グローバル・メディア・スタディーズ学部が丹羽宇一郎氏を招いて公開講演会開催

Date:2015.12.22 研究・授業

12月17日(木)、グローバル・メディア・スタディーズ学部創立10周年記念事業の企画として、伊藤忠商事元代表取締役社長の 丹羽 宇一郎 氏をお招きしました。「グローバルビジネスの真髄と仕事の本質~数々の国際交渉を経て世界級キャリアを磨くことの意味を考える」と題して、60分の予定を大幅に延ばして90分ギリギリまでお話しくださいました。

出席者は400人を超え、教場は満席となりました。

満席の会場
講演する 丹羽 宇一郎 氏


「グローバルビジネスの真髄」それは、ただ1つ。人から信頼されること。"信なくして人立たず"です。グローバリゼーションが進めば進むほど、個の信頼が重要になる。文化背景の異なる人との信頼を確立する重要な手段は〈共通言語〉を身に付けることと仰いました。〈共通言語〉は必ずしも英語とは限りません。日本人特有の阿吽の呼吸では、異文化の人にメッセージを正しく伝えることはできません。30年以上の伊藤忠商事での国際交渉のご経験を通して、更にその精神の鍛錬を継続することを強調されました。学生たちが心に刺さった言葉として「一日3食、食事を摂るように、頭と心にも一日一回栄養を与えると良い。」と言われ、「人は仕事で磨かれる」と同様に、「人は読書で磨かれる」と強いメッセージを残されました。

グローバルな環境では、個の信頼性が更に重要になり、異文化共生の時代になればなるほど、個性ある資質が社会への貢献度を高めます。そして、信頼を高める手段としての密で率直なコミュニケーションは益々必須となっています。その手段としてのメディアの利活用と、語学の理解は、今後の多文化社会を生きる学生たちにとって、現代の読み書きそろばんと言っても過言ではないでしょう。丹羽 宇一郎 氏のご講演内容を通して、グローバル社会とメディアの理解を、複眼的に学ぶことの重要性を再考することができた講演会となりました。


■講演タイトル
グローバルビジネスの真髄と仕事の本質
―数々の国際交渉を経て世界級キャリアを磨くことの意味を考える

■開催日時
2015年12月17日(木)13:00~14:00

■場所
駒澤大学 駒沢キャンパス 1-401教場

■講演趣旨
丹羽 宇一郎 氏は、伊藤忠商事代表取締役社長、同会長、同相談役、日本郵政株式会社取締役、特定非営利活動法人国際連合世界食糧計画WFP協会会長などを歴任の後、初の民間出身駐中国大使を務められた日本を代表する実業家である。文字通り世界を駆け巡りグローバルに仕事をされてきた経験を通して、グローバル社会で仕事をすることの本質をご講演いただく。
同氏は1998年に代表取締役社長に就任し、多額の負債を抱えていた伊藤忠商事の業績を2001年3月期決算では過去最高の705億円の黒字を計上するまでに回復させた。社長就任中には、同社の関連会社であるファミリーマートや吉野家の弁当を自ら購入し昼食を済ませ、出勤には、運転手つきの自動車などを使用せず、社員の目線に立つために電車を使用していたなど、その仕事振りは伝説である。同氏の長年に亘るグローバルビジネスの経験から、その真髄をお話頂くことを本講演の趣旨とする。

■講演者
丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)氏

■講演者プロフィール
1939年1月生まれ。1962年、伊藤忠商事入社。同社社長、会長を歴任。2010年6月~2012年12月まで中華人民共和国駐箚特命全権大使。2013年4月、早稲田大学特命教授。2015年、日中友好協会会長に就任。