卓球部

DATE:2023.11.09卓球部

木村・白山ペア、悲願の全日学ランク入り!

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ランク入りを果たした白山と木村(撮影:伊東俊翔)

第89回全日本大学総合卓球選手権・個人の部(以下:全日学)が10月26日から28日にかけていしかわ総合スポーツセンター(石川県)にて行われた。全日学は全国の熾烈な予選を勝ち上がった学生個人のトップを決める、日本最高峰の大会だ。シングルスでベスト16、ダブルスでベスト8に入ると全日学ランカーとしてその名誉が揺るがないものとなる。

Tリーガーをはじめとするプロ選手が多く出場するなか、駒大からはダブルスに関東予選を通過した清野晃大(経4)・加藤渉(経2)ペア、管琉乃介(経1)・丹羽良(商1)ペア、関東学生卓球連盟の推薦により木村飛翔(商3)・白山遼(経3)ペアの計3ペアが出場した。試合結果、インタビューは以下の通り。

※シングルスについては別記事に記載

管琉乃介・丹羽良ペア

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初出場を果たした1年生の管・丹羽ペア
4、長﨑監督話し合う丹羽と管
タイムアウト中に長﨑監督と話し合う丹羽と管

男子ダブルス
1回戦 管琉乃介・丹羽良 3-2 宮本・村田(京都産大)
2回戦 管琉乃介・丹羽良 0-3 長門・向山(埼工大)

今大会初出場となる管・丹羽のルーキーペアは入学直後から関東学生新人戦で3位入賞を果たすなど、実力あるペアだ。全日学デビュー戦となった1回戦、序盤からリードされる展開となったが冷静にプレーを続け、フルセットの激闘を制し全日学初勝利を収めた。

続く2回戦、第1・第2セットを連続で取られ後がなくなる。運命の第3セット、管と丹羽の強烈なフォアハンドが効きデュースとなるもあと1歩のところで取られ、悔しい2回戦敗退となった。しかし1年生ながら厳しい予選を通過し、この大舞台で勝利を収めたことは並大抵のことではない。今後の活躍にさらに期待がかかる。

清野晃大・加藤渉ペア

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今大会で見納めとなった清野・加藤ペア
3、加藤に声をかける清野
加藤を気遣う優しい先輩・清野

男子ダブルス
1回戦 清野晃大・加藤渉 3-0 伊藤・名古屋(札幌大)
2回戦 清野晃大・加藤渉 3-0 大久保・田口(新潟大)
3回戦 清野晃大・加藤渉 3-2 髙澤・渡辺(國學大)
ランク決定戦 清野晃大・加藤渉 2-3 坂田・青山(中大)

関東学生秋季リーグでも活躍した清野・加藤ペアが全日学の舞台にも登場。清野は今回が現役最後の大会となり、最後の勇姿に注目が集まっていた。1回戦・2回戦と余裕の貫録勝ちを見せ3回戦へ。

3回戦では序盤にリードし第1セットを奪うも、途中からリズムを崩され第3セットを終えて1-2の後がない窮地に立たされる。しかし試合中に清野が加藤に何度も声をかけて先述を修正し、見事大逆転で強豪・國學大のペアを下してランク決定戦へと進んだ。

迎えたランク決定戦、相手は中大の坂田・青山ペアだ。序盤からリードを続け2-0で勝利が目前となったが無念の逆転負けを喫し、ベスト16で今大会を終えた。

木村飛翔・白山遼ペア

男子ダブルス
2回戦 木村飛翔・白山遼 3-0 入江・池田(東北福大)
3回戦 木村飛翔・白山遼 3-0 藤木・清水(佛教大)
ランク決定戦 木村飛翔・白山遼 3-1 前出・道廣(中大)
準々決勝 木村飛翔・白山遼 0-3 小林・伊藤(日大)

2回戦からは駒大のエース、木村・白山ペアが登場。関東学生個人戦で3位に輝くなど、全国でも名の知れた実力派カットマンペアだ。2回戦・3回戦を危なげなく勝利し、いよいよ中大の前出・道廣ペアとランク入りをかけた大一番に挑んだ。第1セットを奪うとその後の第2セットで相手の攻撃に押され、1-1となる。先日の秋季リーグで白山と前出が戦った際には接戦を繰り広げ、あと1歩のところで惜敗した。その悔しさを晴らすように白山の多彩なカットが効き、徐々にリードを広げていった。木村の変則的なバックカットも相手を苦しめ、見事3-1で勝利を収めた。

続く準々決勝で日大の小林・伊藤ペアに敗れるも、駒大のエースペアが意地を見せランク入りを果たす快挙を成し遂げた。4年生の引退に伴い、今後の駒大卓球部を引っ張っていくことになる木村と白山。ラストイヤーでもどんな感動を見せてくれるのか、2人の人柄溢れるプレーに目が離せない。

インタビュー

◆長﨑隆志監督

――今大会のダブルスを振り返って
「ランク決定戦に2組が残り、どちらかはランク入りして欲しいと感じていた。結果、木村・白山ペアがランク入りとなり、良くやったなという印象。清野・加藤ペアも紙一重だったが、ダブルスは水ものなので2-0からの逆転負けはいつでも起こり得るかなと思っていた。2ペアに共通することは、やはり『絆』かなと。どのような状況でもお互いを信頼してできるか、パートナーのミスは自分のフォロー不足、自分の得点はパートナーの良いアシストのお陰と思えればどんなペアでも良い結果が残せると思う」

――最後の大会となった清野晃大について
「ダブルスのランク決定戦で逆転負けしてしまったことで、今までの良い流れが切れてシングルスも負けてしまったように見えた。これは清野の性格の優しさの表れのように感じたし、昨年のシングルスランク入りで本人の野心的な部分も満たされてしまったのだろうと感じていた。卓球は人間性が如実に出るスポーツなので、清野の優しい性格でここまで頑張ってくれたことに心から感謝している。また、ここまで頑張ってくれたことが清野の責任感の表れでもあると思うと、胸に熱いものが込み上げてくる。厳しい高校生活後の4年間でここまで頑張ってくれて本当にありがとう、そしてお疲れ様でした。と伝えたい」

◆清野晃大

――今大会のダブルスを振り返って
「全日学のダブルスを振り返って、思った以上の力を発揮できたと思う。3回戦で当たった國學院ペアは春リーグで負けていたペアなので勝つ事ができて嬉しかった。4回戦では2-0とリードしていて逆転負けしたのがとても悔しかったが、最後まで楽しんでプレーする事が出来た」

――最後の大会でペアを組んだ加藤選手に
「加藤とは1年間ダブルスを組ませてもらいました。結果が良い時もあれば悪い時もあり波があるペアだったとは思う。しかし、何度負けても加藤となら強いペアに勝てるという自信があった。加藤は強いので、自信を持ってこれからもプレーしていって欲しいです。1年間ダブルスを組んでくれてありがとう」

◆木村飛翔

――今大会はけがをしていたように見えたが
「試合の前日練習で首を痛めてしまい、夜も中々眠れない状態で試合に出場した。湿布やストレッチをしてなんとかプレーに支障がない程度まで痛みが軽減できて、改めてマネージャーの迅速な応急処置に助けてもらったなと思った。授業や普段の疲れも怪我につながるので、身体のケアをしっかり行なっていきたいと思う」

――今大会のダブルスを振り返って
「組み合わせを見た時に、ランクであるベスト8を狙えるなと感じていた。ランク決定の苦しい試合を乗り越えてランクに入ることができてとても嬉しい。昨年悔しい思いをして、白山と2人で色々準備をして頑張ってきてよかったなと思う。この結果を自信にして、1月の全日本でも良い結果を残せたら良いなと思う」

◆白山遼

――今大会のダブルスを振り返って
「ダブルスは大会前から割と自信があり、もちろんランクに入った事も嬉しいですがなによりここまで3年間組んできてペアが少しずつ完成されつつあり、安定してきてその上楽しんでできた事が何より嬉しかった。もっと欲を言えば上へ行きたかったが、やはり相手が強く完全に攻略されてしまった。でもやれる事はやったのではないかと思う。今回ランクのお陰で来年も推薦なのでしっかり今年を超えられるように頑張ります」

◆加藤渉

――今大会のダブルスを振り返って
「今大会のダブルスは1戦ずつ勝ち上がっていくことを考えていた。上を目指しすぎると足元をすくわれてしまうので最初から声を出して元気にできたのが今回の16という結果に繋がったのかなと思う。最後のランク決定戦も勝っていただけに悔しいなと思う」

――最後に清野へ向けて
「1年間清野さんと組ませていただいてとても楽しかったなと感じています。個人戦だけでなくリーグ戦も一緒にダブルスで出たりとてもいい経験をさせていただきました。最後の全日学もランクまであともう少しでしたがこれも自分たちらしいなと思います。本当に1年間ありがとうございました!」

◆管琉乃介

――今大会を振り返って
「今回の全日学で良かった点は一回戦の試合で1-2負けの場面から挽回できたこと。普段の自分たちだったらそのまま負けてしまうパターンが多いがしっかりと立て直すことができたので成長したと思う。しかし、2回戦目で自分たちのプレーが何ひとつできなかったところは今回の一番の反省点であると思う。上手く行かない時にどうするのかをパートナーの丹羽と話し合って次の大会ではいい成績を残せるように頑張っていきたいと思う。初めての全日学で緊張などはなく自分のプレーができた試合もあればできなかった試合もあった。今回の試合で出た反省点を克服し次の大会で結果を出したいと思います」

◆丹羽良

――今大会のダブルスを振り返って
「今大会のダブルスでの種目は初出場というのもあり、緊張や焦りから冷静さが欠けていて自分たちの力を出し切ることができなかった。けれど、1回戦をフルゲームを勝つことができて今後にも繋がるいい経験になった。 初めての全日学は久しぶりの全国大会という中で結果には満足していないが、プレー自体は悪くなく次に繋がる大会になったと思う。来年この大会でランク入りできるように頑張りたいと思います」

執筆者:伊東俊翔

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