経営学的視点による放送局の実像 ~元・テレビ東京 鍋谷氏登壇~

2023年7月4日の現代マネジメントⅠは、元・テレビ東京ホールディングス内部監査室専門委員 鍋谷 操一 氏にご登壇いただき、「経営学的視点による放送局の実像」のタイトルでお話しいただきました。

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知っているようで知らないのはテレビ局の世界。鍋谷氏は、同社の営業局、編成局、経営戦略局、テレビ東京コマーシャルなど様々な部門で活躍されました。

テレビ局に入社すると番組制作に携わったり営業をすることがあります。有名なグループや芸能人をヒットさせた仕掛け人との仕事のご経験や、ご自身のテレビ出演など、意外な一面をお話しくださいました。

そして、全体的な業界構造と動向をお話されました。新聞社と放送局の系列を歴史的な経緯をお話された後、業務の流れが紹介されました。特に、現在では、世帯視聴率に加え新たな個人視聴率(ALL)も活用するようになったこと、配信ビジネスが登場してきたことが業界の大きな変化として見られます。このようななかで、デジタル関係の人材はますます重要になり、今後さらにIT企業化が進むという点が説明されました。

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学生からは、「脱テレビ化の流れに各局はどう対処しているのか?」、「テレビ東京はなぜアニメが多いのか?」などといった質問があがりました。鍋谷氏は、どの局も戦略的にオンデマンド配信を行っているが、局によってはコンテンツとは別の領域の新規事業を立ち上げている場合もあると話します。各局のスタンスは異なるので、他の局が収益を上げづらいと判断されたアニメーション放映をテレビ東京が行うことで、大人向けの経済番組と子ども向けのアニメ番組の放映というビジネスモデルを成立させた、と鍋谷氏は説明されました。経営学を通して疑問に回答する場面がいくつもありました。

授業の最後に、鍋谷氏は「テレビ局の仕事のすばらしさは、『どんな人にも会えること』」と仕事の醍醐味を語りました。

学生からは、「何気なく見てる番組の裏側を知ることができた」「他の会社との連携であったり人との関わりがとても大切なのだ」といった感想があがりました。

どうもありがとうございました。

(H.O.)