駒澤大学 シラバス照会

 履修コード/科目名称  211111 / 応用倫理学
 開講年度・期  2020年 通年  開講曜日・時限  火曜日 4時限
 単位数  4
 付記  ◎予・〔倫理学〕
 主担当教員氏名(カナ)  麻生 享志(アサオ タカシ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要 講義を通じて、応用倫理学の概説を伝える。
ただし、英米流の「生命倫理・環境倫理」だけを扱うのでは、「応用倫理学」としては、範囲が狭すぎる、と思われる。
また、応用倫理の範囲を逸脱しても、日本語で考察された倫理を知る事は大学レベルでの倫理学履修に不可欠と考えられ、可能な範囲で積極的に基礎的知識に触れていきたい。
初日はガイダンスとし、定時に開始し、資料を配布して履修に関する質問を受け付ける。この時に配布する資料は履修に絶対に必要であり、(開講初日でなくても)何らかの方法で必ず入手するように。
 到達目標(ねらい) はばひろく応用倫理学の知識にふれる。(この科目は文学部の学位授与の方針DP2と深く関連している。)
講義にとりあげた話題について、「自身と無縁な問題ではなく、真摯に取り組むべきもの」として、深く考える。
倫理学に関連する書物を読む。倫理に関する自身の見解を、論理的で説得的な仕方で文章表現する。
 授業スケジュール
第 1 回
授業の計画・内容 ガイダンス、応用倫理学とは何か
準備学習
(予習・復習等)
特になし。(復習)ガイダンス資料の熟読理解 60分
第 2 回
授業の計画・内容 応用倫理学の導入(続)、応用倫理学の分類
準備学習
(予習・復習等)
前期レポートの準備等。準備学習の詳細については、第2回講義中において解説予定。本シラバスの「履修上の留意点」項も参照。 60分
第 3 回
授業の計画・内容 現代応用倫理学の守備範囲
準備学習
(予習・復習等)
前期レポートの準備を継続。消費時間は目安に過ぎず、実際の執筆および推敲に入れば十数時間以上を要すると思われる。 60分
第 4 回
授業の計画・内容 生命倫理学入門(死を見据える生命倫理、尊厳死ほか)
準備学習
(予習・復習等)
次回講義のアウトラインが示された場合、講義キーワードについて初歩的知識を欠いていたならば、インターネット検索等による情報収集等。 60分
第 5 回
授業の計画・内容 臓器移植への途としての脳死「問題」
準備学習
(予習・復習等)
試験や講義内課題で自身が論じたいテーマとなるような、強い関心を覚えるテーマについては、専門書を自身で文献探索して精読する、等。 60分
第 6 回
授業の計画・内容 日本民俗学が脳死議論に参与できること
準備学習
(予習・復習等)
(参考図書)五来重『石の宗教』他 60分
第 7 回
授業の計画・内容 「COE死生学」の使命と理念
準備学習
(予習・復習等)
麻生COE誌論文、たばこの害とQOL論の精読等。 60分
第 8 回
授業の計画・内容 医療資源の経済学(薬剤の流通の視点、たばこを白い目で視る、ほか)
準備学習
(予習・復習等)
(参考図書)池上&キャンベル『日本の医療』(中公新書) 60分
第 9 回
授業の計画・内容 池上・キャンベル著『日本の医療』の世界
準備学習
(予習・復習等)
前回に同じ。 60分
第 10 回
授業の計画・内容 人工妊娠中絶(男女産み分け・代理母も一瞥しつつ)
準備学習
(予習・復習等)
(参考図書の一例)玉井編『はじめて出会う生命倫理』(有斐閣アルマ)等。 60分
第 11 回
授業の計画・内容 男女産み分け
準備学習
(予習・復習等)
前回に同じ。 60分
第 12 回
授業の計画・内容 代理母
準備学習
(予習・復習等)
前回に同じ。 60分
第 13 回
授業の計画・内容 『それをお金で買いますか』?
準備学習
(予習・復習等)
M.サンデル『それをお金で買いますか?』 60分
第 14 回
授業の計画・内容 日本の倫理学の歩み
準備学習
(予習・復習等)
夏期レポート課題の詳細内容が発表されたら、文献入手と精読等、レポート執筆の準備等。 60分
第 15 回
授業の計画・内容 江戸時代の儒教と倫理
準備学習
(予習・復習等)
レポート準備の継続、前期レポートと同様に示した時間は目安であり、実際の執筆には夏期休暇課題にふさわしい長大な準備時間を要すると思われる。誤字脱字等も厳しく減点材料とするので、必ず事前にプリントアウトしたものを再三にチェックし、完璧に修正して提出するように。 60分
第 16 回
授業の計画・内容 明治時代の倫理学説
準備学習
(予習・復習等)
夏期レポート提出後は、本シラバス授業計画第4回~第5回に示したような準備学習に励む。 60分
第 17 回
授業の計画・内容 環境倫理概説
準備学習
(予習・復習等)
(参考図書の一例)加藤尚武『応用倫理学のすすめ』等。 60分
第 18 回
授業の計画・内容 ゴミ問題、夢見る夢の島へ
準備学習
(予習・復習等)
前回に同じ。 60分
第 19 回
授業の計画・内容 絶滅の”危惧”?
準備学習
(予習・復習等)
前回に同じ。 60分
第 20 回
授業の計画・内容 世代間責任の倫理
準備学習
(予習・復習等)
ハンス・ヨナスの思想について自己学習等。 60分
第 21 回
授業の計画・内容 成長の限界説考察
準備学習
(予習・復習等)
広井良典、高橋洋児等の諸著に触れる。 60分
第 22 回
授業の計画・内容 第三の応用倫理概説(現代社会論、情報時代ほか)
準備学習
(予習・復習等)
(参考図書として挙げたもの、講義時に触れた著書---応用倫理にほとんど触れない書物でも可---、については、少なくとも一冊以上を通読、二冊以上を手にする、といった自主的取組が望ましい。) 60分
第 23 回
授業の計画・内容 居住福祉論と建築の哲学
準備学習
(予習・復習等)
早川和男『居住福祉』(岩波新書) 60分
第 24 回
授業の計画・内容 W.モリス『ユートピアだより』のユートピア
準備学習
(予習・復習等)
モリス『ユートピアだより』(岩波文庫) 60分
第 25 回
授業の計画・内容 労働の倫理、ブラック企業を問う
準備学習
(予習・復習等)
竹内靖雄等の諸著。 60分
第 26 回
授業の計画・内容 企業倫理とコンプライアンス
準備学習
(予習・復習等)
前回に同じ。 60分
第 27 回
授業の計画・内容 厚生経済学の思想
準備学習
(予習・復習等)
森嶋通夫『思想としての近代経済学』(岩波新書) 60分
第 28 回
授業の計画・内容 大衆民主主義と保守思想の現在
準備学習
(予習・復習等)
西部邁『思想の英雄たち』(文春文庫) 60分
第 29 回
授業の計画・内容 ロールズ、現代型の社会契約、コミュニタリアニズム、リバタリアニズム
準備学習
(予習・復習等)
サンデル『これからの正義の話をしよう』(ハヤカワ文庫) 60分
第 30 回
授業の計画・内容 講義のまとめ、今を生きる倫理「学」
準備学習
(予習・復習等)
特になし。ただし定期試験の準備。 60分
 履修上の留意点等 最低限の常識的なルールを守ってもらい、あとは、自主的な意思に応じて講義に接してほしい。講義中の話題については、知識の収集を心がけるだけでなく、それ以上に「自分の頭で、自分の大切な問題として、とことん考え詰める」事が必要となる。自分で検討し、疑い、考えるべき事がたくさんある。そのように考えるために、自分で本を読んだり、調べたりという作業が加わると思われる。意欲ある取り組みと、徹底的に自身の頭で考え抜くという姿勢を求める。
 成績評価の方法
25 % 試験
25 % レポート
小テスト
50 % 平常点




成績は、平常点、前・後期試験および5月連休明け提出レポートおよび夏休み明け提出のレポートを合算して評価する。特に、2度の試験と2度のレポート提出の4条件を満たさない場合、単位は出ない。(上記の配点比率は、概数であり目安。)留学等に関しては積極的に対応し、半期での成績評価にもすすんで応じる。
 教科書/テキスト
未定、他にレポート作成のための課題図書を2冊程度指定する予定。
 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索
今のところ予定していない。
講義の聴講に必要な参照物は、原則的には配布する予定。
 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について 講義内でコメントする予定であり、誠意ある見解で採るべきと思われたものは次年度以降に反映させる。
 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目
 アクティブラーニング型の授業科目