卒業生が語るアントレプレナーの実像 ~タメニー会長佐藤氏が講義~

10月6日のベンチャー企業論Bでは、1997年に経営学部を卒業した佐藤茂氏を招聘して講義をいただきました。

231006venture1.JPG

佐藤氏といえば、2006年に株式会社パートナーエージェント(現:タメニー株式会社)を創業し、2015年に上場させた創業経営者です。

タメニーは婚活事業ウェディング事業「スマ婚」やフォトウェディングなどをてがけています。政策的にも重要な企業です。

「アントレプレナー(創業経営者)の実像」をタイトルとした本講義では、佐藤氏は現在までの経緯を詳しくお話しくださいました。

231006venture2.JPG

今回は高校受験の頃からのお話をいただきました。学校に行く意味を見出せなくなった時に「なぜ高校に通っているか」を問われた佐藤氏。漠然と「社長になってお金持ちになりたい」と思わず答えました。

駒澤大学に入学して出会った2人の友人と夢を語ります。様々な事業アイディアを実践しつつ営業バイトを行います。この過程で、当時起業したばかりのオプト(現:デジタルホールディングス)にアルバイトとして参加。卒業後そのままオプトに入社します。当時小さなベンチャー企業であったオプトに入社することで、企業の成長過程を経験し多くのことを学んでいきました。

次の職場として、就活を行い結婚相談所のマーケティング受託を行うようになります。テイクアンドギヴ・ニーズに入社後、同社の婚活事業の事業計画に携わりパートナーエージェントを創業。そのまま同社の社長になりました。18か月後にMBOを行い、7年で東証マザーズに上場することになります。この上場は業界としては最短での上場です。

17歳の時に「社長になってお金持ちになりたい」といった佐藤氏はふりかえる30代が大事であったといいます。そして「20代に何を学び、30代でどう発揮するかで決まる」と佐藤氏は語ります。このことは受講生にとって大事なアドバイスでした。

講義の最後に、起業についての考え方を話します。たとえば3,000万円借りて給与50万円で事業をやってみたとすれば、5年間は事業できる。そして、利益ゼロであったとしても、5年の営業経験ができて、30年で月々8.3万円の返済となり、決して高いハードルではないということです。

日本だけ起業活動の元気がないといわれます。日本で経営者が生まれていくことはとても大事なことです。佐藤氏は、「社会が元気になる事業を生み出して、社員が幸せになるような経営者になっていただきたい。ぜひ起業にチャレンジしていただきたい」と私たちに激励の言葉をかけました。

講義の後、受講生からは、「具体的にはどんなビジョンを持っていたのか教えていただきたい」、「独立して仕事をするために一番必要なことは何でしょうか」、「事業を立て直すときに一番最初にとりかかったのは何なのか教えていただきたい」など、質問が相次ぎました。佐藤氏は丁寧に一つ一つ回答していきましたが、残念なことにすべての質問に回答する前に時間終了となりました。

231006venture3.JPG

授業終了後、「起業のハードルは高いと思っていたが、話を聞いて少し挑戦したくなった」、「ウェディング事業の価格が稼働率に関係していることがわかった」、「20代の過ごし方が大切だと思う。大学で過ごす時間を大切にして有意義に過ごしたい」などといった感想がありました。

活躍する卒業生は大学の宝です。

貴重なお話をいただき、どうもありがとうございました。

(H.O.)