檢校」と記載し、訓みは経覺筆本「ケンケフ」、文明四年本「ケンゲフ」と記載する。
紂衍カンカヘクラフ ケンチヤウ。〔黒川本・官職門中100六〕
紂衍 〃田。〃納。〃畠。〃注。〃對。〃察。〃知。〃網マウ。〔卷第七・畳字門19三〕
検衍(ケンゲフ/カンガウ、カウ・カンガウ)[上・去] 坐頭モ亦用二此ノ官ノ名ヲ一也。〔官位門591五〕
紂衍(ケンゲウ) 。〔弘・人倫門173三〕
紂衍(ケンゲウ) 官位名坐頭モ亦用二此官名一。〔弘・官名門173六〕
紂使(ケンシ) ―見(ミ)犬追者箕/―衍(ゲウ)。〔永・人倫門142一〕
紂使(ケンシ) ―見犬追者箕/―衍。〔尭・人倫門131八〕
檢校(ケンゲウ) 。〔官位門144三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「検校」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』、弘治二年本『節用集』の語注記とは異なっている。
622人具(ニンク)法師等也聖道一寺検校 猶‖房主ノ|高野本‖検校|也。〔謙堂文庫蔵五五左B〕
とあって、標記語「検校」の語を収載し、語注記は未記載にする。
聖道(シヤウダウ)一寺ノ検校(ケンゲフ)執(シユ)行別當(タウ)長吏(チヤウリ)學頭(ガクトウ)座主(サス)院主(インジユ)執頭(シツタウ)先達(せンダツ)阿闍梨(アジヤリ)法橋(ホツケウ) 聖道ハ一寺ノ検校(ケンケウ)執(シユ)行別當(ベツトウ)金剛峯寺ナンドニハ。一寺ノ主ヲ検校(ケンゲフ)ト云。叡山(ヱイザン)ニハ。座主(ザス)ト云ナリ。東寺長者ト申也。書冩(シヨシヤ)ニハ院主(インジユ)ト云ナリ。其外長吏(チヤウリ)学頭(ガクトウ)別(ベツ)當ナンド云事例(レイ)儀也。執當(シツタウ)先達(せンダツ)ハ。山伏(ブシ)ノ度ヲ蹈(フミ)タル人ナリ。阿闍梨(アシヤリ)法橋(ヒツキフハ)ノ名也。〔下32ウ四〜七〕
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんぎやう)/聖道者一寺ノ検校 一寺の主なり。金剛峯寺(こんこうほうじ)にハ検校と云。叡山(ゑいさん)にてハ座主と云。東寺(とうじ)にてハ長者と云。書写(しよしや)にてハ院主といふとなり。〔84オ七〜ウ一〕
とあって、この標記語「検校」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんげう)執行(しゆきよう)別當(べつたう)長吏(ちやうり)學頭(がくとう)座主(ざす)院主(いんじゆ)執當(しつたう)先達(せんだつ)阿闍梨(あじやり)烹橋(ほつきやう)律師(りつし)/聖道者。一寺。検校執行。別當。長吏。學頭。座主。院主。執當。先達。阿闍梨。法橋律師▲檢校ハ高野(かうや)一山(いつさん)の主(ぬし)の稱(せう)。〔61ウ四、62オ一〕
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんげう)執行(しゆきやう)別當(べつたう)長吏(ちやうり)學頭(がくとう)座主(さす)院主(ゐんじゆ)執當(しつたう)先達(せんだつ)阿闍梨(あじやり)法橋(ほつけう)律師(りつし)▲檢校ハ高野(かうや)一山(いつさん)の主(ぬし)の称(しよう)。〔110ウ四、111オ五〕
Qengueo>.l,qenguio>.ケンゲゥまたは,ケンギョゥ(検校) 聖道(Xo<do)の坊主(Bonzos)のある職,または,ある位.¶また,盲人間にある一つの位であって,これによって学者として遇せられるもの.※Xo<do<とあるべきもの.〔邦訳485l〕
けん-げう〔名〕【檢校】〔檢す、校(カウ)すの語原を見よ、ケウは、校(カウ)の呉音。獄令、義解「紂衍、猶二勘問一也」寺官抄「事務を檢知、校量する義、緇流に在ては、寺務に異ならず」(有職故實辭典)名目抄「檢衍」」〕(一)檢(あらた)め、校(かんが)ふること。檢閲すること。王建詩「騎レ馬城西檢二校花一」垂仁紀、廿六年八月「遣三使者於二出雲國一、雖レ檢二校其國之~寳一、無二分明申言者一」宮衞令「凡鹵簿内、不レ得二横入一、其監仗之官、檢校者、得二去來一」(二)僧尼を監督する職。推古紀、三十二年四月「自今以後、任二僧正僧都一、仍應レ檢二校僧尼一」日本靈異記、上、第五縁「僧尼檢校」(推古の御代なり)後に、寺社にありて、總務を監督する僧官、石清水八幡宮、熊野三山、東大寺、金剛峯寺(高野山)、金峯山寺、等の上首なり。文コ實録、七、齊衡二年九月「修理東大寺大佛司檢校」沙石集、二、下、第十條「高野に、南證房の檢校寛海といふ人」(三)盲官の名、次條を見よ。〔0626-5〕
聖道者一寺検校執行別當長吏学頭座主院主執當先立阿闍梨法橋律師〔至徳三年本〕
聖道者一寺檢校執行別當長吏學頭座主院主執當先達阿闍梨法橋律師〔宝徳三年本〕
聖道者一寺檢校執行別當長吏学頭座主院主執當先達阿闍梨法橋律師〔建部傳内本〕
聖道者(ニハ)一寺ノ檢校執行別當長吏(リ)學頭(トウ)座主院主執(シツ)當先達阿闍梨法橋法眼律師〔山田俊雄藏本〕
聖道(シヤウダウ)者(ハ)一寺ノ検校(ケンケフ)執(シ )行別當長吏(リ)学頭(カクトウ)座主院主執(シツ)當先達(タチ)阿闍梨法橋(ケフ)律師〔経覺筆本〕
聖道ハ者一寺ノ檢校(ケンゲウ)。執行(シユキヤウ)。別當。長吏(リ)。学頭(カクトウ)。座主(ザス)。院主。執當(シツタウ)。先達(せンタツ)。阿闍梨( シヤリ)。法橋(ホツケウ)。律師(リツシ)〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「一寺」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「一寺」の語は未収載にあり、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
622人具(ニンク)法師等也聖道一寺検校 猶‖房主ノ|高野本‖検校|也。〔謙堂文庫蔵五五左B〕
とあって、標記語「一寺」の語を収載し、語注記は未記載にする。
聖道(シヤウダウ)一寺ノ検校(ケンゲフ)執(シユ)行別當(タウ)長吏(チヤウリ)學頭(ガクトウ)座主(サス)院主(インジユ)執頭(シツタウ)先達(せンダツ)阿闍梨(アジヤリ)法橋(ホツケウ) 聖道ハ一寺ノ検校(ケンケウ)執(シユ)行別當(ベツトウ)金剛峯寺ナンドニハ。一寺ノ主ヲ検校(ケンゲフ)ト云。叡山(ヱイザン)ニハ。座主(ザス)ト云ナリ。東寺長者ト申也。書冩(シヨシヤ)ニハ院主(インジユ)ト云ナリ。其外長吏(チヤウリ)学頭(ガクトウ)別(ベツ)當ナンド云事例(レイ)儀也。執當(シツタウ)先達(せンダツ)ハ。山伏(ブシ)ノ度ヲ蹈(フミ)タル人ナリ。阿闍梨(アシヤリ)法橋(ヒツキフハ)ノ名也。〔下32ウ四〜七〕
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんぎやう)/聖道者一寺ノ検校 一寺の主なり。金剛峯寺(こんこうほうじ)にハ検校と云。叡山(ゑいさん)にてハ座主と云。東寺(とうじ)にてハ長者と云。書写(しよしや)にてハ院主といふとなり。〔84オ七〜ウ一〕
とあって、この標記語「一寺」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんげう)執行(しゆきよう)別當(べつたう)長吏(ちやうり)學頭(がくとう)座主(ざす)院主(いんじゆ)執當(しつたう)先達(せんだつ)阿闍梨(あじやり)烹橋(ほつきやう)律師(りつし)/聖道者。一寺。検校執行。別當。長吏。學頭。座主。院主。執當。先達。阿闍梨。法橋律師〔61ウ四〕
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんげう)執行(しゆきやう)別當(べつたう)長吏(ちやうり)學頭(がくとう)座主(さす)院主(ゐんじゆ)執當(しつたう)先達(せんだつ)阿闍梨(あじやり)法橋(ほつけう)律師(りつし)〔110ウ四〕
Ichiji.イチジ(一寺) Fitotcuno tera.(一つの寺)一つの寺院,または,イゲレジヤ(Igreja 教会).※原文はvarela.〔Teraの注〕⇒次条.〔邦訳326l〕
Ichiji.イチジ(一寺) ¶また、僧院の全体,または,僧院の人々全部.〔邦訳326l〕
聖道(シヤウダウ)一寺ノ検校(ケンゲフ)執(シユ)行別當(タウ)長吏(チヤウリ)學頭(ガクトウ)座主(サス)院主(インジユ)執頭(シツタウ)先達(せンダツ)阿闍梨(アジヤリ)法橋(ホツケウ) 聖道ハ一寺ノ検校(ケンケウ)執(シユ)行別當(ベツトウ)金剛峯寺ナンドニハ。一寺ノ主ヲ検校(ケンゲフ)ト云。叡山(ヱイザン)ニハ。座主(ザス)ト云ナリ。東寺長者ト申也。書冩(シヨシヤ)ニハ院主(インジユ)ト云ナリ。其外長吏(チヤウリ)学頭(ガクトウ)別(ベツ)當ナンド云事例(レイ)儀也。執當(シツタウ)先達(せンダツ)ハ。山伏(ブシ)ノ度ヲ蹈(フミ)タル人ナリ。阿闍梨(アシヤリ)法橋(ヒツキフハ)ノ名也。〔下32ウ四〜七〕
聖道(しやうだう)者(ハ)一寺(いちじの)検校(けんぎやう)/聖道者一寺ノ検校 一寺の主なり。金剛峯寺(こんこうほうじ)にハ検校と云。叡山(ゑいさん)にてハ座主と云。東寺(とうじ)にてハ長者と云。書写(しよしや)にてハ院主といふとなり。〔84オ七〜ウ一〕
とあって、この標記語「聖道」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。明治から大正・昭和時代の大槻文彦編『大言海』には、
しゃう-だう〔名〕【聖道】(一)佛家の語。眞言、天台、二宗の僧の稱。庭訓往來、十月「唱道者、一寺檢校、執行、別當」(二)寺院の兒童(ちご)の稱。太平記、廿九、松岡城周章事「禪僧に成たらば、沙彌、喝食に指さし、聖道に成たらば、兒共に笑はれずと云ふ事、あるべからず」〔0968-1〕
法師(シ) 。〔元亀二年本42三〕〔天正十七年本上24オ三〕
法師 。〔静嘉堂本46三〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔至徳三年本〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔宝徳三年本〕
律僧者長老知事典座沙弥八齋戒人工法師等也〔建部傳内本〕
律僧ニハ者長老知事典座(テンソ)沙弥八齋戒人工法師等也〔山田俊雄藏本〕
律僧者(ハ)長老知事典座沙彌八齋戒人具法師等也〔経覺筆本〕
律僧者(ハ)。長老。知事(チシ)。典座(テンソ)沙弥。八齋戒(サイカイ)。人工(ク)。法師等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「法師」と記載する。
法師 ホフシ。〔黒川本・人倫門上34オ七〕
法師 。〔卷第二・人倫門303六〕
法師(ホフシ/ノリ、モロ/\・ヲシユ)[入・○] 。〔人倫門96二〕
法師(ホウシ) 。〔弘・人倫門32七〕
法師(ホウシ)ホツシ 。〔永・人倫門33二〕
法師(ホウシ) ―眼。―橋。―印。〔尭・人倫門29八〕
法師(ホツシ) 。〔両・人倫門35二〕
法師(ホフシ) 。〔人倫門29六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「法師」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
622人具(ニンク)法師等也聖道一寺検校 猶‖房主ノ|高野本‖検校|也。〔謙堂文庫蔵五五左B〕
とあって、標記語「法師」の語を収載し、語注記は未記載にする。
律僧(リツソウ)者長老知事(チシ)典座(テンゾ)沙弥(シヤミ)八齋戒(サイカイ)人工(グ)法師等也トハ。初家(シヨケ)行人ナリ。人工法師ハ如レ常。〔下32ウ三・四〕
八齊戒(はつさいかい)の人々(ひと/\)法師(ほうし)等(とう)也/八齊戒ノ人々法師等也 齊戒ハ身心を潔白にしてものいミする事なり。其仕方八通りあるゆへ八齊戒と云。又ある説にハ座齊(ざさい)行(げう)齊寢(しん)齊に五戒(ごかい)を并せて云といえり。是ハ此齊戒をつとめたる仏法皈依の人と法師とをいふなり。人々を人工と書たる本もあり。是ハ前に調菜人工者とあるによりてあやまりたるなるへし。〔84オ五〜七〕
とあって、この標記語「法師」の語を収載し、語注記は未記載にする。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』における標記語「工法師」の語については、上記「人具」のところに記載したので参照されたい。
Fo>xi.ホウシ(法師) 剃髪者,または,坊主(Bozo).¶Fo>xini naru.(法師になる)坊主(Bozo),または,剃髪者になる.〔邦訳266r〕
ほう-し〔名〕【法師】ほふし(法師)の音便。倭名抄、五3、官名「玄蕃寮、保宇之萬良比止乃豆加佐」催馬樂、老鼠「保宇之に申さむ、師に申せ」源氏物語、五、若紫6「後の世のつとめもいとよくして、中中ほうしまさりしたる人になん侍りける」〔1824-4〕
ほふ-し〔名〕【法師】(一)又、ほうし。ほっし。法(のり)の師(し)。佛教の師匠。能く佛法に通じて、人の師たるもの。僧の通稱。出家。僧。法華經、序品「常修二梵行一、皆爲二法師一」法華文句「法者軌則也、師者訓師也、云云」嘉祥法華經疏、九「以下人能上弘二大法一、下爲中物師上、故云二法師一」字類抄、「法師」催馬樂、老鼠「西寺の老鼠、若鼠、御裳?(つん)づ、袈裟?づ、保宇之に申さむ、師に申せ」古今著聞集、十六、興言利口、妙音院入道殿の孝道朝臣の不當の振舞を怒りて「やすからぬ者哉、法師はしなばやと仰せられたりける」義經記、二、鬼一法眼事「一條堀河に、陰陽師の法師に鬼一法眼とて、文武二道の達者あり」(二)昔、男の兒は、すべて頭髪を剃れり、故に、一に法師と稱す。男の子。ぼっち。ぼんち。御隨身三上記(永正)「小法師、廿九日夜半ばかりに誕生候」守武千句(天文)「いつか法師の浮び出でまし(男子出生)、まうくるも、又もうくるもあま小舟(女子)、受けがたきこそ、人身(じんしん)と知れ」(三)人の義として、種種の語に添へて、名詞を作る語。痩法師、影法師、一寸法師、などの如し。〔1850-2〕
とあって、標記語「ほう-し〔名〕【法師】」「ほふ-し〔名〕【法師】」の語を収載する。これを現代の『日本国語大辞典』第二版に、標記語「ほう-し【法師】〔名〕@仏語。出家して仏道を修行し、仏法に精通して、衆生を正しく導く師となる者。A僧侶。出家。B(昔、男の子は頭髪をそっていたところからいう)男の子。坊(ぼう)。C俗人の法体した者。特に琴、三味線の師匠をし、また遊興の相手などする座頭。D「ほうしむしゃ(法師武者)」の略。Eある語に添えて「人」の意を表わす語。多く「ぼうし」と濁る。「一寸法師」「影法師」など」とあって、『庭訓徃來』のこの語用例は未記載にする。
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔至徳三年本〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔宝徳三年本〕
律僧者長老知事典座沙弥八齋戒人工法師等也〔建部傳内本〕
律僧ニハ者長老知事典座(テンソ)沙弥八齋戒人工法師等也〔山田俊雄藏本〕
律僧者(ハ)長老知事典座沙彌八齋戒人具法師等也〔経覺筆本〕
律僧者(ハ)。長老。知事(チシ)。典座(テンソ)沙弥。八齋戒(サイカイ)。人工(ク)。法師等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・文明四年本が「人工」と記載し、ここで経覺筆本だけが真字本と同じく「人具」と表記している。訓みは、文明四年本に「(ニン)ク」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「人具」の語はすべて未収載にあり、これを、古写本経覺筆本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
622人具(ニンク)法師等也聖道一寺検校 猶‖房主ノ|高野本‖検校|也。〔謙堂文庫蔵五五左B〕※天理図書館蔵本は「人工」と表記する。※国会図書館蔵左貫注は、「人工」とし書込みに「―具イ」と記載し、「雑人等ノ亊也」と云う。
とあって、標記語「人具」の語をもって収載し、語注記は未記載にする。
律僧(リツソウ)者長老知事(チシ)典座(テンゾ)沙弥(シヤミ)八齋戒(サイカイ)人工(グ)法師等也トハ。初家(シヨケ)行人ナリ。人工法師ハ如レ常。〔下32ウ三・四〕
八齊戒(はつさいかい)の人々(ひと/\)法師(ほうし)等(とう)也/八齊戒ノ人々法師等也 齊戒ハ身心を潔白にしてものいミする事なり。其仕方八通りあるゆへ八齊戒と云。又ある説にハ座齊(ざさい)行(げう)齊寢(しん)齊に五戒(ごかい)を并せて云といえり。是ハ此齊戒をつとめたる仏法皈依の人と法師とをいふなり。人々を人工と書たる本もあり。是ハ前に調菜人工者とあるによりてあやまりたるなるへし。〔84オ五〜七〕
とあって、この標記語「人々」の語として収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)知事(ちじ)典座(てんそ)沙彌(しやみ)八齋戒(はつさいかい)乃人工烹師(し)等(とう)也(なり)/律僧者。長老知事。典座。沙弥。八齋戒人。工法師。等也▲工法師ハいにしへ縫針(ぬひはり)剪截(たちもの)切盛(きりもり)等の事を司る僧(つかさどるそう)也とぞ。〔61ウ一、三・四〕
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)知事(ちじ)典座(てんそ)沙彌(しやみ)八齋戒(はつさいかいの)人(ひと)工法師(くほふし)等(とう)也(なり)▲工法師ハいにしへ縫針(ぬひはり)剪截(たちもの)切盛(きりもり)等の事を司(つかさど)る僧(そう)也とぞ。〔110オ六、110ウ三・四〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔至徳三年本〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔宝徳三年本〕
律僧者長老知事典座沙弥八齋戒人工法師等也〔建部傳内本〕
律僧ニハ者長老知事典座(テンソ)沙弥八齋戒人工法師等也〔山田俊雄藏本〕
律僧者(ハ)長老知事典座沙彌八齋戒人具法師等也〔経覺筆本〕
律僧者(ハ)。長老。知事(チシ)。典座(テンソ)沙弥。八齋戒(サイカイ)。人工(ク)。法師等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「八齊戒」と記載し、訓みは文明四年本に「(ハチ)サイカイ」と記載する。
齋戒(サイカイ/モノイミ、イマシム)[平・去] 。〔態藝門786七〕
齋戒(サイカイ) ―日(ニチ)。―食(ジキ)。〔言辞門183七〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「齋戒」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本では「八齊戒」として収載している。数詞「八」を冠した語は古辞書では見えない。
621典座(テンス)沙弥八齊(−サイ)ノ戒(カイ) 齊戒ト云ハ五戒ニ加‖三皈|故号ス‖只八齊ト|。戒ハ行者也。〔謙堂文庫蔵五五左A〕
※「八齊戒トハ禅家ノ行者也。庭ナトヲ掃者也」〔天理図書館蔵『庭訓往來註』頭冠書込み〕
とあって、標記語「八齊戒」の語を収載し、語注記は未記載にする。
律僧(リツソウ)者長老知事(チシ)典座(テンゾ)沙弥(シヤミ)八齋戒(サイカイ)人工(グ)法師等也トハ。初家(シヨケ)行人ナリ。人工法師ハ如レ常。〔下32ウ三・四〕
八齊戒(はつさいかい)の人々(ひと/\)法師(ほうし)等(とう)也/八齊戒ノ人々法師等也 齊戒ハ身心を潔白にしてものいミする事なり。其仕方八通りあるゆへ八齊戒と云。又ある説にハ座齊(ざさい)行(げう)齊寢(しん)齊に五戒(ごかい)を并せて云といえり。是ハ此齊戒をつとめたる仏法皈依の人と法師とをいふなり。人々を人工と書たる本もあり。是ハ前に調菜人工者とあるによりてあやまりたるなるへし。〔84オ五〜七〕
とあって、この標記語「八齊戒」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)知事(ちじ)典座(てんそ)沙彌(しやみ)八齋戒(はつさいかい)乃人工烹師(し)等(とう)也(なり)/律僧者。長老知事。典座。沙弥。八齋戒人。工法師。等也▲八齊戒ハ殺生偸盗(ちうとう)邪淫(じやいん)妄語(もうご)飲酒(おんじゆ)の五戒に座行寐(ざぎやうしん)の三齊を併(あハ)していふ。〔61ウ一、三〕
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)知事(ちじ)典座(てんそ)沙彌(しやみ)八齋戒(はつさいかいの)人(ひと)工法師(くほふし)等(とう)也(なり)▲八齊戒ハ殺生(せつしやう)偸盗(ちうとう)邪淫(じやいん)妄語(まうご)飲酒(おんじゆ)の五戒に座行寐(ざぎやうしん)の三齊を併(あハ)していふ。〔110オ六、110ウ二・三〕
さい-かい〔名〕【齋戒】〔禮記、祭統篇「際之爲レ言、齊(とゝのふる)也」祭らむとして、心を齊ふるなり、轉じて清潔、敬愼の意となる、正韻「齋、潔也、莊也」廣雅「敬也」説文「戒、警(イマシム)也」〕いもひ。ものいみ。きよまはり。身心を清め、汚穢に觸るるを忌むこと。祭を行ふなどに云ふ。易經、繋辭
上傳「聖人以レ此斎戒、以~二明ニス其コヲ一夫」注「洗レ心曰レ斎、防レ患曰レ戒」「沐浴斎戒」〔0754-2〕
律僧(ゾウ) 。〔元亀二年本71十〕
律僧 。〔静嘉堂本86四〕
律僧(ソウ) 。〔天正十七年本上43オ六〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔至徳三年本〕
律僧者長老知寺典座沙弥八齋戒人工法師等也〔宝徳三年本〕
律僧者長老知事典座沙弥八齋戒人工法師等也〔建部傳内本〕
律僧ニハ者長老知事典座(テンソ)沙弥八齋戒人工法師等也〔山田俊雄藏本〕
律僧者(ハ)長老知事典座沙彌八齋戒人具法師等也〔経覺筆本〕
律僧者(ハ)。長老。知事(チシ)。典座(テンソ)沙弥。八齋戒(サイカイ)。人工(ク)。法師等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「律僧」と記載する。
律僧(リツソウ/ノリ、―)[入・平] 異名律師。南山家。南山教。〔人倫門189七〕
律僧(リツソウ) 。〔弘・人倫門56四〕〔永・人倫門56八〕〔尭・人倫門51八〕〔両・人倫門60二〕
律僧(リツソウ) 。〔人倫門56二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「律僧」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、真字本には見えていないものである。
619律僧者長老 長阿含曰有三長老|。謂ル耆年長老年老法長老子違法性内ニ有‖智徳作長老假号肇法師曰内有‖智能|可尊之故ニ名‖是ヲ長老ト|也云々。〔謙堂文庫蔵五五左@〕
とあって、標記語「律僧」の語を収載し、語注記は未記載にする。
律僧(リツソウ)者長老知事(チシ)典座(テンゾ)沙弥(シヤミ)八齋戒(サイカイ)人工(グ)法師等也トハ。初家(シヨケ)行人ナリ。人工法師ハ如レ常。〔下32ウ三・四〕
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)/律僧者長老 前に注す。〔84オ三・四〕※「律宗」(2000.11.25)を参照。
とあって、この標記語「律僧」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)知事(ちじ)典座(てんそ)沙彌(しやみ)八齋戒(はつさいかい)乃人工烹師(し)等(とう)也(なり)/律僧者。長老知事。典座。沙弥。八齋戒人。工法師。等也▲律宗ハ四月の進状に。長老ハ九月の進状に。知事典座沙弥ハ共に前に見ゆ。〔61ウ一、二・三〕
律僧(りつそう)者(ハ)長老(ちやうらう)知事(ちじ)典座(てんそ)沙彌(しやみ)八齋戒(はつさいかいの)人(ひと)工法師(くほふし)等(とう)也(なり)▲律宗ハ四月の進状に。長老ハ九月の進状に。知事典座沙弥ハ共に前(まへ)に見ゆ。〔110オ六、110ウ二・三〕
りッ-ソウ〔名〕【律僧】律宗の僧。庭訓往來、十月「律僧者、長老、知事、典座、沙彌、八斎戒、人工法師等也」太平記、十一、金剛山寄手等被レ誅事」「各入道出家にて、律僧ノ形ニ成リ、云云」〔2124-2〕
火鈴(コリン) 。〔元亀二年本231九〕〔静嘉堂本266三〕〔天正十七年本中62オ二〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「火鈴振」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「コリン(ふり)」、経覺筆本・文明四年本に「コリンフリ」と記載する。
火鈴(コリン/ヒ、レイ・スヾ)[上・○] 。〔器財門662六〕
火鈴(コリン) 。〔弘・財宝門188一〕〔永・財宝門154七〕〔尭・財宝門144七〕
火燵(コタツ) ―踏(タツ)。―鈴(リン)/―箸(ジ)。〔器財門158二〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「火鈴」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本には「火鈴振」収載しているのである。古辞書では、江戸時代の『書言字考節用集』に収載を見る語である。
618出-納山_守リ木コ_守リ門守(モンマホリ)火鈴(コリン)振等也 形∨火之用也。自‖聖徳太子|也。〔謙堂文庫蔵五五右H〕
※出納( ツノウ)山守(モリ)木(キ)守( リ)門守( ンス)火鈴(コリン)振等也 刑∨火之用也。自‖聖徳太子|始也。〔天理図書館蔵『庭訓往來註』〕
※出納山守木守門守火鈴振等也 戒∨火之用也。自‖聖コ太子|始落也。〔国会図書館蔵『左貫注庭訓』〕火鈴―鐘皷鳴開哉/―−(コ)−−ハ昔ハ用心ヲ勤ル者也。
とあって、標記語「火鈴振」の語を収載し、語注記には「火の形{刑・戒}の用なり。聖徳太子より始まるなり」と記載する。他にこの注記は見えず、真字本諸本共通の語注記でもある。
火鈴(リン)振(フリ)等也ト云事ハ寺ニハ寮(レウ)塔頭(タツチウ)多シ。僧衆是ニ居ル也。打飯(チヤウハン)ヲ叩(タヽヒテ)時ヲ告ルナリ。〔下32ウ二〕
火鈴(こりん)振(ふり)等(とう)也/火鈴振等也 鈴をふりて火の用心をふれる者也。〔84オ三〕
とあって、この標記語「火鈴振」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲火鈴振ハ鈴(りん)をふりて火の用心を觸(ふ)るゝ者なり。〔60オ七、61ウ一〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲火鈴振ハ鈴(りん)をふりて火(ひ)の用心(ようじん)を觸(ふ)るゝ者なり。〔109オ四、110オ六〕
コリン-ふり〔名〕【火鈴振】火鈴(こりん)の條を見よ。〔0745-3〕
コ-リン〔名〕【火鈴】〔火鈴(クワレイ)の宋音(下火(アコ)、火伴(コバン)、火榻子(コタツ))〕禪家にて、夜、巡更(ときまはり)し、火の用心を呼ぶに、振り鳴らす振鈴(シンレイ)。此事を勤むる者を、火鈴振(コリンふり)と云ふ。庭訓往來、十月三日「禪家者、堂頭和尚、云云、門守(カドモリ)、火鈴振(コリンフリ)、等也」俚言集覽、火鈴(コリン)「古冩本、庭訓往來「火鈴振」注「戒火之用也」和訓栞、こりんふり「火鈴振と書けり、火の用心の役也」〔0745-1〕
門守(ス) 。〔元亀二年本348六〕〔静嘉堂本419二〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「門守」と記載し、訓みは山田俊雄藏本が「(もん)ス」、文明四年本に「モンス」と記載する。
闇人 カトモリ。〔黒川本・人倫門上77オ七〕
椚人 カトモリ/守門人也。圉人 同。〔卷三・人倫門187一〕
門守(モンシユ/カド、マボル)[平・去] 。〔人倫門1071八〕
門守(モンシユ) 。〔弘・人倫門258五〕
門(モン)徒 ―派(ハ)。―跡。―役。―中。―守。〔永・人倫門220七〕
門人(モント) ―派(ハ)。―跡。―役。―中。―守。―主。〔尭・人倫門206九〕
門主(モンシユ) ―徒(ト)。―派(ハ)。―人(ジン)。―守(ス)。〔人倫門229三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「門守」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
618出-納山_守リ木コ_守リ門守(モンマホリ)火鈴(コリン)振等也 形∨火之用也。自‖聖徳太子|也。〔謙堂文庫蔵五五右H〕
とあって、標記語「門守」の語を収載し、語注記は未記載にする。
山守(モリ)木(コ)守門守(カトモリ)山守ハ薪(タキヽ)奉行(ブギヤウ)ナリ。木守(コモリ)同門主(ス)如レ此。〔下32ウ二〕
門主(もんしゆ)/門守 門の番人なり。〔83ウ七・八〕
とあって、この標記語「門守」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲門守ハ門戸(もんと)を司(つかさとる)り人の出入を改(あらた)むる役(やく)也。〔60オ七、61ウ一〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲門守ハ門戸(もんと)を司(つかさと)り人の出入を改(あらた)むる役(やく)也。〔109オ四、110オ五・六〕
Monsu.モンス(門守) 門番,守衛,すなわち,門の警備人.〔邦訳422l〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「木守」と記載し、訓みは経覺筆本・文明四年本に「コモリ」と記載する。
木守(コモリ/ホク・キ、シユウ・マボル)[入・去] 力者。〔人倫門656二〕
木守(コモリ) 同(力者官)。〔弘・人倫門186三〕
木守(コモリ) 同(力者ノ頭官)。〔永・人倫門152五〕
木守(コモリ) 同(力者)。〔尭・官名門143七〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「木守」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
618出-納山_守リ木コ_守リ門守(モンマホリ)火鈴(コリン)振等也 形∨火之用也。自‖聖徳太子|也。〔謙堂文庫蔵五五右H〕
とあって、標記語「木守」の語を収載し、語注記は未記載にする。
山守(モリ)木(コ)守門守(カトモリ)山守ハ薪(タキヽ)奉行(ブギヤウ)ナリ。木守(コモリ)同門主(ス)如レ此。〔下32ウ二〕
山守(やまもり)木(き)守/山守木守 皆山はやしを守るもの也。〔83ウ七・八〕
とあって、この標記語「木守」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲山守木守ハ山林(さんりん)樹木(しゆもく)を守(まも)る者。〔60オ七、61オ八〜ウ一〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲山守木守ハ山林(さんりん)樹木(しゆもく)を守(まも)る者。〔109オ四、110オ四〕
こ-もり〔名〕【木守】〔宮木守(みやきもり)、山守、野守、同意〕庭木などを、守る者。枕草子、四、四十四段「こもりと云ふ者の、築地(ついじ)のほどに、庇さして居たるを、縁の下(もと)近く、呼寄せて、云云」舊今昔物語集、廿七、第三十二語「木幡(こはた)(山城)に、我が居たりし所には、木守に、雑色一人をなむ、置きたる」庭訓往來、十月「山守、木守、門守(かどもり)」林逸節用集(文明)人倫「小舎人、木守(こもり)、火番(こばん)」〔0456-5〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「山守」と記載し、訓みは経覺筆本と文明四年本に「(やま)モリ」と記載する。
山守(ヤマモリ/サンシユウ)[平・上去] 。〔態藝門562八〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』に標記語「山守」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
618出-納山_守リ木コ_守リ門守(モンマホリ)火鈴(コリン)振等也 形∨火之用也。自‖聖徳太子|也。〔謙堂文庫蔵五五右H〕
とあって、標記語「山守」の語を収載し、語注記は未記載にする。
山守(モリ)木(コ)守門守(カトモリ)山守ハ薪(タキヽ)奉行(ブギヤウ)ナリ。木守(コモリ)同門主(ス)如レ此。〔下32ウ二〕
山守(やまもり)木(き)守/山守木守 皆山はやしを守るもの也。〔83ウ七・八〕
とあって、この標記語「山守」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲山守木守ハ山林(さんりん)樹木(しゆもく)を守(まも)る者。〔60オ七、61オ八〜ウ一〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲山守木守ハ山林(さんりん)樹木(しゆもく)を守(まも)る者。〔109オ四、110オ四〕
Yamamori.ヤマモリ(山守) 山の番人,あるいは,山を守る人.〔邦訳809l〕
やま-もり〔名〕【山守】古へ、山を守るを職とする者。其部(むれ)の民を、山守部(やまもりべ)と云ふ。山部。又、山の番人。萬葉集、三、42「山守の、ありける知らに、其山に、標結(しめゆ)ひ立てて、結ひの辱(はぢ)しつ」〔2056-5〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本が「出納」と記載し、訓みは文明四年本に「シユツナウ」と記載する。
出納 シユツナウ。〔黒川本・畳字門下82オ七〕
出納 〃入。〃九。〃物。〃舉。〔卷第九・畳字門219三〕
出納(シユツナウ/イズル、ヲサム)[去・入] 。〔官位門920三〕
出仕(シユツシ) ―納(ナフ)。―頭(トウ)。―物(モツ)。―世(せ)/―生(シヤウ)。―身(シン)。―家(ケ)。〔言辞門216七〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「出納」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
618出-納山_守リ木コ_守リ門守(モンマホリ)火鈴(コリン)振等也 形∨火之用也。自‖聖徳太子|也。〔謙堂文庫蔵五五右H〕
とあって、標記語「出納」の語を収載し、語注記は未記載にする。
出納(シユツナウ)ハ。米銭(コメゼニ)ヲ納(ヲサム)ル人也。〔下32ウ一・二〕
出納(しゆつのふ)/出納 納戸(なんと)まかないなり。〔84オ一・二〕
とあって、この標記語「出納」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲出納ハ納戸賄(まかなひ)也。〔60オ七、61オ八〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲出納ハ納戸(なんと)賄(まかなひ)也。〔109オ四、110オ四〕
Xutno<.シュツナウ(出納) Idaxi iruru coto.(出だし納るること)米や食糧を穀物倉や倉庫に入れたり取り出したりすること.¶また、禅宗僧(Ienxus)の中の食料庫係.〔邦訳803r〕
しゅつ-なふ〔名〕【出納】(一)藏人所の官名、職事の雜務を取扱ひ、雜具の出納を掌るもの。(二)大臣などの家にて、上の如き役を勤むる下吏。(三)延暦寺にて、被物(かつけもの)などの出納を掌る僧。〔0997-5〕
兄部(コノカウベ) 。〔元亀二年本234二〕
兄部(コノカウベ) 同(禅家ノ力者之名)。〔静嘉堂本256五〕
兄部(コノカウヘ) 同(禅家ノ小者之名)。〔天正十七年本中57ウ一〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「兄部」と記載し、訓みは山田俊雄藏本「コノカウベ」、経覺筆本・文明四年本に「コノカウヘ」と記載する。
兄部 カノカウヘ。〔黒川本・官職門下11オ三〕
兄部 コノカウヘ。〔卷第七・官職門197二〕
兄部(コノカウベ) 力者ノ頭也。〔人倫門40七〕
兄部(コノカウベ/―、ホウ)[○・去] 力者ノ中(ナカノ)頭(カシラ)。〔人倫門656二〕
兄部(コノカウベ) 力者官。〔弘・人倫門186二〕
兄部(コノカウベ) 力者ノ頭官。〔永・人倫門152五〕
兄部(コノカウベ) 力者。〔尭・官名門143七〕
兄部(コノカフベ) 力者之頭也。〔人倫門154三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「兄部」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載し『下學集』が「頭」とするに対し、真字本は「首」と表記している。広本『節用集』の語注記は、「中頭」とし稍異なったものとなっている。
617堂司(タウス)庫主(クス)炭(タン)シン頭調菜人工者(グシヤ)ハ兄部(コノカウヘ) 人工之首ヲ云。又力者首ト云也。〔謙堂文庫蔵五五右G〕
とあって、標記語「兄部」の語を収載し、語注記は「人工の首を云ふ。また、力者の首と云ふ」と記載する。
兄部(コノカウベ) ト云ハ。人ニ隨ヒテ一ツツアガリ。一ツク役アリ。如レ此。〔下32ウ一〕
兄部(このこうべ)/兄部 力者(りきしや)なり。〔84オ一〕
とあって、この標記語「兄部」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲兄部ハ人工の頭也とぞ。〔60オ七、61オ八〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲兄部ハ人工の頭(かしら)也とぞ。〔109オ四、110オ四〕
この-かうべ〔名〕【兄部】〔兄部(このかみべ)の音便、即ち、首(このかみ)なり、其條を見よ〕(一)頭立(かしらだ)つ者。長(をさ)。字類抄「兄部、コノカウベ」和訓栞、このかうべ「伊勢大宮に、司中ノ兄部あり、司家屬官の一臈を、兄部と云ふ、主典也と云へり、云云、伊勢年中行事に、物忌(ものいみの)父兄部、見ゆ」(二)禪家にて、力者(りきしや)の頭(かしら)の稱とす。(力者の條を見よ)武家にても傚ひて、此稱を用ゐたり。庭訓往來、十月三日「兄部(コノカウベ)、云云、門守(カドモリ)、火鈴振(コリンフリ)」同書諸抄大成、四「兄部、下部也」下學集(文安)上、人倫門「兄部(コノカウベ)力者ノ頭也」運歩色葉集(天文)「兄部(コノカウベ)、禪家力者之名」鎌倉年中行事(享コ)公方樣御發向「御力者、或八人、出張(シユツチヤウ)頭巾(ヅキン)を冠り、兄部は、御長刀を持ち、二番目の御力者柄長杓(えながひさご)を持ち、其跡に、小舎人、云云」(節文)〔0708-4〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本は、「調菜人公者」、建部傳内本は、「調菜人工」、山田俊雄藏本が「調菜人工」、経覺筆本は「人工」、文明四年本が「調菜人、工者」と記載し、訓みは経覺筆本が「ニンク」、文明四年本に「テウサイニン、クニハ」と記載する。
人工(ニング/ジンコウ・ヒト、タクミ)[平・平] 力者。〔人倫門86七〕
人工(ニンク) 力者。〔弘・人倫門28七〕
人工(ニング) 力者。〔永・人倫門28九〕〔尭・人倫門25七〕〔両・人倫門30一〕
人工(ニンク) 力者。〔人倫門25五〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』・印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』・易林本『節用集』に標記語「人工」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』(至徳三年本・宝徳三年本は、「人公」と異なる)及び、下記真字本が収載しているのである。
617堂司(タウス)庫主(クス)炭(タン)シン頭調菜人工者(グシヤ)ハ兄部(コノカウヘ) 人工之首ヲ云。又力者首ト云也。〔謙堂文庫蔵五五右G〕
とあって、標記語「工者」の語を収載し、語注記は未記載にする。
炭(タン)頭(チウ)調菜(テウサイノ)人工者(グシヤ) 炭頭ハ。ヲコシ炭(スミ)ノ奉行也。興炭(ヲコシスミ)ト云ハ。スル墨(スミ)モ有ニ依テ云フナリ。〔下32オ八〜ウ一〕
工者(くしや)/工者 衣類(いるい)なと仕立る者也。〔83ウ七・八〕
とあって、この標記語「工者」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲工者ハ人工をいふにやあらん。人工ハ下部(しもべ)也。〔60オ七、61オ八〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲工者ハ人工(にんく)をいふにやあらん。人工ハ下部(しもべ)也。〔109オ四、110オ四〕
Ningu.ニング(人工) 力のある人〔力者〕.〔邦訳465r〕
にん-く〔名〕【人工】人足。力者。人夫。増補下學集、上、一、人倫門「人工、ニンク」太平記、四十、南禪寺三井寺確執事「不日に推寄せて、當務の僧共、人工、行者に至るまで、打殺すのみならず」〔1504-2〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、山田俊雄藏本が「庫司」と表記する以外は至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「炭頭」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・文明四年本に「トンチウ」と記載する。
炭頭(トンチウ/タントウ・スミ、トウ・カシラ)[去・平] 行堂官ノ名。〔官位門128四〕
炭頭(トンヂウ) 行堂官名。〔弘・人倫門42一〕
炭頭(トンヂウ) 行堂(アンタウ)官名。〔永・人倫門42八〕
炭頭(トンチウ) 行堂官。〔尭・官名門40三〕
炭頭 行堂官。〔両・官名門47七〕
炭頭(トンチウ) 行者。〔人倫門41三〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』、印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』に、標記語「炭頭」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、別な資料に依拠していると思われる。
617堂司(タウス)庫主(クス)炭(タン)シン頭調菜人工者(グシヤ)ハ兄部(コノカウヘ) 人工之首ヲ云。又力者首ト云也。〔謙堂文庫蔵五五右G〕
とあって、標記語「炭頭」の語を収載し、語注記は未記載にする。
炭(タン)頭(チウ)調菜(テウサイノ)人工者(グシヤ) 炭頭ハ。ヲコシ炭(スミ)ノ奉行也。興炭(ヲコシスミ)ト云ハ。スル墨(スミ)モ有ニ依テ云フナリ。〔下32オ八〜ウ一〕
炭頭(たんちう)/炭頭 炉(ろ)の事を司り炭薪をあつかふ役也。〔83ウ八〕
とあって、この標記語「炭頭」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲炭頭ハ火爐(くハろ)の事を司る。〔60オ七、61オ八〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲炭頭ハ火爐(くわろ)の事を司る。〔109オ四、110オ四〕
Sumigaxira.スミガシラ(炭頭) 火にくべた際にくすぶる,十分に焼けていない木炭.〔邦訳588l〕
庫司(ス) 同(寺)。〔元亀二年本192二〕〔天正十七年本中38オ二〕
庫司 同(寺) 。〔静嘉堂本217二〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、山田俊雄藏本が「庫司」と表記する以外は至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「庫子」と記載し、訓みは山田俊雄藏本は「グ(ス)」、文明四年本に「クス」と記載する。
庫裡(クリ/コ・クラ、ウチ)[去・上] 又云二庫司(クス)―院(クイン)ト一。〔家屋門497七〕
雜舎(ザツシヤ/マジワル、イヱ)[○・上] 又云二雜屋(ザフヤ)ト一倭俗ノ庫司(クス)。〔家屋門773二〕
庫司(ス) 。〔弘・天地門156四〕
庫理(クリ) ―司( ス)。〔尭・天地門116五〕
庫理(クリ) ―司(クス)。〔両・天地門141三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「庫司」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』では「庫子」、下記真字本では「庫主」として収載し語注記は未記載にしている。
617堂司(タウス)庫主(クス)炭(タン)シン頭調菜人工者(グシヤ)ハ兄部(コノカウヘ) 人工之首ヲ云。又力者首ト云也。〔謙堂文庫蔵五五右G〕
とあって、標記語「庫主」の語を収載し、語注記は未記載にする。
庫司(クス) ハ。クリ坊主ナリ。〔下32オ八〕
庫司(くす)/庫司 書物の入たる藏をつかさとる役なり。又くり奉行也ともいふ。〔83ウ七・八〕
とあって、この標記語「庫司」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲庫司ハ庫裏(くり)を司(つかさど)る頭(かしら)也とぞ。〔60オ七、61オ八〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲庫司ハ庫裏(くり)を司(つかさど)る頭(かしら)也とぞ。〔109オ四、110オ四〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「供頭」と記載し、訓みは、経覺筆本に「キウテウ」、山田俊雄藏本・文明四年本に「キウチウ」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「供頭」の語は未収載にあって、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
616供頭(グ/ク−) 掃厨∨役也。〔謙堂文庫蔵五五右G〕
とあって、標記語「供頭」の語を収載し、語注記は、「厨を掃する役なり」と記載する。
供頭(キウチウ) ハ。調菜(テウサイ)ガシラ也。〔下32オ七〕
供頭(くとう)/供(ク)頭 くり屋の調菜をとゝのゆるかしら役なり。〔83ウ六〕
とあって、この標記語「供頭」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲供頭ハ厨(くりや)の調菜(てうさい)を司(つかさど)る頭(かしら)也とぞ。〔60オ七、61オ七〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲供頭ハ厨(くり)乃調菜(てうさい)を司(つかさど)る頭(かしら)也とぞ。〔109オ四、110オ一・二〕
きゅう-じゅう〔名〕【供頭】〔供頭(キヨウトウ)の呉音。塔頭(タツチユウ)などもあり〕禪寺にて、食事の用に供する職。庭訓往來、十月「供頭」諸抄大成「廚の調菜を司る」林逸節用集「供頭(キウヂウ)行者(アンジヤ)」〔0453-2〕
望参 。〔元亀二年本224一〕〔天正十七年本中57ウ一〕
望参 。〔静嘉堂本256五〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本が「望(参)」と「参」の字を欠落し、後は宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本に「望参」と記載し、訓みは山田俊雄藏本は「マウ(サン)」、経覺筆本「モウ(サン)」、文明四年本に「マウサン」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「望参」の語は未収載にあって、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本は収載しているのである。
615望(マウ)参 入同宿也。〔謙堂文庫蔵五五右F〕
とあって、標記語「望参」の語を収載し、語注記は、「入同宿なり」と記載する。
副参(フサン)望參(バウサン) ハ。張物(ハリモノ)洗濯(せンタク)ノ奉行ナリ。〔下32オ七〕
副参(ふくさん)望参(バうさん)/副参望参 はしめより同宿(とうしく)なるを副参と云。入同宿(いりとうしく)を望参と云也。〔83ウ六〕
とあって、この標記語「望参」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲望参ハ入同宿の僧也とぞ。又或説に副参望参ハ張物洗濯の奉行とす。但し以上三名今ハなしとぞ。〔60オ七、61オ六〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲望参ハ入同宿の僧也とぞ。又或説に副参望参ハ張物(はりもの)洗濯(せんたく)の奉行とす。但し以上三名今ハなしとぞ。〔109オ四、110オ一・二〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「副参」と記載し、訓みは、経覺筆本は「フウサン」、山田俊雄藏本「フ(サン)」、文明四年本に「フサン」と記載する。
副参(サン) 行者官名。〔弘・官名門180一〕
副参(フサン) 行者官。〔永・人倫門147七〕
副参(フサン) 行堂官。〔尭・官名門138一〕
このように、上記当代の古辞書においては、印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本『節用集』に標記語「副参」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、何故か知らぬが広本『節用集』は、この語を未収載にする。
614副参(フサン) 真同宿也。〔謙堂文庫蔵五五右F〕
とあって、標記語「副参」の語を収載し、語注記は、「真の同宿なり」と記載する。
副参(フサン)望參(バウサン) ハ。張物(ハリモノ)洗濯(せンタク)ノ奉行ナリ。〔下32オ七〕
副参(ふくさん)望参(バうさん)/副参望参 はしめより同宿(とうしく)なるを副参と云。入同宿(いりとうしく)を望参と云也。〔83ウ六〕
とあって、この標記語「副参」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲副参ハ初より同(どう)宿の僧とぞ。〔60オ七、61オ六〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲副参ハ初より同(どう)宿(しゆく)の僧とぞ。〔109オ四、110オ一・二〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「参頭」と記載し、訓みは経覺筆本が「サン(チウ)」、山田俊雄藏本・文明四年本に「サンチウ」と記載する。
参頭(サンヂウ/マイル、トウ・カウベ)[平・平] 行堂官ノ名。〔官位門776五〕
参頭(サンヂウ) 行者官。〔弘・官名門210七〕〔永・官名門175八〕
参頭(サンヂウ) 行堂官。〔尭・官名門164九〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』、印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・『節用集』に標記語「参頭」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』や印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・『節用集』の語注記とは異なっている。
613行(アン)者参頭(サンチウ) 行者ト同也。〔謙堂文庫蔵五五右F〕
とあって、標記語「参頭」の語を収載し、語注記は、「行者と同じなり」と記載する。
参頭(サンチウ) ハ行者ノカシラナリ。〔下32オ七〕
参頭(さんとう)/参頭 副参望参の頭なり。〔83ウ五〕
とあって、この標記語「参頭」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲参頭ハ或説に副参望参の頭とし又行者の頭とし又藥頭誤字歟といへり。藥頭ハ寺中病僧の世話する役也。〔60オ七、61オ五・六〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲参頭ハ或説に副参望参の頭とし又行者の頭とし又藥頭誤字歟といへり。藥頭ハ寺中病僧の世話する役也。〔109オ四、110オ一・二〕
庵主(ジユ) 。〔元亀二年本259三〕
庵主(アンジユ) 。〔静嘉堂本293三〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「庵主」、建部傳内本は「菴主」と記載し、訓みは文明四年本に「アンシユ」と記載する。
庵主(アンジユ/イホリ、ヌシ)[平・上] 。〔人倫門746五〕
庵主(アンジユ) 僧。〔弘・人倫門202六〕
庵主(アンシユ) 。〔永・人倫門168三〕
庵主 。〔尭・人倫門157三〕
菴主(アンジユ) 。〔人倫門168五〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「庵主」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
610山主・庵主 釋名曰、草爲‖圓屋|屋曰庵。庵ハ奄也。以自覆奄也。西天憎俗修行多居庵也
とあって、標記語「庵主」の語を収載し、語注記は、「『釋名』に曰く、草にて圓屋と爲し、屋を庵と曰ふ。庵は、奄なり。覆ふを以ってより奄なり。西天の憎俗修行、庵に多く居すなり」と記載する。
山主(サンス)庵主(アンス)沙弥(シヤミ)喝食(カツシキ) 皆々其役(ヤク)役ナリ。〔下32オ五〕
山主(さんす)庵主(あんす)/山主庵主 一山一庵のぬしなり。〔83ウ二・三〕
とあって、この標記語「庵主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲山主庵主ハ一山一庵の主(あるじ)也。〔60オ七、61オ三・四〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲山主庵主ハ一山一庵の主(あるじ)也。〔109オ四、109ウ四〕
Anju.l,anzu.アンジュ,または,アンズ(庵主) 坊主(Bo<zu).すなわち,自分自身の独立した小庵を持っている僧侶.※原文はsella(=cella,cela).日西辞書ではsilla(椅子)と誤訳している.〔邦訳26r〕
あん-じゅ〔名〕【庵主】〔坊主に同じ〕僧の、庵をかまへて居るもの。庭訓往來(元弘)十月「旦過之僧、山主、庵主、沙彌」臥雲日件録、文安六年三月十日「與二定水庵主一同喫レ粥」〔0091-5〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「山主」と記載し、訓みは山田俊雄藏本は「サンス」、文明四年本に「(サン)シユ」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「山主」の語は未収載にあって、これを古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
610山主・庵主 釋名曰、草爲‖圓屋|屋曰庵。庵ハ奄也。以自覆奄也。西天憎俗修行多居庵也
とあって、標記語「山主」の語を収載し、語注記は、「『釋名』に曰く、草にて圓屋と爲し、屋を庵と曰ふ。庵は、奄なり。覆ふを以ってより奄なり。西天の憎俗修行、庵に多く居すなり」と記載する。
山主(サンス)庵主(アンス)沙弥(シヤミ)喝食(カツシキ) 皆々其役(ヤク)役ナリ。〔下32オ五〕
山主(さんす)庵主(あんす)/山主庵主 一山一庵のぬしなり。〔83ウ二・三〕
とあって、この標記語「山主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲山主庵主ハ一山一庵の主(あるじ)也。〔60オ七、61オ三・四〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲山主庵主ハ一山一庵の主(あるじ)也。〔109オ四、109ウ四〕
旦過(タングワ) 。〔元亀二年本139九〕〔静嘉堂本149一〕
旦過(タンクワ) 。〔天正十七年本中6オ八〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「旦過」と記載し、訓みは経覺筆本は「タン(クワ)」、山田俊雄藏本・文明四年本に「タンクワ」と記載する。
旦過(タンクワ) 往来ノ之沙門僧呂(ロ)一宿ノ之処也。〔態藝門93五〕
旦過(タングワ/シヤ・シハラク、スギル)[上・去] 徃來之僧一宿ノ処也。〔態藝門366一〕
旦過(タングワ) 旅僧一宿処也。〔弘・天地門97二〕
旦過(タングワ) 旅僧一宿所。〔永・天地門90三〕
旦過(タングワ) 旅僧一宿処。〔尭・天地門82三〕
旦過(タングワ) 旅僧一宿ノ処。〔両・天地門98五〕
旦過(タンクワ) 徃來僧一宿処。〔言語門94四〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「旦過」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
609旦過(タンクワ)ノ之僧 平等ハ供養之地、名旦過ト|。下学徃来僧一宿也。〔謙堂文庫蔵五五右A〕
旦過ノ之僧 平等供養之地、名‖旦過|。下学徃来僧一宿ソ。〔左貫注左H〕
とあって、標記語「旦過」の語を収載し、語注記は、「平等供養の地、旦過と名づく。『下学(集)』に徃来僧の一宿なり」と記載する。
旦過(タングハ)之僧 ハ。江湖ノ僧トモ一宿(シユク)スル処也。去社(サレハコソ)アシタニ過(スグ)ルトハ書(カケ)レ。〔下32オ五〕
旦過(たんくわ)之(の)僧(そう)/旦過之僧 徃來一宿(いつしく)の僧なり。〔83ウ一・二〕
とあって、この標記語「旦過」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲旦過ハ徃來(わうらい)一宿(いつしゆく)して旦(あした)に過去(すぎさ)る廻国(くわいこく)の類也。〔60オ七、61オ三・四〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲旦過ハ徃來(わうらい)一宿(いつしゆく)して旦(あした)に過去(すぎさ)る廻国(くわいこく)の類也。〔109オ四、109ウ四〕
Tangua.l,Tanguaya.タングヮ,またはタングヮヤ(旦過,または,旦過屋) 修道院付属救護所のような家で,巡歴する坊主(Bonzos)の宿泊する所.¶Tanguayano yo<na tocoro.(旦過屋のやうな所)大勢の人々が諸方からやって来る修道院付属救護所のような所,または,家.※原文はhospital.修道院の経営する旅人の無料宿泊所,救護所.羅葡日Hospitumの条に,葡語でHospital de pobresと説明したのに続いて,乞食貧人ヲ請ジ置ク家,という日本語対訳を示している.〔邦訳610l〕
たん-くゎ〔名〕【旦過】〔夕に來りて、翌朝、行き過ぐる意〕禪家にては、タングヮと云ふ。行脚僧の宿泊すること。其處を旦過寮と云ふ。謡曲、木賊「我れ等が私宅は旦過にて候、一夜を明かして御通り候へ」〔0456-5〕
坊主(ハウズ) 。〔元亀二年本27四〕
坊主(ス) 。〔静嘉堂本26一〕〔天正十七年本上14オ三〕〔西來寺本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「坊主」と記載する。
房主(バウズ/ネヤ、シユ・ヌシ・アルジ)[○・上] 或作二坊主(バウス)ト一。〔人倫門54三〕
坊主(バウズ) 僧。〔弘・人倫門18五〕
坊主(バウズ) 。〔永・人倫門16九〕〔尭・人倫門15一〕〔両・人倫門17六〕
坊主(バウズ) 。〔人倫門15三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「坊主」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』は、標記語を「房主」としその語注記に「坊主」を記載していて、他古辞書とは異なっている。
608塔頭(タツチウ)ノ坊主 釈名ニ曰、坊ハ旁也。在堂兩旁故十誦律ニ曰坊者或属∨僧ニ若今禅居寮舎也。或ハ属‖一人ニ|。若今寺院内各々住持者歟。〔謙堂文庫蔵五五右@〕
とあって、標記語「坊主」の語を収載し、語注記は「釈名に曰く、坊は旁なり。堂兩の旁在るが故、十誦律に曰く坊は或僧に属す。若しくは今、禅居寮舎なり。或は、一人に属す。若しくは今、寺院内各々の住持者か」と記載する。
塔頭(タツチウ)坊主(バウス) トハ。其時ノ住持(ヂ)隠居(インキヨ)ノ房(ハウ)也。留守(ルス)坊(バウ)カ。〔下32オ四・五〕
坊主(ばうず)/坊主 一坊のぬしとなりて其寺配する者なり。〔83ウ一・二〕
とあって、この標記語「坊主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲塔頭ノ坊主ハ寺中(じちう)其寮(りやう)の主(ぬし)也。〔60オ七、61オ三〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲塔頭ノ坊主ハ寺中(しちう)其(その)寮(れう)の主(ぬし)也。〔109オ四、109ウ三〕
Bo<zu.バウズ(坊主) Bo<no nuxi.(坊の主)自分の僧坊,または,小院を持っている僧侶.¶また,僧侶または剃髪者なら誰でも坊主という.※原文のsellaは,cclla,celaに同じ.原文はermida.〔Bo<go<の注〕→Acuso>;Finso>.〔邦訳63l〕
ばう-ず〔名〕【坊主・房主】(一)一坊、一寺の主たる僧。主僧。頼政集、下「俊惠が坊に、方違へにまかりたりし夜、雨の降り侍りしに、坊主の許より言ひつかはし侍りし」吾妻鏡、五、文治元年十一月廿二日「多武峰、云云、南院内藤室、其坊主號二十字坊一之惡僧也」(二)轉じて、泛く、稱。僧。(三)僧の圓頂なるより轉じて、俗に、すべて剃髪したる人の稱。(醫、畫工、茶伯、小兒など)(四)武家の城中、邸中にて茶湯の事、及、雜事に使はるる賤しき役の者。剃髪なり。「茶坊主」廣阮V主」(五)轉じて、髪を剃りたる頭。圓顱。「坊主になる」(六)又、轉じて、毛の無きもの。或は裸なる物を呼ぶ語。「坊主麥」坊主筆」坊主山」(七)物事に熟語として、名詞を形作らする語。「三日坊主」照照坊主」ちゃんちゃん坊主」〔1558-4〕
塔頭(タツチウ) 。〔元亀二年本137十〕〔静嘉堂本146三〕
塔頭(チウ) 。〔天正十七年本中5オ三〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「塔頭」と記載し、訓みは山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本に「タツチウ」と記載する。
塔頭(タツチウ) 。〔黒川本・諸寺門中11ウ四〕
塔婆 〃寺。〃廟。〔卷第四・畳字門445三〕
塔頭(タツチウ) 。〔家屋門54六〕
塔頭(タツチウ/タカラ、トウ・カウベ)[入・平] 長老之墓(ハカ)処也。〔家屋門330六〕
塔頭(タツチウ) 寺。〔弘・天地門97二〕〔永・天地門90二〕〔尭・天地門82二〕
塔頭(タツチウ) 。〔両・官位門98四〕
塔頭(タツチウ) 寺。〔乾坤門88四〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「塔頭」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
608塔頭(タツチウ)ノ坊主 釈名ニ曰、坊ハ旁也。在堂兩旁故十誦律ニ曰坊者或属∨僧ニ若今禅居寮舎也。或ハ属‖一人ニ|。若今寺院内各々住持者歟。〔謙堂文庫蔵五五右@〕
とあって、標記語「塔頭」の語を収載し、語注記は未記載にする。
塔頭(タツチウ)坊主(バウス) トハ。其時ノ住持(ヂ)隠居(インキヨ)ノ房(ハウ)也。留守(ルス)坊(バウ)カ。〔下32オ四・五〕
塔頭(たつちう)/塔頭 塔の守り也。〔83ウ一〕
とあって、この標記語「塔頭」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲塔頭ノ坊主ハ寺中(じちう)其寮(りやう)の主(ぬし)也。〔60オ七、61オ三〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲塔頭ノ坊主ハ寺中(しちう)其(その)寮(れう)の主(ぬし)也。〔109オ四、109ウ三〕
‡Tacchu<.タッチュウ(塔頭) →Tatchu<.〔邦訳597l〕
Tatchu<.タッチュウ(塔頭) 主要な寺(Tera)の境内にある,坊主(Bonzo)一人一人の礼拝所,または、僧坊.〔邦訳616l〕
たっ-ちゅう〔名〕【塔頭】〔字の宋音。もと、大寺の高僧の寂後、其徒弟、師コを慕ひて、塔の頭(ほとり)を去らず、坊を構へて住せしに起る〕(一)禪林にて、祖師の塔のある處の稱。臨濟録、「師到二達磨塔頭一、塔主云、長老、先禮レ佛禮レ祖、師云、佛祖倶不レ禮」(二)轉じて、禪宗の大寺の境内にある小寺。わきでら。寮。寺中。子院。應仁記、一、武衛家騒動「建仁寺の西來院はコ本の塔頭なれば、此寺に陰居せられけるを」〔1223-2〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「諸僧」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「ギキウ」、経覺筆本「キキウ」、文明四年本に「キギウ」と記載する。
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「諸僧」の語は未収載にあり、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。
607此_外耆(キ)旧ノ之諸僧 僧梵ニハ曰‖僧伽ト|。唐ニハ云∨衆ト。今略シテ称∨僧ト也。〔謙堂文庫蔵五四左H〕
とあって、標記語「諸僧」の語を収載し、語注記は未記載にする。
焼香(セフカウ)侍者(ジシヤ)書状(シヨジヤウ)請客(シンカ)湯藥(タウヤク)衣(イ)鉢等侍者此外耆舊(キキウ)之(ノ)諸僧(シヨソウ) 焼香シ書状認(シタヽム)ル事侍者(ジシヤ)ノ役(ヤク)也。又位ヲ付アガルヲ耆舊ト云フナリ。〔下32オ三・四〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)/此外耆舊之諸僧 耆ハ年老ひたる事也。舊ハふるきなじミなり。〔83オ八〜83ウ一〕
とあって、この標記語「諸僧」の語をもって収載し、語注記は未記載にする。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲耆舊之諸僧ハ老僧達(らうそうたち)といふ義也。耆ハ六十歳(さい)をいふ。〔60オ七、61オ三〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲耆舊之諸僧ハ老僧達(らうそうたち)といふ義也。耆(ぎ)ハ六十歳をいふ。〔109オ四、109ウ三〕
Xoso>.ショソウ(諸僧) Moromorono so>.(諸の僧)すべての僧侶.〔邦訳795r〕
× 。〔元亀二年本〕※脱語にて欠。
耆旧(キキウ) 。〔静嘉堂本328二〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副参望供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守火守門守再火鈴振等也〔至徳三年本〕
此外耆舊之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人公者兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔宝徳三年本〕
此外耆旧之諸僧塔頭坊主旦過之僧山主庵主沙弥喝食行者参頭副參望參供頭堂司庫子炭頭調菜人工兄部出納山守木守門守火鈴振等也〔建部傳内本〕
此外耆舊(ギキウ)之(ノ)諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦過(タンクワ)之(ノ)僧山主(サンス)菴主沙弥喝食行(アン)者方ニハ参頭(サンチウ)副(フ)参望(マウ)参供頭(キウチウ)堂主(ス)庫(グ)司炭頭(トンチウ)調菜人工ニハ者兄部(コノカウベ)出納山守木守門守(ス)園頭(エンチウ)火鈴(コリン)振等也〔山田俊雄藏本〕
此ノ外耆旧(キキウ)之諸僧塔頭(タツチウ)坊主旦(タン)過之僧山主庵主沙彌喝食行(アン)者参(サン)頭副参(フウサン)望(モウ)参供頭(キウテウ)堂司庫子炭頭調菜ノ人工(ニンク)者兄部(コノカウヘ)出納山守(モリ)木守(コモリ)門守火鈴振(コリンフリ)等也〔経覺筆本〕
此外耆舊(キギウ)之(ノ)諸僧。塔頭(タツチウ)。坊主。旦過(タンクワ)之(ノ)僧。山主(シユ)。庵主(アンシユ)。沙弥。喝食(カツシキ)。行者(アンシヤ)。人工。参頭(サンチウ)。副参(フサン)。望参(マウサン)。供頭(キウチウ)。堂司(ダウス)。庫子(クス)。炭頭(トンチウ)。調菜人(テウサイニン)。工者(クニハ)。兄部(コノカウヘ)。出納(シユツナウ)。山守(モリ)。木守(コモリ)。門守(モンス)。火鈴振(コリンフリ)等也〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「耆舊」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「ギキウ」、経覺筆本「キキウ」、文明四年本に「キギウ」と記載する。
耆舊(キキユウ/ヲキナ、フルシ)[平・○] 。〔態藝門834五〕
耆舊(ギキウ) 。〔弘・人倫門218一〕
このように、上記当代の古辞書においては、広本『節用集』・『運歩色葉集』・弘治二年本『節用集』に標記語「耆舊(旧)」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。いずれも語注記を未記載にしている。
607此_外耆(キ)旧ノ之諸僧 僧梵ニハ曰‖僧伽ト|。唐ニハ云∨衆ト。今略シテ称∨僧ト也。〔謙堂文庫蔵五四左H〕
とあって、標記語「耆舊」の語を収載し、語注記は未記載にする。
焼香(セフカウ)侍者(ジシヤ)書状(シヨジヤウ)請客(シンカ)湯藥(タウヤク)衣(イ)鉢等侍者此外耆舊(キキウ)之(ノ)諸僧(シヨソウ) 焼香シ書状認(シタヽム)ル事侍者(ジシヤ)ノ役(ヤク)也。又位ヲ付アガルヲ耆舊ト云フナリ。〔下32オ三・四〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)/此外耆舊之諸僧 耆ハ年老ひたる事也。舊ハふるきなじミなり。〔83オ八〜83ウ一〕
とあって、この標記語「耆舊」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつとう)の坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつしき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんぢう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなふ)山守(やまもり)木守(こもり)門(かど)守火鈴(りん)振(ふり)等(とう)也(なり)/此外。耆舊之諸僧。塔頭坊主旦過之僧。山主。庵主。沙彌。喝食。行者。参頭。副參。望參。供頭。堂司。庫司。炭頭。調菜人。工者。兄部。出納。山守。木守。門守。火鈴振等也▲耆舊之諸僧ハ老僧達(らうそうたち)といふ義也。耆ハ六十歳(さい)をいふ。〔60オ七、61オ三〕
此外(このほか)耆舊(ぎきう)之(の)諸僧(しよそう)塔頭(たつちう)坊主(ばうず)旦過(たんくハ)之(の)僧(そう)山主(さんしゆ)庵主(あんしゆ)沙彌(しやミ)喝食(かつじき)行者(あんじや)参頭(さんぢう)副參(ふさん)望參(ばうさん)供頭(ぐちう)堂司(だうす)庫司(くす)炭頭(たんちう)調菜人(てうさいにん)工者(くしや)兄部(このかうべ)出納(しゆつなう)山守(やまもり)木守(こもり)門守(かどもり)火鈴振(こりんふり)等(とう)也(なり)▲耆舊之諸僧ハ老僧達(らうそうたち)といふ義也。耆(ぎ)ハ六十歳をいふ。〔109オ四、109ウ三〕
き-きう〔名〕【耆舊】としより。老人。太平記、廿四、依二山門嗷訴一公卿僉議事趙世家「いかなる大刹の長老、大耆舊の人も、路次に行き逢ふ時は、膝を屈めて、地に跪き」〔0456-5〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「衣鉢」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「イフ」と異訓「エハツ」、文明四年本に「イフ」と記載する。
衣鉢(ヱ・キルハツ/イ・コロモ・スデニ、マヱ)[去・入] 祖庭事苑作二依鉢一。〔器財門702二〕
侍者(ジシヤ/サブライ、ヒト・モノ)[○・上] 即二長老左右ニ一也。肇ノ云巷已順テレ命ニ給二侍スル之一者。具二八法ヲ一云々。佛命二阿難ニ一為二侍者一云々。焼香侍者。又云二高待(タイ)侍者一長老方丈總奉行也。書状侍者或云二侍(ジ)壯ト一。記二頌録ヲ一官也。書札ノ官也。請(シン)客侍者又云二侍客(シカク)ト一接客官也。湯藥侍者。又云二侍藥ト一献レ茶官也。衣鉢(イフ)侍者。又云二侍衣(シエ)侍丈一道具奉行也。〔官位門919四〕
衣鉢 。〔弘・官位門007三〕〔永・官位門007三〕〔尭・官位門007三〕〔両・官位門007三〕
衣鉢 。〔言辞門007三〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「衣鉢」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
606衣鉢(イフ)侍者等 在‖式目四十ケ条ニ|也。衣裳ノ司也。會下ニハ納所役也。焼香以下ハ五人之侍者也。〔謙堂文庫蔵五四左G〕
とあって、標記語「衣鉢」の語を収載し、語注記は、「式目四十ケ条に在るなり。衣裳の司なり。會下には、納所の役なり」と記載する。
焼香(セフカウ)侍者(ジシヤ)書状(シヨジヤウ)請客(シンカ)湯藥(タウヤク)衣(イ)鉢等侍者此外耆舊(キキウ)之(ノ)諸僧(シヨソウ) 焼香シ書状認(シタヽム)ル事侍者(ジシヤ)ノ役(ヤク)也。又位ヲ付アガルヲ耆舊ト云フナリ。〔下32オ三・四〕
書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えはち)等の侍者/書状請客湯薬衣鉢等侍者 書状侍者ハ住持の書状徃來(やりとり)の時認(したゝむ)る役也。請客侍者とハ住持客人と應對(おうたい)する時側(そば)に附添てさし引する役也。湯薬侍者ハ住持食事(しよくし)の時通(かよ)ひなとする役なり。湯薬ハ陳皮(ちんひ)白朮(ひやくじゆつ)丁子(てうじ)胡椒(こせう)を細末(こ)にして湯に投(ほだし)て食後にすゝむる也。是によりて其役名とす。衣鉢侍者ハ住持の衣類其外身につく諸品をつかさとる役也。〔83オ五〜八〕
とあって、この標記語「衣鉢」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲衣鉢ハ衣服(いふく)鉄鉢(てつはち)等を司る役也。〔60オ三、60ウ六・七〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲衣鉢ハ衣服(いふく)鉄鉢(てつはち)等を司(つかさど)る役也。〔107ウ五、109オ二〕
‡Ifujixa.イハツジシャ(衣鉢侍者) →Yfujixa.〔邦訳332l〕
‡Yfujixa.イフジシャ(衣鉢侍者) →Yefat.〔邦訳822l〕
Yefat.エハツ(衣鉢) Coromo fachi.(衣鉢)衣と,坊主(Bonzos)が布施を入れてもらう鉢と.¶また,下級の坊主(Bonzos)のある階級で,別名をYfujixa(衣鉢侍者)と言う.〔邦訳816l〕
い-ハツ〔名〕【衣鉢】えはつ(衣鉢)を見よ。〔0201-3〕
え-ハツ〔名〕【衣鉢】〔謡曲、殺生石に、エハツとあり〕(一)佛教の徒の、釋迦より世世相傳へ來れりと云ふ、衣と鉢との稱。達磨大師、携へて梁に入り、慧可に傳ふと云ふ。傳燈録、「五祖弘忍、以二法寶及所レ傳袈裟一、付二與六祖盧慧能一、池州使君問二五祖一曰會中有二五百僧一、不レ付二衣鉢一、爲レ甚却付二與盧行者一、云云」(二)轉じて、宗教、學術の道など、すべて、師父より、子弟へ相傳ふること。邵氏見聞録「范質學二進士一、主司和凝愛二其才一、以二第十三一、登第、謂レ質曰、君文宜レ冠二多士一、屈居二十三者一、欲三君傳二老夫衣鉢一爾」〔0276-2〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ )衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「湯薬」と記載し、訓みは山田俊雄藏本に「タウヤ(ク)」、文明四年本に「タウヤク」と記載する。
湯薬 醫方部/タウヤク。〔黒川本・畳字門中009ウ七〕
湯沐 タウホク 〃治、〃薬。〔言辞門007三〕
侍者(ジシヤ/サブライ、ヒト・モノ)[○・上] 即二長老左右ニ一也。肇ノ云巷已順テレ命ニ給二侍スル之一者。具二八法ヲ一云々。佛命二阿難ニ一為二侍者一云々。焼香侍者。又云二高待(タイ)侍者一長老方丈總奉行也。書状侍者或云二侍(ジ)壯ト一。記二頌録ヲ一官也。書札ノ官也。請(シン)客侍者又云二侍客(シカク)ト一接客官也。湯藥侍者。又云二侍藥ト一献レ茶官也。衣鉢(イフ)侍者。又云二侍衣(シエ)侍丈一道具奉行也。〔官位門919四〕
湯薬(タウヤク)侍者(ジシヤ) 僧官。〔弘・人倫門099四〕
湯藥(タウヤ)侍者 。〔永・官名門92七〕
湯藥(タウヤ)侍者(ジシヤ) 。〔尭・官名門084七〕〔両・官名門102三〕
湯藥(タウヤ)侍者(ジシヤ) 。〔言辞門089六〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「湯薬」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、大いに異なっている。
605湯薬(タウヤク) 煮∨薬役者。〔謙堂文庫蔵五四左G〕
とあって、標記語「湯薬」の語を収載し、語注記は、「薬を煮する役の者」と記載する。
焼香(セフカウ)侍者(ジシヤ)書状(シヨジヤウ)請客(シンカ)湯藥(タウヤク)衣(イ)鉢等侍者此外耆舊(キキウ)之(ノ)諸僧(シヨソウ) 焼香シ書状認(シタヽム)ル事侍者(ジシヤ)ノ役(ヤク)也。又位ヲ付アガルヲ耆舊ト云フナリ。〔下32オ三・四〕
書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えはち)等の侍者/書状請客湯薬衣鉢等侍者 書状侍者ハ住持の書状徃來(やりとり)の時認(したゝむ)る役也。請客侍者とハ住持客人と應對(おうたい)する時側(そば)に附添てさし引する役也。湯薬侍者ハ住持食事(しよくし)の時通(かよ)ひなとする役なり。湯薬ハ陳皮(ちんひ)白朮(ひやくじゆつ)丁子(てうじ)胡椒(こせう)を細末(こ)にして湯に投(ほだし)て食後にすゝむる也。是によりて其役名とす。衣鉢侍者ハ住持の衣類其外身につく諸品をつかさとる役也。〔83オ五〜八〕
とあって、この標記語「湯薬」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲湯薬ハ薬を煎(せん)ずる役也。〔60オ三、60ウ六〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲湯薬ハ薬を煎(せん)する役也。〔107ウ五、109オ三〕
たう-やく〔名〕【湯藥】せんじぐすり(煎藥)に同じ。李密、陳情表「劉夙嬰疾病、常在床蓐、臣侍湯藥、未嘗廢離」(劉は、密の祖母」〔1198-3〕
書状(ジヤウ) 。〔元亀二年本311十〕〔静嘉堂本365一〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・建部傳内本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「書状」と記載し、訓みは文明四年本に「シヨシヤウ」と記載する。
書状(シヨジヤウ) ―札(サツ)。―籍(ジヤク)/―判(ハン)。―寫(シヤ)。〔言辞門214五〕
このように、上記当代の古辞書においては、『運歩色葉集』と易林本『節用集』に、標記語「書状」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。そして語注記は、両古辞書には掲載されていない。
603書状 書拵。〔謙堂文庫蔵五四左F〕
とあって、標記語「書状」の語を収載し、語注記は、「書き拵へ」と記載する。
焼香(セフカウ)侍者(ジシヤ)書状(シヨジヤウ)請客(シンカ)湯藥(タウヤク)衣(イ)鉢等侍者此外耆舊(キキウ)之(ノ)諸僧(シヨソウ) 焼香シ書状認(シタヽム)ル事侍者(ジシヤ)ノ役(ヤク)也。又位ヲ付アガルヲ耆舊ト云フナリ。〔下32オ三・四〕
書萸(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えはち)等の侍者/書状請客湯薬衣鉢等侍者 書状侍者ハ住持の書状徃來(やりとり)の時認(したゝむ)る役也。請客侍者とハ住持客人と應對(おうたい)する時側(そば)に附添てさし引する役也。湯薬侍者ハ住持食事(しよくし)の時通(かよ)ひなとする役なり。湯薬ハ陳皮(ちんひ)白朮(ひやくじゆつ)丁子(てうじ)胡椒(こせう)を細末(こ)にして湯に投(ほだし)て食後にすゝむる也。是によりて其役名とす。衣鉢侍者ハ住持の衣類其外身につく諸品をつかさとる役也。〔83オ五〜八〕
とあって、この標記語「書状」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲書状ハ書翰(しよかん)を認(したゝ)むる役右筆(いうひつ)也。〔60オ三、60ウ六〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲書状ハ書翰(しよかん)を認(したゝ)むる役右筆(いうひつ)也。〔107ウ五、109オ二〕
しょ-じゃう〔名〕【書萸】〔居家必用、注「演義曰、萸、貌也、以レ貌寫三情於二紙墨一也」〕略して、萸(ジヤウ)。てがみ。ふみ。書翰。書簡。書疏。保元物語、一、調伏事「兵、數多寄り、取りて、伏せて、是を搦め、本尊、并、左大臣の書萸、等、相、具して、率(ゐ)て參る」〔1014-4〕
これを現代の『日本国語大辞典』第二版に、標記語「しょ-じょう【書状】〔名〕@手紙。書簡。文書。A折紙に書かれた略式の訴状。B「しょじょうじししゃ(書状侍者)の略」」とあって、『庭訓徃來』でなく、江戸時代の注釈書『庭訓徃來抄』を以てこの語用例を記載する。
浴主(ヨクス) 司二風呂ヲ一禅家之官也。〔元亀二年本132六〕
浴主(ヨクス) 司ル二風呂ヲ一禅家之官。〔静嘉堂本139二〕
浴主(ヨクス) 禅家。〔天正十七年本中57ウ一〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭々首方前堂後堂両首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者〔至徳三年本〕
并知事方都寺監寺副寺維那典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記藏主知客浴主燒香侍者書状請客湯藥衣鉢等侍者〔宝徳三年本〕
知事方者都寺監寺副寺維那典座直歳都官都聞修造主堂主浄頭々主方者前堂後堂両首座書記蔵主知客焼香書状請客湯薬衣鉢等〔建部傳内本〕
并ニ知事方ニハ者都寺(ツウス)監(カン)寺維那(井ノ)副寺(フウス)典座(テンゾ)直歳(ジキスイ)都官(ツウクワン)都聞(ブン)修造主(サウス)堂主(タウス)浄頭(シンヂウ)頭(テウ)首方ニハ前堂後-堂ノ兩首-座書-記(キ)蔵-主知客(シカ)浴(ヨク)-主焼-香書-状請客(シンカ)湯薬(タウヤ)衣鉢(イフ)エハツイ等ノ侍-者〔山田俊雄藏本〕
并ニ知事方者都寺(ツウス)監寺副寺(フウス)維那(イノ)典座直歳(チキサイ)都管(ツウクワン)都聞(ツウフン)修造(シユサウ)主堂主(ドウシユ)浄頭(シンチウ)頭首(チウシユ)方ニハ前堂後堂ノ兩首座書記蔵主知客浴主焼香侍者書状侍者請客侍者湯薬侍者衣鉢侍者〔経覺筆本〕
并ニ知(チ)事方ニ者(ハ)。都寺(ツウス)。監寺(カンツ)。副寺(フウス)維那(イノ)。典座(テンソ)。直歳(シツスイ)。都聞(ツウウン)。修造主(シユサウス)。堂主(タウス)。浄頭(ジンチウ)。頭首(テウシユ)方ニハ者{フシン直行}。前-堂。後-堂ノ兩-首座(シユソ)書-記。蔵-主。知客(シカ)。浴主(ヨクス)。焼-香侍者。書状(シヨシヤウ)請客(シンカ)。湯薬(タウヤク)。衣鉢(イフ)等ノ侍者。〔文明四年本〕
と見え、至徳三年本・宝徳三年本・山田俊雄藏本・経覺筆本・文明四年本の古写本には「浴主」と記載し、建部傳内本は脱語。訓みは山田俊雄藏本に「ヨク(ス)」、文明四年本に「ヨクス」と記載する。
浴主(ヨクス/アラウ・ユアフル、ヌシ)[入・上去] 又云二知浴ト一。下官ノ人也。〔官位門315八〕
浴主(ヨクス) 僧官。〔弘・人倫門91一〕
浴主(ヨクス) 。〔永・人倫門87六〕〔両・人倫門95五〕
浴司(ス) 。〔弘・言語進退門94八〕
浴主(ヨクス) 在僧家。〔人倫門085五〕
このように、上記当代の古辞書においては、標記語「浴主」の語を以て収載し、これを、古写本『庭訓徃來』及び、下記真字本が収載しているのである。但し、広本『節用集』の語注記は、異なっている。
601蔵主知客(シカ)浴主(ヨクス) 風呂役者。〔謙堂文庫蔵五四左F〕
とあって、標記語「浴主」の語を収載し、語注記は、「風呂の役の者」と記載する。
浴主(ヨクス)ハ風呂(フロ)奉行(ぶげう)ナリ。〔下31ウ六〕
浴主(ざうす)/浴主 風呂(フロ)奉行なり。〔83オ四〕
とあって、この標記語「浴主」の語をもって収載し、語注記は上記の如く記載する。これを頭書訓読『庭訓徃來精注鈔』『庭訓徃來講釈』には、
并(ならび)に知事(ちじ)方(かた)ニハ都寺(つうす)監寺(かんす)副守(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくハん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがた)に前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)の兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(いの)知客(ちか)焼香(しやうくわう)の侍者(ぢしや)書?(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とう)の侍者(ぢしや)/并ニ知事方ニハ都寺監寺副寺浴主典座直歳都管都聞修造主堂主浄頭頭首方前堂後堂兩首座書記蔵主維那知客焼香ノ侍者書状請客湯薬衣鉢等侍者▲浴主ハ風呂(フロ)奉行(ぶぎやう)なり。〔60オ三、60ウ五〕
并(ならびに)知事(ちじ)方(かたにハ)都寺(つうす)監寺(かんす)副寺(ふす)浴主(よくす)典座(てんそ)直歳(ぢきさい)都管(つうくわん)都聞(つうぶん)修造主(しゆざうす)堂主(だうす)浄頭(じんちう)頭首方(てうしゆがたに)者(ハ)前堂(ぜんだう)後堂(ごだう)兩首座(りやうしゆそ)書記(しよき)蔵主(ざうす)維那(ゐの)知客(ちか)焼香(せうかうの)侍者(ぢしや)書状(しよじやう)請客(しんか)湯藥(たうやく)衣鉢(えふ)等(とうの)侍者(ぢしや)▲浴主ハ風呂(フロ)奉行(ぶぎやう)なり。〔107ウ五、108ウ六〕
Yocusu.ヨクス(浴主) 僧院や寺院において,浴場の世話に当たる者.〔邦訳824r〕
よく-す〔名〕【浴主】禪家にて、浴室をつかさどる役僧。知浴。易林本節用集(慶長)上、人倫門「浴主、ヨクス、在二僧家一」庭訓往來、十月「禪家者、堂頭和尚、東堂西堂、云云、浴主」〔2083-5〕
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