2005.04.14〜2006.01.07更新
2005年度「国語史」講義の歩み
本日の講義内容及び事務連絡
後期講義の補講は、行いません。ただ、このHPを通してリポート作成に必要な内容及び事柄を伝達します。触れておかねばと思ったことを最後にまとめてみますので、是非お読み願います。
江戸時代の国語教育の状況をふまえ、日本語の歴史としてどのような特徴が見出せるかを考えます。
この筋の先行研究としましては、石川謙・石川松太郎編『日本教科書大系 往来編』〔講談社、1967.05〜1977.03刊〕や山田忠雄先生編『国語史学の爲に 第一部 往来物』〔笠間書院、1986.05刊〕橘豊編『書簡作法の研究』〔風間書房、正(1977.01)・続(1985.01)刊〕が主なる往来研究書を茲に揚げてみました。これに、江戸国語資料を研究した松村明先生の論文資料(書物)等がございますので、これらをお読みになると、その時代の日本語教育の状況が把握できるでしょう。そして、往来資料そのものをご自身が見ていくことで、具体的な往来文字資料と旨く重なり合う事象内容に近づければ、今回のレポートは見事仕上がることでしょう。
かく言う、私自身書物にはまだまとめてはいませんが、文字句の研究の立場から、本学研究紀要のなかで、眞福寺藏『罧玉集』を頂点として国立国会図書館藏『小野篁哥字盡』及び東京都立中央図書館藏『續小野篁哥字盡』の漢字句集を取り上げて来ています。まだ、凡てをまとめるには聊か時間を懸けて検討していくものでもありますが、ご参考まで……。
冬季課題、提出日は1月13日(金)までです。リポートは5枚くらいをめどにし、これに図絵や資料( しに赴いた先(図書館・博物館)での図版など)を別に添付して提出しましょう。遅れて出す場合は、その旨をご連絡願います。
江戸東京博物館にて來年度に催し予定である「江戸の学び-教育爆発の時代-」展 平成18年 2月18日(土)〜平成18年3月26日(日)に先立ち、「江戸の教育資料・往来物について」まとめてみましょう。その参考資料としては、「往来物関連資料HP・リンク集」をご参照願います。
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夏季課題、提出日は9月末日までです。リポートは5枚くらいをめどにし、これに図絵や資料(調査赴いた先(図書館・博物館)での図版など)を別に添付して提出しましょう。遅れて出す場合は、必ずの旨をご連絡願います。
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2005.04.15(金)講義内容
ガイダンスとして、紀田順一郎著『日本の書物』〔新潮社・新潮文庫・ちくま文庫・著作集に収載〕をテキストデータ化した資料を基に、日本語の主なる資料を主軸として、その日本語の特徴点を捉えながら一年間講義していきます。最初に世界的に翻譯されている『古事記』を読むことにします。
古代⇒「吾と汝と天の下」「日本神話の独創性」「原稿用紙六十枚の原典」
2005.04.22(金)講義内容
古代⇒「古雅なリズム感」「激しい慕情表現」「最古の写本は御物」
『万葉集』か『萬葉集』か?「万葉仮名」という文字に迫る
※参考資料 大野晉著『上代仮名文字遣の研究』〔岩波書店刊〕
2005.05.06(金)講義内容(休講)
2005.05.13(金)講義内容
近世⇒「日本化した民話」「長いものには巻れろ」「女は邪路に入りやすし」
2005.05.20(金)講義内容
中世⇒「恩賞の基準」「早いのが取り柄」「皇室の御物となる」
2005.05.27(金)講義内容(休講)
2005.06.03(金)講義内容
中世⇒「悟法の境地」「永遠の古仏の道」「水に月のやどる……」
2005.06.10(金)講義内容
中世⇒「卑小なる死」「中世の開幕」「合意の作り話」
2005.06.17(金)講義内容
中世⇒「秋はかなしき」「日本人の好みの抒情」「宮内庁に最古の写本」
2005.06.24(金)講義内容 休講
2005.07.01(金)講義内容
中世⇒「人生の“星の時”」「生臭い人間のドラマ」「めくら法師の台本」
2005.07.08(金)講義内容
中世⇒「牛若丸像の裏に」「大の弁慶あやまった」「紅涙をしぼる切腹場面」
2005.07.15(金)講義内容
中世⇒「水に流せぬ話」「人間性の無気味さ」「盲瞽女が原作者」
2005.07.21(金)補講1の講義内容
30、 『徒然草』乱世の孤独
中世⇒「久米仙人傳説」「生臭坊主への転身」「みごとな筆跡の写本」
2005.07.21(金)補講2の講義内容
中世⇒「四畳半の庵の中で」「孤独な偏屈者」「二十三枚の証言」
2005.09.16(金)の講義内容
古代⇒「目をそらさぬ神経」「紫式部も卒倒か」「完揃いのない写本」
2005.09.30(金)の講義内容
5、『日本霊異記』古譚の宝庫
古代⇒「応報即決主義」「描ける女に欲を生ず」「手すさびが国宝に」
2005.10.07(金)の講義内容
古代⇒「首塚の怨念」「造反將軍の興亡を描く」「雄壮な軍記文学の第一号」
2005.10.14(金)の講義内容
古代⇒「もう一つの『伊勢物語』」「胸しめつけられる叙情」「女心に灯火を……」
2005.10.21(金)の講義内容
古代⇒「瀬戸の海賊におびえて」「死児の齢をかぞえて」「かな文学の模範」
2005.10.28(金)の講義内容
古代⇒「“君が代”の起源」「生きとし生けるもの」「三百年後の後継者」
2005.11.11(金)の講義内容(休講→学会出張)
2005.11.18(金)の講義内容(休講→文献(卒業研究)高野山調査出張)
※12月に補講を予定しています。
2005.11.25(金)の講義内容
―光源氏は年金受給者・落ちにくい女・宮内庁にある完本―
2005.12.02(金)の講義内容
近世⇒ 亡霊との対決 怪異文学の極限 禅とオカルト
2005.12.09(金)の講義内容
67、 『東海道中膝栗毛』男の解放地
近世⇒「明治版の弥次喜多」「二百文の女を求めて」「続編ふくめて二十一年」
2005.12.16(金)の講義内容
近世⇒「熱湯好きの日本人」「裸になれば人間平等」「戯作者の商魂」
補講に替えて
2006.01.06(金)の講義内容
近世⇒「三十年かけての刊行」「人と熊のみ冬ごもり」「一念のこもった書物」
雪の多い年始めです。江戸時代の雪と暮らす人々の智慧の結晶です。どうぞ、現代で も学び得ることは数多知れずの世界です。
時の流れは、まさに「光陰矢の如し」。もっと数多くの資料に触れたいと思うのは私だけでしょうか。まだまだ読んでおきたい資料を紹介できずではありますが、これから少しずつご自分で日本語の歴史資料に近づく機会がここから始まれば幸いです。一年間ありがとう!
止め