第36回出雲駅伝、出雲市陸協記録会 選手インタビュー
第36回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が10月14日(月)、出雲大社正門鳥居前(勢溜)から出雲ドームを結ぶ6区間計45.1キロで行われた。3連覇に挑んだ駒大は、先頭が目まぐるしく変わる接戦の末、2位でゴール。準優勝を果たしたが、選手は悔しげな表情を浮かべ、来たる全日本でのリベンジを誓った。レース直後には2024年度第4回出雲市陸協記録会(もうひとつの出雲駅伝)が行われた。駒大からは本戦に補員として登録されていた金谷紘大(政4)、谷中晴(経1)がそれぞれ出場し、谷中が自己ベストを大きく上回るタイムで優勝。3連覇を果たした。
今回は、出雲駅伝で1~5区を走った選手、記録会で優勝した谷中晴のインタビューを紹介。インタビューは以下の通り。
※島子公佑、谷中晴のインタビューは帰京後に実施しました。
第36回出雲駅伝
◆1区 桑田駿介(経1)
ーー今日の調子は
「調子自体は悪くなかったが、走ってみると暑さもあって、ラストもしっかりと勝負しきれなかった」
ーー初めての駅伝を振り返って
「プレッシャーなど色々あったが、そういった中でもしっかりと走っていかないといけないなと思う」
ーー全日本、箱根に向けて
「ずっと課題であるラストスパートのかけ方や、攻めるところで攻めきれないところがある。そういったところを自分なりに考えてやっていきたいと思う」
◆2区 帰山侑大(現3)
ーー今日の調子は
「上り調子で、いつも通りにできた」
一一試合前、意識して取り組んだことはあるか
「前回の日体大記録会の 5000m(9月29日)で良い刺激をもらったので、そのイメージを持ったまま走ることをやってきた」
一一レース前に監督やコーチから言われていたこと
「暑いので水分補給をしっかりして暑さに負けないようにすることと、ラスト 2キロから上げることを言われていた」
一一個人として立てていたレースプランは
「前を追う展開になったので、とにかく前を追うことだけを考えて走った」
一一試合を振り返って
「自分が走ったときは太陽が出ていて暑かった。暑さが得意ではないので苦しいかなと思ったが、ラストで上げることができた。区間賞には全然届かなかったが、なんとかつなぐことができた」
一一暑い中でのレースだったが
「スタート前からずっと暑かったので、後半苦しくなるだろうと思っていた。そのため少し余裕を持って入り、ラストで逃げることができた」
ーーチームとしての駅伝を振り返って
「自分がもう少し貯金を稼いで前に出ていれば、篠原(倖太朗、地4)さんに楽をさせてあげられていたかなと思う。優勝を狙ってたので、実力不足だった」
ーー全日本、箱根に向けて
「ここで悔しい思いをしたからこそ立て直し、全日本、箱根では優勝したい」
◆3区 山川拓馬(営3)
一一今日の調子は
「自分の中では、ある程度の走りができたと思っている。だが、ラストで黒田(朝日、青学大)くんと勝負になった時、最後の200mくらいで刺されてしまい、結局2位でタスキを渡してしまったことか1番よくなかった。1位で渡せたはずなのに、最後に勝負できず2位だったので、もう少し頑張れたところはあると思う」
一一箱根からレースに出られない日々が続いたが、取り組みを変えてやってきたことは
「(身体の左右の)バランスが悪いので、そのバランスを矯正するために日本コンデイショニング協会の先生のところへ行って、色々とフィジカル面の指導をしていただいている。ある程度バランスは取れてきたが、まだ途中の段階なので、徐々にもっともっと強くなっていければと思う」
一一夏には自己ベストも出ていたが
「なんとも言えない。そこまでタイムが良かったわけでもないので、ある程度、まずまずだなという感じだった」
ーーレースプランは
「何位できても、自分が見える範囲でくれたら 1位で渡すと決めていた。ある程度順位を上げられたことはよかったが、2位で渡したことはよくなかった」
一一事前アンケートでは希望区間に3区をあげていたが、希望区間を走るにあたって、特別な思いはあったか
「去年、ヴィクター(キムタイ、城西大)に負けたので、今年は絶対に勝ちたかった。(23分)42秒で来るとは思わなかったが、それでも10秒差をつけられてしまったことに、まだまだ弱さを感じた」
ーー3区を担ったことで、期待感や責任感は感じていたか
「3区を走るからには、1区、2区で何があってもいいように3区でやらなくてはいけないと思っていた」
一一レース前に監督やコーチから言われていたこと
「『留学生らとの勝負では、23分台での争いになることは確実』と言われていたので、そこでどのように勝負して勝つかというレースプランを考えていた。勝負していかなければ今年は勝てないと思っていたので、そこは気持ちを持っていたが、留学生に負けてしまったことは自分のよくなかったところ」
一一前日の記者会見で藤田敦史監督(47)が「黒田朝日(青学大)と勝負してほしくて山川を起用した」と言っていたが
「その点も、藤田監督から言われていた。戦うしかない中で、渡す時には負けたがタイムでは勝てたので、今回しっかりと勝負してタイムの面で勝てたのはよかったと思う」
一一順位を押し上げる形になったが
「3区はエース区間と言われている。その3区で自分がゲームを変えなければどうすることもできないので、そこはあらかじめ覚悟をもっていた。その通りの走りができてよかった」
ーーチーム全体としての今大会振り返って
「カバーしきれなかったというところが一番。チーム競技なので、人任せにしてしまうのは一番よくない。一人一人が全員を支える気持ちで走っていかなければと思った。特に自分達の学年はカギになる代だと思うので、もっともっと強くならなければと感じた」
一一全日本、箱根に向けて
「これ以上負けを作りたくないので、もう負けないように。今回何がダメだったか改めて案を出すなど、絶対に次へつなぎ、同じミスはしないようにして次は絶対勝てるようにしたい」
◆4区 伊藤蒼唯(政3)
ーー今日の調子は
「うまくいけたと思っている」
一一地元である出雲を走ることになったが
「2大会目ということもあり、もう少しうまく走れるかと思った。先頭に立ててよかったが、あまりしっくりこなかった」
一ー全体的なレースを振り返って
「うまくいったところは、それはそれで良かった。自分の力不足が出て、差を広げられなかったところが後続にうまくつなげられなかった」
ーー全日本、箱根に向けて
「今回負けて、気持ち的にも落ちている部分はあると思う。もう1回立て直して3週間後、うまく巻き返せればいいかなと思う」
◆5区 島子公佑(営2)
ーーレース当日の調子は
「特別調子が良いわけでもなく、いつも通りだった」
ーー三大駅伝初出走だったが
「今までのレースで1番楽しかった。先頭を走ることができて、チームのみなさんに感謝している」
ーーレースプランは
「思い切って走り、先頭で渡す努力をする」
ーーアップダウンの多い区間だったが
「アップダウンが生かしきれなかったなと感じた。もう少しコース分析をして、経験値を上げたいと思った」
――レース前に監督やコーチから言われていたこと
「初の大学駅伝、思い切って行けと伝えられていた。『ある程度のペースでいかないと勝てない』とも言われた」
ーーレースを振り返って
「去年は、寮で見ているだけだった。チームとして篠原キャプテンに重圧をかけてしまい、最終的に負けてはしまったが、各個人とチームの状態を確認することができ、自分自身は去年と比べると素晴らしい経験ができた。ライバル校の選手と比べればまだまだ弱いことを感じられたし、今後の駅伝を走る上でイメージができやすくなったので、次はもっといい走りができるという自信のようなものができた」
ーー青学大、国学大と先頭を争うレースとなったが
「出雲は近戦になると考えていたので、イメージトレーニングはしていた。自分が1番実力がなかったので後ろにつく形にはなってしまったが、できる限り粘ることができた。今後は1人でも走れるように自力をつけたいと感じた」
ーー初めての駅伝だったが、何か収穫はあったか
「収穫だらけだった。がらっと考え方が変わり、生活も変わっていきそう」
ーー今後の目標
「個人レースではチームの士気を上げられる走り。駅伝では攻めの走りで、ただつなぐだけではなく、自分の走りで確信を持たせられるような走りがしたい」
ーー事前取材の中で「1度成功体験を味わえばそこからは調子がいい」と話していたが、全日本に向けては
「出雲は成功体験ではなかったが、自分で勝ち取った5区だったので、全日本でも出走を勝ち取り、目立つ走りができるように頑張っていく」
もうひとつの出雲駅伝
◆谷中晴
ーーレース当日の調子は
「良かったと思う」
ーー大学初レースだったが、レース前の心境は
「しばらくレースから遠ざかっていたので、いくら練習を継続していても、自信だけがなかった」
ーーレースプランは
「とにかく勝ち切って、アピールする」
ーーレース前に監督やコーチから言われたこと
「4000メートルまでは集団で力を温存し、残り2周で勝負して勝ち切るように言われていた」
ーーレースを振り返って
「指示通りのいいレースができたと思う」
ーー自己ベストを大幅に更新したが
「夏合宿など、必死で練習に取り組んだことが形になったのだと思った」
ーー優勝したが
「素直にうれしかった」
ーー大学に入って初めての駅伝を現地で見届けたが、収穫はあったか
「悔しかった。次こそは出走して、チームの力になりたいと感じた」
ーー全日本・箱根に向けて
「練習を継続してさらに力をつけ、チームの優勝に貢献したい」