卓球部

DATE:2023.07.24卓球部

インカレ団体 8年ぶりのベスト8進出!

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息の合った木村・白山ペア(撮影:澁谷海衣)
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ベスト8進出を決めた白山(撮影:伊東俊翔)
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ベスト8進出を決めた駒大(撮影:澁谷海衣)
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日本代表・宇田と対戦する白山(撮影:伊東俊翔)

第92回全日本大学総合卓球選手権大会・団体の部(以下:インカレ)が7月13日から16日にかけて横浜武道館で行われた。全国から48の強豪校が参加し、今年も白熱した大会となった。結果は以下の通り。

予選リーグ第1試合 対広島修道大
駒大3-0広島修道大
【1】 白山 遼 ○3-0● 松井 蓮
【2】 管 琉乃介 ○3-0● 茶山 悠人
【3】 木村 飛翔・白山 遼 ○3-0● 茶山 悠人・中野 友貴

初戦の相手は広島修道大。1番手の白山遼(経3)は1セットも落とすことなくストレートで勝利。2番手には春季・関東学生リーグで1年生ながら大活躍した管琉乃介(経1)が出場し、圧倒的な力でインカレ初勝利を収めた。続く3番手は関東学生選手権にてダブルス3位入賞を果たした木村飛翔(商3)・白山ペアで、こちらも危なげなくストレートで勝利を飾った。

予選リーグ第2試合 対福岡大
駒大3-0福岡大
【1】 加藤 渉 ○3-0● 熊本 流己
【2】 清野 晃大 ○3-0● 守田 優翔
【3】 木村 飛翔・白山 遼 ○3-0● 熊本 流己・濱田 佳基

第2試合の相手は強豪・福岡大。一昨年のインカレではベスト4の成績を収めている。1番手には加藤渉(経2)が出場し、超高速レシーブで相手を寄せ付けず1ゲーム目を取る。しかし2ゲーム目からは相手のYGサーブに苦戦し、試合の流れを奪われ2ゲームを連続で落とす。後がない加藤だったが持ち前の粘り強さで形勢を立て直し、大逆転で勝利を収めた。続く2番手の清野晃大(経4)もパワーのあるスマッシュで相手を寄せ付けず、危なげなく勝利。3番手の木村・白山ペアも試合中に笑顔を見せながら戦術について話し合い、プレーの修正をして勝利を収めた。駒大は予選リーグを2戦全勝で1位通過し、決勝トーナメント出場を決めた。

決勝トーナメント1回戦 対高知工科大
駒大3-1高知工科大
【1】 白山 遼 ○3-1● 景山 拓海
【2】 清野 晃大 ○3-0● 阪 拓海
【3】 木村 飛翔・白山 遼 ●2-3○ 景山 拓海・岡野 鉄平
【4】 木村 飛翔 ○3-1● 岡野 鉄平

決勝トーナメント1回戦目の相手は高知工科大。1番手の白山、2番手の清野ともに勝利を収めた。しかし3番手のダブルスはフルゲームにもつれ込む激戦に。最終第5セット目も10-10のデュースとなるが10-12で負け、今大会初黒星となった。その後4番手で木村がダブルスの悔しさを晴らす1勝を挙げ、3-1で駒大が勝利。

決勝トーナメント2回戦 対関西学院大
駒大3-2関西学院大
【1】 清野 晃大 ●2-3○ 藤木 大輔
【2】 加藤 渉 ○3-1● 佐藤 匠海
【3】 木村 飛翔・白山 遼 ●0-3○ 吉田 勝紀・大野 聖弥
【4】 白山 遼 ○3-2● 三浦 竜磨
【5】 木村 飛翔 ○3-2● 大野 聖弥

決勝トーナメント2回戦(ベスト8決定戦)の相手は前回大会と同カードの関西学院大。昨年度は1-3で駒大のベスト8進出を拒まれた、まさに因縁の相手だ。関西学院大は関西地方では屈指の強さを誇り、今年の春季・関西学生リーグ1部でも優勝を飾っている。
1番手の清野は序盤から1セットを取るなど出だしは順調だったが、第4セットでマッチポイントを握った際タイムアウトを取るも勝ち切ることができず、そのまま流れを奪われ敗北。その後2番手の加藤が勝利し、3番手のダブルスへと良い流れでバトンタッチ。しかし3番手のダブルスで木村・白山ペアが相手の強打に翻弄されストレートで敗北。
後がない駒大、残る4番手・5番手は時間の都合上2台進行で行われ、白山と木村が隣の台で同時にシングルスを戦うことになった。どちらかが負けた瞬間その時点でチームの敗北が決まるという過酷な状況の中で、仲良しカットマンペアが並んで相手に立ち向かった。2人とも相手と互角の戦いを続け、2試合ともフルセットまでもつれこんだ。先に決着をつけたのは木村で、関西学院大のエース大野を撃破し会場全体が大盛り上がりを見せた。そして迎えた白山のマッチポイント。最後は白山の持ち味である強烈なカットで相手の返球を許さず、劇的な大逆転で昨年度のリベンジを果たし、駒大はベスト8進出を決めた。

決勝トーナメント3回戦 対明治大
駒大1-3明治大
【1】 加藤 渉 ●0-3○ 宮川 昌大
【2】 白山 遼 ●0-3○ 宇田 幸矢
【3】 木村 飛翔・白山 遼 ○3-2● 宇田 幸矢・松田 歩真
【4】 木村 飛翔 ●1-3○ 飯村 悠太

準々決勝の相手は今大会で2連覇を目指す、言わずと知れた日本トップの強豪校の明大。特に注目すべきは今大会に出場している日本代表の宇田幸矢で、シングルスの世界ランキングは最高19位、戸上隼輔(明大)と組むダブルスでは世界ランキング1位を今年の3月まで54週間維持し続けた。
1番手に出場したのは加藤で、相手は先日の関東学生選手権のシングルスで優勝した宮川だ。序盤から相手に厳しいコースへの強打を決められ、加藤も必死に応戦するも格上相手にストレートで敗北した。
続く2番手には白山が出場し、日本代表・宇田との直接対決に挑んだ。白山の強烈なカットが効き、リードする場面もあったが試合が進むにつれて徐々に攻略されてしまい、ストレートで敗北。
3番手の木村・白山ペアはこの逆境を力に宇田・松田ペアに対し果敢に立ち向かい、お互いの持ち味を存分に引き立てるプレーをした。ベンチメンバーをはじめ2階席から応援していた部員やマネージャー、さらに家族の声援に後押しされるように得点を重ねていき、セットカウント2-2で迎えた最終ゲーム。意地を見せるプレーで相手を寄せ付けず、価値のある大きな1勝を掴んだ。
4番手の木村は粘りを見せるも相手の猛攻は止まらず敗北し、駒大は1-3で明大に敗れた。最終順位6位でインカレを終え、前回大会のベスト16を大きく上回る結果となった。

長﨑隆志監督

――ベスト8進出について
「まず、選手が本当に頑張ってくれたなと思う。組み合わせもよかったが、そこを勝ち切るには『力』がなくてはならない。そういった意味でもこの結果は選手やチームに『力』がついてきた証拠だと考える。関西学院大に勝った瞬間の選手や関係者の表情がすべてを物語っており、みんなで青春の1ページを作れたのだと思う」

――関西学院大に雪辱を果たせた要因
「大きく3つある。1つ目は春リーグに続きベンチワークが良かったこと。キャプテン尾中の抜群のコミュニケーションで選手が伸び伸びとプレーできていた。他にも試合前の円陣で1年生の管や下村に声出しをしてもらったことで、チームとしての気持ちを1つにして試合に臨めた。2つ目は選手層が厚くなったこと。レギュラーで出場していてもおかしくない管が控えにいたことで、ハプニングがあってもチームとして余力があり、余裕をもってオーダーを組めた。3つ目は後半に出た木村と白山の精神力。苦しい場面だったが、2人が諦めず最後の1本までボールを追い続けたことで勝利を掴めたと思う」

――明治大との対戦について良かった点と課題
「良かった点は、日本代表がいるペアにもやり方によっては勝てると証明できたこと。課題は、こうでなければ点が取れないのだという思い込みが強かったこと。今後は戦う中で、相手の表情やプレーのわずかなズレから隙を見つけて、そこを突いていく洞察力を磨いていきたい」

――今後の目標について
「秋季・関東学生リーグの1部で、上位6チームを崩すこと。各チーム高いレベルの戦力を有しているが、総力戦で上位6チームから勝ち星を2つあげたい」

木村飛翔・白山遼ペア

――今大会を振り返って
木村「大会前から最低でもベスト8に入ろうと決めていて、予選も上手く上がることができて、尾中主将のくじ運も良かったのでチャンスをモノにできた。これは昨年から成長した部分だし、この結果を秋季・関東学生リーグにも生かしていきたい」
白山「少しずつ段階を踏めていると感じる。いい流れで来ているので、この流れのまま今後の大会にも繋げていきたい。自分たちが先陣を切って、後輩が着いて来てくれると良い。まずは自分たちのやるべきことをやる」

――明治大戦にて日本代表を擁するダブルスに勝てた要因
木村「きっかけとしては、セットカウント1-2の第4セットで1-6か1-7になった時に良いラリーができ、気持ちが楽になり負けてもいいから楽しもうと思えたこと」
白山「少しずつ相手を崩していき、相手のペアの1人を攻めることで自分たちのラバーや表ラバーの変化に引っかかってくれたこと。世界で戦っている選手に対してもカットや、自分の武器であるナックルカットが効いたため自信につながった」

――今後の目標と、2人にとっては最後となる来年のインカレの目標
木村「団体としては秋季・関東学生リーグの1部でAクラス入りを果たし、4年生に良い思いをして卒業してほしい。シングルスは全日学でランク入りして昨年の悔しさを晴らし、ダブルスでもランク入りを目指したい。インカレは大学タイ記録のベスト4、さらにはもう1つ上に入りたい。メンバーは揃っているのでこの調子で頑張りたい」
白山「シングルスは全日学で昨年のリベンジを果たしたい。まずはやるべきことをしっかりやって、本戦でランク入りを目指す。ダブルスもこのままの流れでランク入りを果たしたい。長﨑監督やマネージャーさんにいつもお世話になっているので、いい結果で恩返しできるようにメンバーと協力して秋季・関東学生リーグで1部Aクラス入りを果たしたい。インカレでは今回の結果を越えられるように頑張っていきたい」

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インタビューに応じた白山と木村(撮影:若山穂乃佳)

尾中翔英(営4)主将

――ベスト8進出について
「8年ぶりということもあって素直にベスト8に入れて嬉しい。メンバーを見ても上を狙えるチームだったので、あとは信じるだけだった。長﨑監督や試合に出てくれた選手、応援に来てくれた選手、マネージャー、そして保護者のみなさんに感謝の気持ちでいっぱい」

――関西学院大と対戦すると決まった時のチームの雰囲気
「昨年のリベンジを果たしたいと私自身強く思ったし、選手みんなも今年こそはという雰囲気になり、一段と気が引き締まった。勝利したときは安心した気持ちと本当にありがとうという思いだけだった。長﨑監督も隣で安心した表情をしていて嬉しかった」

――チームの今後の目標
「秋季・関東学生リーグで1部Aクラス入りを果たすこと。春季リーグ2部優勝、インカレでベスト8と非常に流れがよく、このままの流れで目標を達成したいと思う。そのためにも今のチームの良さをしっかりとキャプテンの自分が引き出してあげたい。そして最後に、4年生みんなで長﨑監督に良い形で恩返しをしたいと思う」

執筆者:伊東俊翔

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