第7回学生シンポジウムに経営学部から12チームが参加(後編)

 11月19日(土)実施の学生シンポジウム、本日は後編の村山ゼミ(企業と社会)⑦、中野ゼミ3チーム(マーケティング・コミュニケーション論)、鹿嶋ゼミ(経営労務論)2チームの発表の様子をお伝えします。


村山ゼミ
【研究テーマ】三軒茶屋のカフェを対象に大学生集客の支援

 新型コロナウイルスの感染拡大は、飲食業界に大きな打撃を与えている。私たちは大学付近でカフェ激戦区と呼ばれるこの地に大学生が多く訪れることで、地域の活性化になると考えた。
その結果、三軒茶屋のカフェにフォーカスを当て大学生の集客支援プロジェクトをするに至った。参加者:樋口・稲船・小松崎・福原

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【参加学生の感想】

 当日はポスター参加になりましたが、多くの質問や発表に関する感想が届き、大変嬉しく思いました。「三軒茶屋がカフェ激戦区であることを知らなかった」との声を多く頂いたので、周知出来た点でも嬉しく思いました。調査結果から、大学生がカフェを選ぶ際に非常に高い確率でSNSを利用している事が明らかになりました。これからインフルエンサーを通した広告活動や店舗の公式アカウントを利用したマーケティングに注力する事で、地域を代表する話題店になり得ると強く感じました。


中野ゼミ1班
【研究テーマ】インタラクティブデジタルサイネージを使った新しい購買方法

 近年、アパレル商品をオンライン店舗で購入する消費者が増えてきている。しかし、オンライン店舗での購入は、サイズ感や品質等によって購入前のイメージと不一致(知覚リスク)が起こりやすく、購入に失敗する場合がある。また、知覚リスクによる失敗経験を防ぐために実物の確認できるリアル店舗で購入しようとしても、店員の接客への抵抗感などからリアル店舗を避けてしまう場合もある。リアル店舗とオンライン店舗の両方に利点があるため、それらの融合が可能となれば、より良い購買体験につながるのではないか。その中でOMOという概念に着目した。OMOの取り組みの1つにデジタルサイネージがある。その中でも私たちはインタラクティブ・デジタルサイネージを取り上げた。これを消費者の操作に合わせてカスタマイズされた様々な情報を提示するデジタルサイネージと定義する。1番の特徴として、双方向に情報を提示できるという点がある。インタラクティブ・デジタルサイネージは、スタッフのスナップやAIカメラを使っておすすめ商品を提案できたりする。そこで、私たちはアパレル店舗内でのインタラクティブなデジタルサイネージの使用が消費者の購買行動へ与える影響を明らかにすることを研究目的とする。

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【参加学生の感想】

・自分も服が好きなので、とても身近に感じ興味を持ちやすかった。カメラで自分が着ているように映し出す意見は取り入れてみても面白いんじゃないかなと感じた。
・アパレルについて話していて、身近な内容だったので議論もしやすく、実際にデジタルサイネージが店舗にあったら使ってみたくなりました。
・インタラクティブサイネージにあまり馴染みが無かったので面白いと感じました。リアルとオンラインにまたがった消費行動は自分もするし、二つの融合目指すという視点も納得でした。
・OMO という名前を初めてきいた。自分も店頭で在庫がなくて購入を諦めた経験や店員か らの声かけが煩わしいと思った経験があったのでインタラクティブデジタルサイネージは 素晴らしいシステムだと思った。


中野ゼミ2班
【研究テーマ】サブスクのキュレーション型とチョイス型における心理的要因の影響の違い

 サブスクには多くの種類が有り、私たちはプロなどがオススメのモノを選んでくれるキュレーション型と自分でモノを選ぶチョイス型に注目した。そのサブスクの利用を促すにはサービスへの愛着などの心理的要因が影響しているのではないかと考えた。
 そしてキュレーション型とチョイス型では心理的要因に差があるのではないかと考え、現在では先行研究などを使いながら仮説を考え、今後調査、分析を行っていく。

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【参加学生の感想】

 他大学や他学部との発表を通して学生との交流を深めることができ、それぞれの発表テーマもとても興味深い発表で勉強になりました。また、他のゼミから班の中では分からなかった点やさまざまな意見を聞くことができてとてもよかったと思います。


中野ゼミ3班
【研究テーマ】オンラインショッピングにおける、情報過負荷によって生じる混乱の低減

 消費者のあらゆる購買意思決定は混乱状況下で行われている。班員の体験談として、オンラインで商品を選択・購入する際に商品の情報が多いために混乱してしまうということが挙げられた。このような現象を情報過負荷という。このような情報過負荷は選択の正確性の低下や購買意思決定の回避といった負の影響を引き起こすことが明らかとなっている。先行研究より、情報過負荷による消費者の混乱を低減する方法として包括的判断が挙げられている。消費者に包括的判断を誘発するプロセスとして、無意識的思考がある。無意識的思考は妨害タスクの遂行時に生じる。妨害タスクをオンラインショッピング上に応用するために、なるべく自然に応用可能なものとして企業アンケートを候補に挙げる。これらのプロセスは、オンライン上で取り入れた事例がほとんどない。これらより、我々の研究目的を、オンラインショッピングで生じる情報過負荷による消費者の混乱について、無意識的思考を誘発すると混乱が低減されるのかを明らかにするとした。

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【参加学生の感想】

 議論による他ゼミの学生からの意見は新鮮な視点のものが多く、とても有意義な時間を過ごすことができました。今回得たことを今後の研究活動に是非活かしたいと思います。


鹿嶋ゼミ1班
【研究テーマ】中小企業のテレワークの有効性について

 新型コロナウイルス感染拡大により、各企業でテレワークの導入が進んだ。しかし、大企業と中小企業のテレワーク導入率を比較すると、後者はまだまだ進んでいないことがわかった。私たちはこの点に注目し、メリットを挙げ、通勤時間の短縮をはじめとした、ワークライフバランスの実現をし、離職率の低下、優秀な人材の確保を図ることができることを説明した。なぜテレワーク導入が進まないのか、又、テレワーク導入時のデメリットも分析をし、改善策を提案した。就活生や転職希望者が企業を選定する条件としてテレワークを実施しているか否かの重要性は高まっている。今後、テレワーク未実施の企業、特に中小企業、地方企業は事業継続などの経営面で課題に直面する恐れがあると考えられる。これらを踏まえ、中小企業のテレワークの有効性を検討していく。

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【参加学生の感想】

・今回は、自分たちで研究テーマを定め、メリット、デメリットなどを挙げ有効性について説明した。その中で、それぞれのメリット、デメリットを確たるものにするために、根拠となる情報を集めた。こういった努力があればあるほど発表は説得力が上がっていくが、それ自体の難しさを身をもって経験し、学ぶことができた。・他の学部の生徒と意見を交換することで、自分とは異なる考え方を知ることができました。また、お互いの考え方を否定するのではなく、考え合うことの重要性を知ることができました。
・他学部に加え、他大学との交流ができ、自身とは異なる意見や考え方に触れ、とても刺激的でした。今回の経験を活かし、今後も他者との交流を大切にし、自身の成長に繋げたいと感じました。
・普段行っているゼミの内容を踏まえ、他学部・他大学の学生と交流することで今までになかった新たな視点を持つことができました。質疑応答からは違った角度からの意見もあり、さまざま面から物事を考えることの大切さを改めて理解することができました。


鹿嶋ゼミ2班
【研究テーマ】派遣労働者の待遇改善

 現在、正規労働者と非正規労働者の割合はおよそ1:1になっているが、非正規労働者の方の実態としては正規労働者に劣る部分が多い。例えば、低賃金や不安定な雇用の他、能力アップの機会が少ないなど、問題が挙げられる。そこで私たちは、非正規労働者の中の派遣労働者に焦点を当て、研究を行った。
 最初は派遣労働者の種類について説明を行う。用語について理解を深めたところで、派遣労働者が置かれている不遇な立場について解説する。労働者派遣法3年ルールのメリット、デメリットについて述べ、なぜ企業は派遣労働者を好むのか、また法律の問題点について考察を行う。国内の最近の事象としてコロナ禍で派遣社員はどのような影響を受けたのか、2020年の働き方改革で導入された「同一労働同一賃金」の導入により何が変わったのかについても考察する。
 他国との比較として、派遣労働に2年の期限を設けたドイツについても検討した。ドイツではこれを一旦廃止したが、格差が広がったため18ヶ月に短縮したうえで復活しており、3年ルールの必要性を思わせるものとなっている。

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【参加学生の感想】

・他学部の発表を通じて、専門知識と意見を交え、異なる考え方の重要性を知り、物事を考える上で様々な観点から思考する大切さを知りました。
・普段なかなか聞くことのできない他学部の研究発表を聞いて、様々な刺激を受けました。自分たちと同じようなテーマに違うアプローチで取り組んでいて、新たな発見がたくさんありました。
・なかなかゼミ間で交流を行うことはないので、とても貴重な時間でした。他ゼミの研究テーマや研究方法には興味を引くものが多く、私の研究に対するモチベーションが上がりました。
・交流の機会が少ない他学部の学生と研究発表を行い、意見を交わすという貴重な経験ができました。普段とは違う環境や考え方を知ることができ、これからの研究へ活かしていきたいです。


(H.K)