駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  128101 / 国際関係論
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  水曜日 4時限
 単位数  4
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  三船 恵美(ミフネ エミ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 〈趣旨及び概要〉
国際関係の基本的な概念や理論、現代国際関係の枠組み、国際関係における諸課題などについて学び、専門知識と理解を深めましょう。
〈授業形態〉
講義 ※授業終了前にc-learningで理解チェックの小テストを行います。
〈履修に際して〉
(1)PPTスライドの撮影禁止。ノートをとるスキルを身につけましょう。
(2)朝or昼開講のこの講義は、政治学科に向けては「国際・地域研究コース」「現代社会と政治コース」の「選択必修②発展」科目として開講されています。政治学科の発展的な科目であることを強く意識して国際関係論の専門性を掘り下げながら試験を行います。国際関係論の専門性について心配する法律学科の学生には、法律学科のみを対象とした夜開講の「国際関係論」を履修することを勧めます。
 到達目標(ねらい) 〈学位授与の方針・教育課程の編成方針との関連性〉
法学部のディプロマ・ポリシーのうち特にDP3とDP5に関連しています。
〈学生の達成目標〉
(1)受講生が国際関係の主な見方を体系的にとらえられるようになること。
(2)受講生が現代の国際関係の基本的な概念や視角を理解すること。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 イントロダクション
準備学習
(予習・復習等)
事後学習:復習しましょう。 60分
第 2 回
授業の計画・内容 国際関係の分析レベル
準備学習
(予習・復習等)
【事前学習】教科書序章を読みましょう。
【事後学習】復習しましょう。授業を欠席した学生はブルース・ラセットの『世界政治の分析手法』(論創社、2002年)、ケネス ウォルツ『人間・国家・戦争:国際政治の3つのイメージ』(勁草書房、2013年)を読みましょう(以下、準備学習で示す参考書は、駒澤大学の図書館で利用すればいいのであって、購入する必要はありません。駒澤大学の図書館をおおいに利用しましょう)。
90分
第 3 回
授業の計画・内容 国家の主権と領域
準備学習
(予習・復習等)
教科書第4章を読みましょう。 90分
第 4 回
授業の計画・内容 パワーと国益
準備学習
(予習・復習等)
ジョセフ・S・ナイ『ソフト・パワー:21世紀国際政治を制する見えざる力』(日本経済新聞社、2004年)。アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』 草思社、2002年。また、また、 Christopher Walkerが2017年12月に全米民主主義基金(National Endowment for Democracy)のサイトに掲載した“Sharp Power: Rising Authoritarian Influence”も読んでみましょう。
 財務省のwebsite http://www.zaisei.mof.go.jp/game/yosansinario/ にアクセスして、「任務」達成のゲームにチャレンジしてみましょう。
90分
第 5 回
授業の計画・内容 レジームとしての国際安全保障体制:集団的安全保障モデル、集団防衛モデル、協調安全保障モデル、共通の安全保障モデル
準備学習
(予習・復習等)
日本の安全保障にとっての最適モデルについて考えてみましょう。 90分
第 6 回
授業の計画・内容 同盟と日本の安全保障
準備学習
(予習・復習等)
吉次公介『日米同盟はいかにつくられたか』(講談社選書メチエ)、吉次公介『日米安保体制史』(岩波新書)。伊勢崎賢治『主権なき平和国家:地位協定の国際比較からみる日本の姿』(集英社、 2017年)。 90分
第 7 回
授業の計画・内容 「集団安全保障機構としての国連」の役割と限界
準備学習
(予習・復習等)
マーク・マゾワー『国際協調の先駆者たち:理想と現実の200年』(NTT出版、2015年)、マーク・マゾワー『国連と帝国:世界秩序をめぐる攻防の20世紀』(慶應義塾大学出版会、2015年)。 90分
第 8 回
授業の計画・内容 国連平和維持活動(PKO)
準備学習
(予習・復習等)
篠田英朗『平和構築入門:その思想を問い直す』(ちくま新書、2013年)や布施祐仁『日報隠蔽:南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(集英社、2018年)。 90分
第 9 回
授業の計画・内容 「人道的介入」と「人道的支援」
準備学習
(予習・復習等)
【事前学習】以下のDVDを観ておくとイメージがわきやすいでしょう。
◇ソマリアのモガディシュの戦闘を扱った映画『ブラック・ホーク・ダウンBlack Hawk Down(2001年)』
◇ルワンダ虐殺を扱った映画『ホテル・ルワンダ Hotel Rwanda(2004年)』
◇スレブニツァの虐殺を扱った映画『U.N.エージェント(原題:Résolution 819(2011年)』
90分
第 10 回
授業の計画・内容 調整&復習
準備学習
(予習・復習等)
復習しましょう。 90分
第 11 回
授業の計画・内容 原爆の開発と拡散
準備学習
(予習・復習等)
『オッペンハイマー』(中公新書、1995年)などを読み、「原爆の父」はなぜ水爆開発に反対したのかを考えてみましょう。 90分
第 12 回
授業の計画・内容 軍備管理・軍縮・核不拡散・抑止
準備学習
(予習・復習等)
スコット・ケーガン&ケネス・ウォルツ『核兵器の拡散:終わりなき論争』(勁草書房、2017年)。トーマス・シェリング『軍備と影響力:核兵器と駆け引きの論理』(勁草書房、2018年)。 90分
第 13 回
授業の計画・内容 イランとアメリカ
準備学習
(予習・復習等)
高橋和夫『イランvsトランプ』(ワニブックスPLUS新書、2019年。 90分
第 14 回
授業の計画・内容 原爆について考える
準備学習
(予習・復習等)
『ヒロシマ・ナガサキ』(White Light/Black Rain: The Destruction of Hiroshima and Nagasaki、2007年)を観ましょう。日系3世のスティーブン・オカザキ監督が広島と長崎への原爆投下をテーマに25年の歳月をかけて完成させたドキュメンタリー映画です。 90分
第 15 回
授業の計画・内容 課題授業:マキアヴェリ『君主論』、ホッブズ『リヴァイアサン』、ツキディデス『戦史』、クラウゼヴィッツ『戦争論』を読みましょう。
準備学習
(予習・復習等)
課題授業に取り組みましょう。 180分
第 16 回
授業の計画・内容 ジョセフ・S.ナイ、ジュニア,デイヴィッド・A. ウェルチ、『国際紛争:理論と歴史(原書第10版)』(有斐閣、2017年)、グレアム・アリソン『米中戦争前夜:新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』(ダイヤモンド社、2017年)を読みましょう。
準備学習
(予習・復習等)
課題授業に取り組みましょう。 180分
第 17 回
授業の計画・内容 前期の復習
準備学習
(予習・復習等)
復習しましょう。 90分
第 18 回
授業の計画・内容 システムとしての国際安全保障体制(1)勢力均衡モデル
準備学習
(予習・復習等)
モーゲンソー『国際政治:権力と平和』(上下巻:岩波文庫、もしくはⅠ〜Ⅲ巻:福村出版)。 90分
第 19 回
授業の計画・内容 システムとしての国際安全保障体制(2)覇権モデル
準備学習
(予習・復習等)
ケネス・ウォルツ『国際政治の理論』(勁草書房、2010年)。 90分
第 20 回
授業の計画・内容 ミアシャイマーの「攻撃的リアリズム」vs.ウォルツの「構造的リアリズム」
準備学習
(予習・復習等)
ジョン・J・ミアシャイマー『大国政治の悲劇 完全版』(五月書房新社、2017年) 90分
第 21 回
授業の計画・内容 英国学派と国際社会論
準備学習
(予習・復習等)
ヘドリー・ブル『国際社会論:アナーキカル・ソサイエティ』(岩波書店、2000年)。マーティン・ワイト『国際理論:三つの伝統』(日本経済評論社、2007年)。バターフィールド&ワイト編『国際関係理論の探究』(日本経済評論社、2010年)。バリー・ ブザン『英国学派入門』(日本経済評論社、2017年)。 90分
第 22 回
授業の計画・内容 アナーキーな世界における協調:
(1)国際関係論におけるリベラリズムとは?
(2)社会学的リベラリズムと安全保障の共同体
(3)市場リベラリズムと相互依存論
準備学習
(予習・復習等)
ロバート・O. コヘイン、ジョセフ・S. ナイ『パワーと相互依存』(ミネルヴァ書房、2012年)。 90分
第 23 回
授業の計画・内容 アナーキーな世界における協調:
(4)制度的リベラリズムと国際レジーム論
(5)共和制リベラリズムとデモクラティック・ピース論
準備学習
(予習・復習等)
鈴木基史『グローバル・ガバナンス論講義』(東京大学出版会、2017年)、ブルース・ラセット『パクス・デモクラティア』(東京大学出版会、1996年)。 90分
第 24 回
授業の計画・内容 構造主義:従属論と世界システム論
準備学習
(予習・復習等)
川北稔『ウォーラーステイン』(講談社選書メチエ、2001年)、イマニュエル・ウォーラーステイン『入門・世界システム論』(藤原書店、2006年)。
日本外務省のwebsite:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/press/event/page22_001008.htmlにアクセスし、外務省ODA担当官になりきって架空の国「ポコポコ共和国」に支援を行うODAシミュレーションゲーム「ODAマンのあなたもODA」で遊んでみてください。
90分
第 25 回
授業の計画・内容 社会構成主義(コンストラクティヴィズム)
準備学習
(予習・復習等)
図書館などで、大矢根聡編『コンストラクティヴィズムの国際関係論』(有斐閣、2012年)。 90分
第 26 回
授業の計画・内容 調整&復習
準備学習
(予習・復習等)
復習しましょう。 90分
第 27 回
授業の計画・内容 国際政治と国際経済
準備学習
(予習・復習等)
ダニ・ロドリック『貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する』白水社、2019年。ダニ・ロドリック『グローバリゼーション・パラドクス:世界経済の未来を決める三つの道』白水社、2014年。 90分
第 28 回
授業の計画・内容 国際政治と資源
準備学習
(予習・復習等)
教科書第8章を読んできましょう。
紛争ダイヤモンドのイメージをつかむために、映画『ブラッド・ダイヤモンド』を観てみましょう。
90分
第 29 回
授業の計画・内容 非伝統的安全保障
準備学習
(予習・復習等)
【事前学習】映画『スノーデン』(オリバーストーン監督)を観て、現在の安全保障とサイバー問題について考えてきましょう。
【事後学習】以下などを図書館で読んでみましょう。山田敏弘『ゼロデイ:米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋、2017年)。伊東寛『サイバー戦争論:ナショナルセキュリティの現在』(原書房、2016年)。
90分
第 30 回
授業の計画・内容 総括
準備学習
(予習・復習等)
復習しましょう。 90分
 履修上の留意点等 (1)講義スライドはプリントやPDFなどで配布しないので、注意しましょう。
(2)第2回目以降、授業で使用する配布物はYeStudyにアップしますので、各自で印刷してきてください。教場で配布する資料は当該授業中に教場でしか配布しません。
(3)一部の人だけを「特別扱い」しません。欠席する場合、授業内容は各自の責任で補って下さい(=[事前学習]と[事後学習]にとりくみ、講義に出席しなかった内容を勉強しておくことを求めます)。成績評価は全ての学生に対して公平に行います。
(4)YeStudyの前期掲示物は、7月授業最終日までにダウンロードを済ませておいてください。7月最終授業直後に、前期分の掲示を削除し、後期配布物を掲示し始めます。
 成績評価の方法
90 % 試験
レポート
10 % 小テスト
平常点




単位修得には、原則として授業時間数の3分の2以上に出席している必要があります。c-learning受験回数が3分の2未満の学生には単位を原則として認定しません。
※ ICTによる小テストについては、授業内の指定時間内における受験のみを成績評価の対象にします。欠席者に代替課題を出すことはしません。講義への出席を前提にしています。
※ 定期試験では直筆ノートのみ参照可。印刷物を貼り付けたノートの参照禁止。試験会場でのルーズリーフの参照は禁止(カンニング防止のため)。
 教科書/テキスト
書籍名 米中露パワーシフトと日本
著者名 三船恵美 出版年 2017年 価格 2,800円
出版社 勁草書房 ISBN 978-4-326-30255-0
備考
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
・今井宏平『国際政治理論の射程と限界』中央大学出版部、2017年。
・滝田賢治・大芝亮・都留康子編『国際関係学(第2版)』有信堂、2017年。
・長谷川雄一・金子芳樹編『現代の国際政治(第4版)』ミネルヴァ書房、2019年。
・吉川直人・野口和彦編『国際関係理論 第2版』勁草書房、2015年。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について パワポのスライド切り替えが早いとの声があったので気をつけます。その一方で、他の学生が書き終わってからメモをとり始める学生もいます。そのような学生には、学生側の授業態度にも改善が求められます。
 関連リンク レジュメはYeStudyで掲示します。小テストはc-learningで行う予定です。
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目