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学長あいさつ

駒澤大学 学長:各務 洋子(KAGAMI, Yoko)

20210401gakucho

令和3(2021)年4月1日より、駒澤大学学長に就任いたしました各務洋子です。就任にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

駒澤大学の将来を展望するにあたり、現在の世界及び日本を見渡せば、本学の改革のあり方と共にその方向性が見えてまいります。1つは、依然として最大の課題であります「新型コロナウイルス感染症対策」であり、もう1つは図らずも直面せざるを得なくなりましたが、デジタル革命を背景とする新しい社会の到来に、大学として如何に対応するかです。

世界各国において、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が始まったとは言え、まだその端緒に着いたばかりであり、私たちの生活は大きな変革を迫られています。人類の歴史を大きく動かしたものの1つとして、伝染病(感染症)は軽視することはできません。そういう意味で、私たちの生活、安全、幸福の基盤である社会秩序や既存の価値観は大きく崩れ、大転換の渦中であるといえるのではないでしょうか。

駒澤大学は、令和4年度に140周年を迎え、さらに原点に遡れば420年を超える長い歴史と伝統の中で、明治維新や戦後復興といった大きな局面を力強く乗り越え、教育・研究や社会貢献の弛まぬ努力や改革によって、時代に応じた大学教育のあるべき姿を究明してまいりました。私たちは、建学の理念と教育・研究の本質を見失うことなく、時代の要請にこたえてきたという自負心をもっています。この度のコロナ禍という試練は、私たちに大きな課題を突きつけています。感情的な情報や言動に惑わされることなく、また安易な過敏反応は控え、しっかりとした資料やエビデンスに基づいて熟議し、考え抜いた決断を適確に実行することが大切です。

図らずもコロナ禍という外的ショックは、時代の要請である「デジタル化の波」を一気に加速させています。この状況を踏まえつつ、本学も、教育・研究の充実、学生の成長という観点から、適切な対応を図り、すでに動き出しています。具体的には、授業の在り方、部活動の進め方、入試の方法、研究のスタイル、事務組織の運営をはじめ、留学やキャリア教育の進め方に至るまで、創意と工夫を凝らして、新たな対応を実行し始めています。

とりわけ、教員と学生にご協力をお願いして実施した昨年度の「リモート授業」の経験は、学生の学修への主体的・積極的取組とその効果を確認しつつも、一方で、学生が感じた孤立感・孤独感、ストレスや不安への対処、リアルな人間関係形成ができないという問題点も浮き彫りにしています。こうした中で、私は、学生、教職員の安全・安心を確保する環境づくりを第一に考えると同時に、高等教育機関として、教育・学術水準を維持・向上させ、更に進化させて、新時代を生き抜くための新たな価値観やビジョンを、学生や教職員、大学関係者と共に一体となって、創造していきたいと考えています。その手段として、オンラインとリアルを駆使した情報共有と意見交換の「場」をつくること、意思決定のプロセスの透明性を図ることから始めてまいります。

駒澤大学の根幹をなす仏教のもつ"智慧と慈悲"の精神は、コロナ禍で疲弊した我々の心のまさに"よりどころ"となります。ここに本学の存在意義があることを再確認したいと思います。坐禅の体験は、本学の重要な学習経験と人格陶冶の基礎となります。この上に、人類の英知の結果である先端技術を最大限に活かすことにより、教育・研究の在り方を再定義し、授業の進め方の多様化を考えています。と同時に、デジタル・トランスフォーメーション(DX)によって、組織の在り方や大学運営の効率化を促進してまいります。
こうした新しい取組を通して、学生、教職員のダイバーシティ(多様性)を尊重する<個>を活かした柔軟な大学の実現を目指します。

駒澤大学のもつ唯一無二の伝統と価値を礎とし、デジタル化による教育・研究の可能性を拡げ、多様な働き方と持続可能な社会を目指した貢献をひとつずつ実現させ、新しい時代を創造する駒澤大学であり続けるよう、学長として、力を尽くしてまいります。

今後も、皆様にはニュースやメッセージをお送りしてまいりたいと存じます。
ご意見をお寄せいただければ幸いです。

令和3(2021)年4月1日
駒澤大学学長 各務 洋子
Yoko KAGAMI, Ph.D

挨拶・スピーチ紹介

学長の挨拶・スピーチをご紹介いたします。

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