卓球部

DATE:2023.11.08卓球部

全日学シングルス、ランク決定戦で姿を消す

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ランク決定戦に進出した加藤(撮影:伊東俊翔)

第89回全日本大学総合卓球選手権・個人の部(以下:全日学)が10月26日から28日にかけていしかわ総合スポーツセンター(石川県)にて行われた。全日学は全国の熾烈な予選を勝ち上がった学生個人のトップを決める、日本最高峰の大会だ。シングルスでベスト16、ダブルスでベスト8に入ると全日学ランカーとしてその名誉は揺るがないものとなる。

Tリーガーをはじめとするプロ選手が多く出場するなか、駒大からはシングルスに関東予選を通過した6選手に加え、関東学生卓球連盟の推薦により清野晃大(経4)が出場した。出場選手、結果とインタビューは以下の通り。

※ダブルスについては別記事に記載

出場選手
シングルス
清野晃大
木村飛翔(商3)
白山遼(経3)
相楽将(営3)
加藤渉(経2)
前川祐輝(政2)
丹羽良(商1)

 

男子シングルス1回戦

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今大会ダブルスでも大活躍の木村
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シングルス初勝利を収めた前川
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1回戦で貫録勝ちを見せた相楽
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1年生ながら単・複で出場の丹羽

男子シングルス1回戦

木村 飛翔

3-0

小松直輝(鎮西学院大)

白山 遼

3-1

竹内海人(鹿児島国際)

相楽 将

3-1

藤本喬大(龍谷大)

加藤 渉

3-1

林原千東(熊本学大)

前川 祐輝

3-1

藤原大輝(関学大)

丹羽 良

3-0

伊藤虎太郎(高知工科大)

今大会が初出場となった前川は関西トップ・関学大との戦いに挑んだ。前川と藤原は幼馴染で、お互いの戦術を知り尽くした良きライバルだ。相手の攻撃に善戦し第1セットを落とすも第2セットを10-10のデュースから勝ち取り、セットカウント1-1に。流れを掴んだ前川はそのまま3セットを連取し、全日学初勝利を収めた。

1年生ながら初出場を決めた丹羽は高知工科大・伊藤との一戦に臨んだ。試合序盤から丹羽の高速フォアハンドに相手は追いつけず第1セットを奪うと、そのまま危なげなくストレートで勝利を飾った。

過去に全日学出場経験のある木村・白山・相楽・加藤も余裕の貫録勝ちを見せ、全員が2回戦に駒を進めた。

男子シングルス2回戦

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4年間を駆け抜けた清野

男子シングルス2回戦

清野 晃大

0-3

大久保樹(新潟大)

木村 飛翔

1-3

安江光博(明大)

白山 遼

3-2

景山拓海(高知工科大)

相楽 将

0-3

泊航太(日体大)

加藤 渉

3-0

柴木司(大正大)

前川 祐輝

0-3

西坂優也(龍谷大)

丹羽 良

1-3

加藤翔(法大)

前回大会のシングルスでランク入りを果たした清野はシードで2回戦から出場した。相手は今大会のダブルスでも対戦した新潟大の大久保だ。ダブルスでは清野がストレートで勝利したが、シングルスでは序盤から苦戦を強いられる展開に。第1セットを先取されて迎えた第2セット、相手にミスを誘われながらもデュースに持ち込む。しかしあと1歩が出ずそのまま第3セットも連取され、ストレートで惜敗を喫する悔しい結果に。1年間駒大のエース・副キャプテンとしてチームを引っ張ってきた清野、最後の大会を終え新たなステージへと進む。

木村は白山と組んだダブルスでランク入りを果たした直後、明大の安江との大一番に挑んだ。過密なスケジュールや前日練習の際に首を痛めていた木村はコンディションの悪い中での試合となった。木村の持ち味である多彩なカット攻撃で相手を翻弄し、第1セットを奪う。しかし第2セット以降は安江の力強いボールに押されてしまい、徐々に木村のカットが崩され1-3で敗北。2回戦で姿を消した。

白山は7月のインカレ団体でも対戦した高知工科大・景山との再戦に。インカレ団体では白山が3-1で勝利するも、今大会は第1・2セットはどちらもデュースとなるなど序盤からお互い譲らない展開に。最後は白山の粘り強いプレーが光り、フルセットに及ぶ激闘を制した。

相楽は日体大のエース・泊との対戦。先日の関東学生1部・秋季リーグの最終戦にて駒大に敗戦したことにより2部降格となった日体大。駒大の勝利を決めた相楽に日体大のエースがリベンジする形となった。序盤から相手の攻撃に苦戦し、第1・2セットを奪われ後がなくなる。しかし第3セットではデュースに持ち込み10-10となるもあと1歩のところで敗れ、悔しい結果となった。

加藤は今大会のダブルスで大活躍した大正大・柴木をストレートで破り、3回戦進出。

前川は龍谷大・西坂との戦いに挑むも、異質な攻撃に苦戦しストレートで敗北。初出場・初勝利の躍進を見せるも2回戦で姿を消した。

丹羽は法大のエース・加藤翔との戦いに挑んだ。序盤から自分のペースに持ち込み第1セットを奪うも、第2・3セットを連取される展開に。第4セットでは法大のエース相手に引けを取らないプレーを見せデュースに持ち込むも悔しい敗戦を喫した。1年生ながらシングルス・ダブルスともに出場を果たし、どちらも1勝を収めた丹羽の今後の活躍に更なる期待が高まる。

男子シングルス3回戦

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ランク決定戦に進んだ加藤

男子シングルス3回戦

白山 遼

3-2

梅村友樹(朝日大)

加藤 渉

3-2

荒井和也(早大)

先日引退された尾中翔英(営4)さん、今田みゆき(法4)さん、渡邊真愛(市4)さんをはじめ、保護者やOBの方々による現地の声援に後押しされるように得点を重ねていき、2つ隣のコートで試合をしていた白山・加藤ともに逆転でフルゲームまで持ち込む。迎えた最終ゲーム、白山は強い回転をかけたカットで相手を引き寄せず勝利を収めた。加藤も渾身のスマッシュで勝利を収め、駒大からランク決定戦に2人が進んだ。

男子シングルス4回戦(ランク決定戦)

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関東学生チャンピオンを相手に善戦した白山

男子シングルス4回戦(ランク決定戦)
白山 遼 1-4 宮川昌大(明大)
加藤 渉 1-4 伊藤礼博(日大)

白山の相手は今年の関東学生選手権チャンピオン・宮川だ。驚異的な打球スピード、攻撃力を持つ宮川はまさにカットマンの天敵とも言えよう。第1ゲーム、強烈なフォアハンドで白山のカットが破られ6-11で落とす。続く第2ゲーム、白山が意地を見せデュースから13-11でセットを奪い1-1に振り出しに戻す。第3・4セットも白山の徹底したカットに相手が苦戦。しかしあと少しのところでセットを取られてしまい後がなくなる。第5セットで粘りを見せるも9-11で取られ敗北した。得点以上に相手を追い詰めプレッシャーを与えた白山、最上級生として迎える今後1年間、更なる高みを目指す姿に目が離せない。

加藤の相手は今年の関東学生リーグ1部で春季・秋季ともに優勝した日大のホープ・伊藤だ。加藤と伊藤は同学年で高校時代「第71回関東高等学校大会」にて、当時は作新学院高に在学していた加藤と安田学園高に所属していた伊藤が決勝戦で戦ったことがあり、加藤が優勝し、伊藤が準優勝という結果であった。2年の月日を経て全国の舞台で再戦した両者、軍配は伊藤に上がった。第1セットから互角の戦いを続けデュースに持ち込むもあと1歩のところで及ばなかった。続く第2セットでは加藤が粘りを見せセットカウント1-1に戻す。しかしその後は伊藤のペースに飲み込まれ1-4で敗北した。2度目の全日学にしてランク入りが目の前に見えてきた加藤、今後の活躍にさらに期待がかかる。

インタビュー

◆長﨑隆志監督

――今大会のシングルスを振り返って 
「チームとしてはランク(ベスト16)入りした選手が出なかったのは残念な気持ちもあるが、出場した選手はそれぞれ手ごたえがあったと思う。白山と加藤はランク決定戦以前から接戦だったが、フルセットになっても気持ちで下がらずポジティブに戦い抜き、勝ち切れたことは本人の自信にもなったと思う。また、私から見ていても力がついてきた証拠であると感じられた。

丹羽も初戦を良い形で勝利し、2回戦のシード選手にもしっかりと勝負できたこと、これを本人が自信に変えてほしいと思っている。丹羽本人が感じている手ごたえ以上に、私は手ごたえを感じた。

出場した選手に関わらず、自分でクリアできる目標設定をしっかりと行い、自己肯定感を感じながら成長して欲しい。具体的には5割くらい達成できるものとし、過度に高い設定をして劣等感を感じすぎないよう、自信をコントロールすることが大事であると思っている」

◆清野晃大

――今大会のシングルスを振り返って
「シングルスでは不甲斐ない結果になってしまった。根田以下のダブルスでも対戦した相手だったためプレースタイルは把握していたが負けてしまった。最後の引退試合となるシングルスで1発負けをしてしまいましたがそれも自分らしいのかなと思います」

◆木村飛翔

――今大会のシングルスを振り返って
「シングルスでは2回戦敗退という不甲斐ない結果に終わってしまい、とても悔しい。勝つための準備をしてきたが相手の対策が上手かったと思う。今年に入ってから他校から対策されているなと感じることが多いため、それを打開する策を今後考えていきたいなと思う」

◆白山遼

――今大会のシングルスを振り返って
「去年は予選で負けてしまい非常に悔しい思いをしたが、今年はしっかり予選を通過し本戦へ出場できた。もちろんランク入りをしたかった気持ちはある。しかし非常に高い壁だった。初戦から1セットを取られたり、その次もセットオールの試合が2試合続いたが、決して焦ることはなかった。精神的にはいい状態で臨めた。次の全日本選手権でもこれを続けていきたい」

――ランク決定戦中の心境
「今回は0-4で負けないというより勝つという意識で試合に挑んだ。結果は1-4で敗北したが、最後は細かいところで崩された。チャンスはあったのではないかと感じている。これまでリーグ戦で2回対戦していてボールが速いというのはすでに知っていたため、そこに対する恐怖はなかった。次は勝てるように頑張ります。人生という名の戦場に向かうのよ 勝つのは私よ no cry baby」

◆相楽将

――今大会のシングルスを振り返って
「良かった点は試合を通して自分に足りないものが何だったかを得られることができたこと。反省点は練習していたことがあまり使えなかったため、練習をもっとして自信をつけたい」

◆加藤渉

――今大会のシングルスを振り返って
「シングルスでは去年の成績を超えたいと思っていた。3回戦でシードの選手と当たりとても苦しい試合だったが、ベンチの相楽さんや観客席からのみんなの応援が力になって何とか勝つことができた。ランク決定戦では負けてしまったが、去年の成績を超えることができたので来年こそは本気でランクを狙いたいと思う」

◆前川祐輝

――今大会のシングルスを振り返って
「緊張はいつも以上にしたが、焦らずにプレーすることができた。反省点としては試合でできる技術が少なかったこと。練習でできることを大会でも自信を持ってやってみることが大切だと感じた。1回戦は5歳からの幼馴染で、こんな偶然があるのかと思いながら『絶対に負けたくない』という気持ちで辛勝することができた。しかし2回戦は相手の異質な戦型に手も足も出なかった。これからの試合ではだれが相手でも自分が優位に立てる戦術や技術を身に付ける必要があると感じた」

◆丹羽良

――今大会のシングルスを振り返って
「シングルスではダブルスの失敗もあり、切り替えて思い切ったプレーをしようと思って試合に臨んだ。1回戦をストレートで勝つことができ、2回戦も格上の相手だったが善戦することができたため、自信になった」

執筆者:伊東俊翔

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