初代学部長・佐々木吉郎先生の所蔵書をいただきました

佐々木吉郎先生(1897-1970)は明治大学のご出身で,明治大学経営学部の初代学部長,札幌大学学長を務められたのち,駒澤大学経営学部の初代学部長に就任されましたが,1年と少しで亡くなられました。

佐々木先生は,ドイツ経営経済学の学説史研究でその名を広く知られています。今回,約50年にわたり明治大学の故高橋俊夫先生が保管してくださった図書のうち,国内図書館に所蔵のない貴重書を中心にご寄贈いただきました。今後本学図書館に配架される予定です。関係のみなさまに御礼申し上げます。

(上)グーテンベルクの『経営経済学理論の対象としての企業』(1929)

ドイツの経営学は数度の「パラダイム論争」を経て経営経済学として成立します。グーテンベルク(1897-1984)は,第二次世界大戦後にミクロ経済学の立場を受け入れることによって経営を生産諸要素の結合過程としてとらえることを主張しました。この主張が経営経済学を貨幣数量によって現象を把握する実証志向へと導いたと言われています。

(下)テイラーの『科学的管理法の原則』(1911)

アメリカの経営学は,20世紀初頭に体系的な観察と知識を適用しようとする工場管理の手法から生まれました。例えば,今日多くの職場でもみられる「マニュアル」のルーツはテイラーにあります。ご寄贈いただいた『科学的管理法の原則』は1923年の発行。コピーもない時代,洋書相手に勉強された若き佐々木先生のメモ書きが残っています。この二冊は資料室で保管予定です。

(H.O.)